
大手オンライン旅行会社Expedia株の急落と今後の対応方針
昨日の米国市場でエクスペディア(EXPE)株が$234.46(前日比🔺15.26%)と急落しました。

現在、旅行業界全体が「AIによるビジネスモデルの破壊」という大きな転換点に立たされています。
エクスペディア(EXPE)株について、現状分析から今後の対応を検討する。
1. 現状分析:エクスペディアを取り巻く環境
① AIによる中抜き(disintermediation)リスク
GoogleのAI化:GoogleがAIを活用した旅行検索を強化しており、ユーザーがエクスペディアのサイトに来る前にGoogle上で旅行プランの作成を完結させてしまうリスクが高まっている。
顧客獲得コストの上昇: 自社サイトへの流入を維持するためには、広告費をさらにかける必要性が生じ、収益性を圧迫する懸念がある。
② 市場の評価と株価の動き
直近の株価下落: AIリスクへの懸念からエクスペディア株は年初から-17.24%の下落を記録しており、競合他社(Booking -13.27%、Airbnb -10.05%)と比較しても下落率が大きい。
マルチプル(割安・割高指標)の低下: 2025年に一度評価が見直されましたが、現在は以前の水準から約10%低い評価(マルチプル)で取引されている。
③ 会社側の対抗策
AIへの積極投資: エクスペディアはAIを「第3の章(インターネット、モバイルに次ぐ変革)」と位置づけ、AIによる日程作成機能やパーソナライズ化に注力している。
業績の底堅さ: 2025年第3四半期までは予想を上回る決算(EPSビート)を続けており、ファンダメンタルズ(企業の基礎体力)自体は依然として強固と言える。
2. 保有株の対応方針
【短期:静観】次回決算(2月12日)のQ4決算発表を待つ
決算の内容やガイダンス(見通し)を確認してから判断する。
経営陣が「AIによる顧客獲得コスト(Marketing spend)」をどの程度抑制できているかを確認する。
もし広告費が売上成長を上回るペースで増えているなら、売却も検討した方が良さそうです。
💡 アナリストのアドバイス
UBSのアナリスト、スティーブン・ジュ氏は「AIリスクの解決は今年中には期待できず、株価の再評価は難しい」と慎重な見方を示しています。
また、同氏はリスクが既に価格に織り込まれているという理由で、エクスペディアよりもブッキング(BKNG)を優先する姿勢を見せています。

エクスペディアは競合他社と比較して「割安感」はあるものの、利益率や成長率ではブッキング・ホールディングス(BKNG)やエアビーアンドビー(ABNB)に後れを取っている現状があります。
現状の評価から判断すると中長期の保有は慎重になった方が良さそうです。
3. 今後のチェックポイント
2026年2月12日(予定)のQ4決算発表:ここでのAI戦略に関する経営陣のコメントが、今後の株価を左右する要因となり得る。
マーケティング費用の推移:Google等のAI検索に対抗するために広告費が急増していないかを注視する。