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私の愛するピアニストたち

音の奥に、人がいる

ジャズを聴くということは、ただ音を追うことではない。
その背後にある「人」を、そっと感じ取る行為だと思っている。

同じピアノという楽器なのに、ここまで違うのか。
その違いに耳を澄ませるうちに、私はいつの間にか「人」を聴いている。

今日は、私が長く愛してきたピアニストたちを、簡単なメモとともに記してみたい。

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■ 音の洪水と、孤独の静寂

まずは、ジャズ・ピアノの核心にいる四人から。

Phineas Newborn, Jr.

Phineas Newborn, Jr.
――超絶技巧・重厚な和音
代表曲:『Sugar Ray』
「ピアノの怪物」。完璧すぎるテクニックと、溢れ出す音の洪水。
その圧倒的な物量に、ただ呆然とする。

Bill Evans

Bill Evans
――内省的・リリカル
代表曲:『Waltz for Debby』
静謐な演奏の中にある、知性と孤独。
音と音の「間」に、思索が宿る。

Bud Powell

Bud Powell
――モダンジャズの父
代表曲:『Cleopatra’s Dream』
精神の危うさと引き換えに、一音一音に命を削るような凄み。
その緊張感に、深い敬意を抱く。

Thelonious Monk

Thelonious Monk
――独創的・不協和音の美
代表曲:『’Round Midnight』
「ジャズの哲学者」。
独特の「間」とリズムの溜めは、聴くたびに新しい意味を持つ。

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■ 洗練と構築美

次に、洗練された美しさと構築力を感じるピアニストたち。

Kenny Drew

Kenny Drew
――華やか・欧州の香り
代表曲:『Undercurrent』
洒脱で、歌心にあふれる旋律。
どこか日本人の情緒に寄り添う優しさがある。

Kenny Drew, Jr.

Kenny Drew, Jr.
――クラシック的・超絶技巧
代表曲:『Passionata』
父譲りのセンスに、クラシックの素養が加わった緻密な構成。
音楽が「設計」されている感覚。

Oscar Peterson

Oscar Peterson
――鍵盤の皇帝・スウィング
代表曲:『My One and Only Love』
圧倒的なエンターテインメント性。
聴く者を必ず幸福にする、確かなスウィング。

Sonny Clark

Sonny Clark
――哀愁・ハードバップ
代表曲:『Cool Struttin’』
ブルージーで心地よいリズム。
いわゆる「日本人好みの哀愁」が、ここにある。

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■ 音が人を幸福にする瞬間

そして、音楽が「幸福」を直接運んでくるタイプのピアニストたち。

Wynton Kelly

Wynton Kelly
――軽快・極上のバッキング
代表曲:『Kelly Blue』
「伴奏の天才」。
どんな演奏もハッピーに変えてしまう、転がるようなタッチ。

Francesca Tandoi

Francesca Tandoi
――現代の正統派
代表曲:『Something Blue』
伝統的なスウィング感に、ヴォーカルというもう一つの表情。
現代に生きる「正統」の美しさ。

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■ 終わりに

ピアノは、一見すると同じ楽器だ。
だが実際には、演奏者の人生そのものが鳴っている。

激しさ、孤独、知性、遊び心、幸福感――
それぞれの音に、それぞれの「生き方」がある。

だから私は、ジャズを聴く。
音ではなく、人に会うために。

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