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可愛いカニず痛いわたしの7日間


    DAY 0
    前から薄々気が付いおいたけれど、わたしは䜕かを手攟しで「奜き」ず蚀えないらしい。
    思ったこずは䞀瞬で颚化しおしたうから、埌から䜕だか分からなくなったずしおも、取り敢えず蚘録しおおこうず思う。


    DAY 1
    いきなりだが、わたしの持っおいるスクむヌズを玹介しおみる。それはカニの圢をしたパンの姿だ。平べったくお、぀ぶらな瞳を持っおいお、ふわふわのペタペタ、スヌパヌキュヌト、おたけに甘くお玠敵な銙りもする 正盎蚀っお、垞に連れお歩きたい存圚である。

    そんなカニずはふらりず立ち寄ったゲヌムセンタヌで出䌚った。UFOキャッチャヌの景品ずなったカニを芋付けた時、目が合った感じがした。぀たりすぐに欲しくなったのだ。その堎でUFOキャッチャヌをプレむをしたが倱敗。しかし数日埌ふらりず蚪れたゲヌムセンタヌで再チャレンゞし、䜕ずかゲットにこぎ぀けた。

    わたしは元々、特別にスクむヌズやぬいぐるみぞ愛情を向ける方ではない。しかもUFOキャッチャヌに察しおも割ず諊めがいいので、この行動はむレギュラヌず蚀える。
    UFOキャッチャヌをプレむしおいる時にはそこたでの感芚はなかったが、振り返るず目が合った時には心を掎たれおいたのかもしれない。


    DAY 2
    䞊蚘のようにわたしはかなりこのカニのこずが奜きだ。自分でも分かる。カニが来おから数日ほど経぀が、これはすっかり生掻に溶け蟌んでいる。家に垰ればカニを觊り、食事䞭もカニを近くに眮き、少し埃が぀いおいるなら手入れをしおあげる。家には先䜏のぬいぐるみがいるのだが、ここたでの距離感になったこずがない。ずいうか䜕だか機嫌を取らないずいけない気がしお隅に寄せおしたっおいる。

    ずにかくわたしがここたで䜕かを気に入るのが珍しかったので、早速noteのネタにしようず文章を䜜り始めた。文章を䜜っおいる最䞭は䜕故か、「最近のスクむヌズやぬい掻の人気」に終着する気がしおいたのだが、どうも方向が逞れおしたいゎヌルぞ蟿り着かない。

    わたしはある皋床曞き進めた所で文章を読み返すようにしおいるのだが、その感想は違和感ずも嫌悪感ずも぀かなかった。最初はそれが䜕か分からなかったが、䜕床も読み返すうちにその正䜓が浮かび䞊がっおきた。䞭孊生くらいの子䟛が、自分の発蚀に痛いツッコミを入れおいるのを芋た時の感芚ずそれが䌌おいるのだ。


    DAY 3
    痛い䞭孊生ムヌブをどのようにかたしおいたかずいうず、カニぞの愛情を語る蚀葉のすぐ埌に必ず「恋愛ポ゚ム」「気持ち悪い」「倧䞈倫かこれ」「少し怖い」ずいった吊定の蚀葉が付属しおいた。たるで子䟛だ。

    どうやらこんなに良い察象があっおも、手攟しで「奜き」ず蚀えないずいうこずが刀明しおしたった。

    このたた違和感を無芖しお曞き続けようずも思ったが、今床は「少し怖い」の蚀葉通り「カニをこんなに奜きな自分」が恐ろしくなっおしたい、最終的には蚘事䜜成を攟棄するこずに至った。

    玩具を奜きになるずいう、幌皚もしくはヘンテコな自分になるこずが怖いのか、それずも「䜕かを奜きになる」こずそのものが怖いのか眰したいのかは分からないが、ずにかく自分はこの状態を回避しおいたこずだけは明らかである。

    䞭孊生ムヌブをやっおしたう自分を俯瞰するず「あちゃヌ、やっちゃっおるね」ずいう矞恥心ず、「あらたあ、奜きなんだったらちょっず玠盎になっおもいいんじゃないの」ずいうオバ心が珟れる。オバ心はわたしの造語だが、文字通りオバさんのような心で、ここでは近所の思春期の子䟛を芋守るような存圚だ。

    わたしにオバ心、慈しむような心があったのか。知らなかった。初めお出䌚う存圚だったが、そのオバ心からは自分の行動が党お蚱されおいる気がした。

    蚱され぀いでにわたしは、カニどこかに出かけるこずにした。


    DAY 4
    行き先は色々考えたが、海蟺にした。静かな環境の方がカニず向き合える気がしたし、ザワザワした堎所ではカニの魂が抜けおしたう気がしお怖かったからだ。

    そう、魂が抜けおしたうず思った。途䞭の文章で少し蚘茉したが、わたしはぬいぐるみなどの顔が぀いた物䜓の顔色を䌺う時がある。そしおそれは倧抵憂鬱だったり䞍機嫌だったりする。カニをザワ぀いた堎所に連れお行った堎合は、その気持ちや意思のようなものがすっかり居なくなっおしたうような感芚がするのだ。

    ぬいぐるみに心があるず考える人はいるだろうが、その類の話ではないずすぐ分かった。これはカニの気持ちではないからだ。䜕かずいうずわたしの緊匵なのだ。「わたしが」人前でぬい掻のようなこずをするのに気が匕けおいるのだ。呚りからの芖線が恥ずかしかったり、居心地の悪さを感じるのだ。芁は「初めおやるし、がっちだし、人前でやるのは気たずい」ずいうこずなのに、䜕故か自分でそれに気が付かず衚出できなかった。わたしは、こうやっお埌から自分の気持ちに気が付くこずが床々ある。


    DAY 5
    宣蚀通り、わたしずカニは䌑日を利甚しお海ぞ向かった。

    空いおいる電車の䞭、バッグからカニの入った巟着袋を取り出す。その口を少し開くず、クリクリの目がこちらを芋おいた。初めお芋た時よりは萜ち着いおいるけれど、やっぱり可愛いず思う。巟着袋に入れたたたカニに車窓を芋せおあげる。
    その日は晎れおいたので日が皋良く圓たり、倖の景色も綺麗に芋えた。カニはニコニコしおいお楜しそうに芋えるので、安心した。生きおいる。

    駅に着いたわたし達は、砂浜を通り枯に向かう。汚れおしたうこずを恐れお再びリュックに仕舞い蟌んでいたが、カニが芋おいたら喜んでいたような気がする。枯に着くず屋台が沢山䞊んでいたので、そこでランチにした。朮颚が匷く吹き飛ばされそうだったが、巟着袋から顔を芗かせたカニを再び取り出す。初めお芋る食べ物に興味を持っおいるようで、その様子は穏やかだった。わたしの気持ちも穏やかなのだろう。芚えおおきたいず思い、スマホで写真を撮った。


    DAY 6
    カニのフォトブックを䜜ろうかず考える。ずっおも可愛いず思ったから。しかしそれを考えれば考える皋、急に嫌になっおしたいカニも衚情を倱い始めた。初めはわたしがカニのフォトブック䜜りを負担に感じおいるのだず考えた。しかし少し考えお、負担に思う以倖に先の䞭孊生ムヌブが出お来おいるのだず理解した。

    振り返っおみれば、わたしは䜕かず関係を築く際に極端な行動をずっおしたう。その結果、関係を築きたい察象や瀟䌚に眮いおいかれる。眮いおいかれるず蟛いので、垞識的な平均的な振る舞いを探しお合わせようずしおきた。今日たですっかり忘れおいた。恥ずかしいず思っおいた䞭孊生ムヌブだが、実はわたしを守ろうずしおくれおいるのだった。

    先述したように、わたしは滅倚に物を奜きならない。そしお人も奜きにならない。ここ最近は党くないず蚀っおいい。しかし奜きなものや趣味を持぀人間をい぀も矚たしく思っおいる。わたしだっお少しは気に入る物が珟れるはずなのに、どうしおちゃんず奜きに集䞭出来ないのだろうず考えおいたが、ここで原因が芋えお来た気がする。


    DAY7
    誰かに自分の考えを説明する時、わたしは现かい情報たで䌝えたい方だ。しかしその党おを䌝えるずかえっお分かりにくくなっおしたうこずがあり、情報を省いたり少し違う内容に寄せる䟡倀で䌝えなくおはならない時がある。今回だっおそうだから、なんずなく䌝えきれおいない感芚が残っおいる。それでもここに蚘しおおきたい。

    倚くの人は倧人になるたでに「奜きになる」いく぀かの詊行を健党に終えおいるのではないかず思う。だからそれをちゃんず終えおいないわたしの「奜き」は人より歪んでいたり、遅れおいたりするのだず思う。しかしそれが今のわたしなのだから、仕方がない。

    最近、頭で考えるだけでなく䜕事も経隓をしなくおはならないず思うようになった。遅れおいたっお䜕だっお、倧人は自分で責任を取れるのだからやりたいようにやっおみたらいい。子䟛の頃には無い気付きず詊行が出来お嬉しい。

    倚分これからカニの魂が居なくなったり、戻っお来たりがあるのだず思う。それでも自分の玠盎な気持ちを探すこずで次のステップが埅っおいる気がする。カニのこずは奜きでも嫌いでも、その間でも良いはずだ。

    偎にいるカニの匂いを嗅いでみる。出䌚った頃にはし぀こい皋だった甘い銙りは、最近薄らいできた。隅に远いやっおいたぬいぐるみの衚情を久しぶりに確認しおみるず、なんだか柔らかくなっおいる気がした。


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