
浅瀬と深海
ある日、二人は出会った。
それは、
浜辺で日光浴にうってつけの日。
一人は海パン一枚、
一人は潜水服を着て。
お互い、初めて見る相手に、
気持ちが舞い上がりました。
一人は、
この身軽で軽やかな装いに。
もう一人は、
この重厚な安全そうな装いに。
「ステキだね。」
「あなたも。初めてそんなの見たわ。」
しばらく二人はとても楽しく過ごしました。
それは初めての、新鮮な景色でした。
「少し一緒に海に入ろうか。」
日光浴をやめ、
二人は海へ飛び込みました。
一人はぷかぷか浮かぶために。
一人は奥底まで潜るために。
お互い、少し驚き、戸惑いました。
一人は海の浅瀬に戻ろうと。
一人はもっと潜ってみようと。
けれど、
何度潜ろうと思っても浮いてしまい、
息が続きません。
何度上に浮上しようと思っても、
なかなか簡単には浮上できません。
お互いが呼び合いますが、
もうお互いの声も姿も見えません。