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人生の転機⑨|休職開始!何もできない日々から立ち上がるまで

    何もできない自分と向き合った日々──朝散歩から始まった再生


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    適応障害と診断された翌日から、急に休職生活が始まった。
    休職可能期間は6か月間。収入は傷病手当金でまかなうことになった。
    週1回の通院が言い渡され、まずは「心と身体を休めること」が最優先になった。


    休職直後の1週間


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    休職が始まった直後の1週間、僕はほとんど寝込んで過ごした。
    解放感と同時に、身体がさらに鉛のように重くなったからだ。
    休める安心感と、社会から取り残されたような不安感が同時に押し寄せる。
    外の世界がどんどん遠ざかっていく感覚が怖かった。

    次の通院で医師にそのことを話すと、静かに言われた。

    「きっと正義感が強く、完璧主義な方なんですね。
    休職初期は、すぐ遊びに出る人と、あなたのようにまず寝込む人に分かれるんです。」

    そうか、自分はまず寝込むタイプか──
    その言葉に少し救われたのを覚えている。


    朝散歩という課題


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    次に医師から出された課題は「毎朝、散歩すること」。
    朝散歩はセロトニンの分泌を促し、心身を整える効果があるという。

    しかし最初は本当にしんどかった。
    何も活力が湧かず、呼吸することすら重い。
    最初の数日は、公園のベンチに座るだけで精一杯だった。
    歩くと息が切れ、胸がドクドクして、何度も帰りたくなった。

    それでも「朝散歩だけはやろう」と思い、毎日続けた。
    やがて次の課題、「朝9時までに起きる」が追加された。

    まるで入院患者のリハビリのような日々。
    少しずつ、少しずつ、体調が戻っていった。


    筋トレ再開と回復の加速


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    体調が安定し始めたころ、大学時代から続けていたジム通いを再開した。
    筋肉と体重が落ちていくのに耐えられなかったのがきっかけだったが、
    これが回復の大きなターニングポイントになった。

    週5〜6で通い、みるみる筋肉がついていった。
    鏡に映る自分の顔色が少し明るくなり、痩せこけた頬に肉が戻ってきた。
    その変化を見るのが、毎日の小さな楽しみになった。

    体力が回復し、肌ツヤも戻り、顔つきも変わった。
    やがて昼や夜にも散歩を追加し、家族や友人と会う時間も増えた。
    3か月が経つころには、医師から「いつでも復職可能」と言われるまで回復していた。


    自分と向き合う時間


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    4か月目、医師からこう言われる。

    「そろそろ会社に戻るか、転職活動をするか考えてください。」

    体調はほぼ元どおりになっていた。
    だからこそ、「もう大丈夫、自分ならやれる」と思っていた。

    けれど改めて自分と向き合うと、見えてくるものがあった。
    テレアポや飛び込み訪問の前は吐き気がするほど緊張していたこと、
    HSP気質で音や匂い、光に敏感なこと──
    自分に合わない環境があったのは事実だった。

    それでも「やっと掴んだチャンスを無駄にしたくない」という思いが強く、
    僕は復職する道を選んだ。

    もう一度、戦えるかもしれない。
    今度は倒れないように、自分を大切にしながら。


    学んだこと


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    休職は「ただの空白期間」ではなかった。
    朝散歩、生活習慣の改善、筋トレ──
    この期間で身につけた習慣が、今の僕を支えている。

    そして「何もできない自分」を受け入れることで、
    やっと心と身体が再生し始めた。
    休むことは決して逃げではない。
    次に進むための準備だったのだ。


    次回予告


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    次回は、復職準備編。
    半年間の休職を経て、いよいよ社会復帰への準備が始まります。

    新しいスーツを手にし、通勤訓練や面談で少しずつ現実に近づいていく日々。
    しかし、復職目前で思いがけない事実が突きつけられます。

    ここから、物語はさらに大きく動き出します。

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