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パズルの街のKAI第4話「祭りの最䞭に、誰も終わった埌を考えない」

    あらすじ

    すべおが“正しく”ハマる街。
    建物も、人も、人生も——
    あらかじめ䞎えられた「圹割」に埓うこずで、
    争いも迷いもない平和が保たれおいる。
    そんな䞖界で、本を読むこずが奜きな少幎カむは、
    どこか息苊しさを感じおいた。
    母が語っおくれた“別の䞖界”の物語。
    そしお、完成ぞず近づく街。
    「党郚ハマったあずっお、䜕が残るんだろう」
    静かな違和感から始たる、
    児童哲孊ファンタゞヌ。



    倜。

    街は、昌ずはたったく違う顔をしおいた。

    灯りが連なり、音が重なり、人の声が空気をあたためおいる。

    い぀もは静かな通りに、人がにじみ出るように集たっおいる。みんな同じ方向を向いお、同じ方向ぞ歩いおいた。

    「カむこっち」

    レヌヌが人ごみの䞭で手を振っおいる。

    すぐに芋぀かる。動きが倧きい。

    カむが近づくず、レヌヌは少し息を匟たせながら蚀う。

    「すごいよ今日こんなに人いるの、初めお芋た」

    「ほら芋お、あれ」

    指さした先。

    広堎の䞭倮に、倧きな台が眮かれおいる。その䞊に、ピヌスが積み䞊げられおいた。いちばん䞊だけ、空いおいる。

    ポヌンが、その光景を芋䞊げおいた。

    しばらく、蚀葉が出ない。

    「  きれいだね」

    小さく、そう蚀う。

    「党郚が、ちゃんずそこにある」

    レヌヌがすぐに乗る。

    「でしょ党郚ぎったりハマるんだよパヌフェクトピヌス」

    呚りから、声が䞊がる。

    「明日だ」

    「最埌のピヌスだ」

    「぀いに完成だ」

    少し離れたずころからも聞こえおくる。

    「パヌフェクトピヌス」

    「完党なる平和だ」

    同じ蚀葉が、䜕床も繰り返される。

    隣の人が蚀う。たた別の人が蚀う。同じ調子で、同じ蚀葉が重なっおいく。

    ポヌンは、静かにうなずく。

    「それぞれの圹割が、党郚぀ながるんだね」

    少し間を眮いお、

    「ちゃんず意味があるっお、わかる気がする」

    その声は、どこかうれしそうだった。

    レヌヌが笑う。

    「いいじゃんそれ完璧っおこずじゃん」

    ポヌンも、やわらかく笑う。

    「うん、そうだね」

    カむは、少し離れたずころから芋おいた。

    光は増えおいる。音も、声も、熱もある。

    楜しいはずだった。

    でも——

    どこか、揃いすぎおいた。

    手を䞊げるタむミングも、笑うタむミングも、声を重ねるタむミングも、少しず぀、同じに芋えた。

    近くにいた男の人が、隣の人に蚀う。

    「いやあ、぀いにだな」

    「楜しみだ」

    街のみんなが、にぎやかなに声を発しおいる

    二人は笑い合った。

    同じ顔で。

    レヌヌが手を匕く。

    「ねえ、もっず近く行こうよちゃんず芋たい」

    䞉人は人の流れに入った。

    同じ方向ぞ進む。同じリズムで歩く。

    ポヌンが蚀う。

    「なんか、萜ち着くね。党郚決たっおる感じがしお」

    レヌヌも笑う。

    「わかる安心するよね」

    カむは、䜕も蚀わない。

    その蚀葉が、頭の奥に残る。

    党郚、決たっおいる。

    そのずき。

    ふず、重なった。

    暗い店。玙の匂い。擊れた本。

    はじたりに、創り手がいた——

    自由だった䞖界。広がっおいった䞖界。分かれおいった䞖界。争いになった䞖界。圹割を䞎えられた䞖界。静かで、揺るがない䞖界。それ以䞊、倉わるこずのない䞖界。

    カむは、たばたきをする。

    目の前に戻る。

    笑い声。光。揃った動き。

    「パヌフェクトピヌス」

    たた、声が䞊がる。

    「パヌフェクトピヌス」

    別の方向からも聞こえおくる。

    声は重なり、倧きくなり、広堎党䜓に広がっおいく。

    レヌヌが䞡手を䞊げた。

    「パヌフェクトピヌス」

    ポヌンも、静かに口を動かした。

    カむは、声を出さなかった。

    口だけが、少し開いたたた止たる。

    呚りの熱が、肌に䌝わっおくる。

    みんなが笑っおいる。みんなが同じ蚀葉を蚀っおいる。

    おかしくはない。

    倉でもない。

    でも——

    カむは芖線を動かす。

    右にいる人。巊にいる人。前にいる人。埌ろにいる人。

    みんな、同じ方向を向いおいた。

    「ねえ、カむも蚀いなよ」

    レヌヌが肘で぀぀く。

    「みんなで蚀うから楜しいんだから」

    カむは少しだけ笑う。

    「うん」

    「うん、じゃなくお蚀う」

    「  パヌフェクトピヌス」

    「声小さい」

    レヌヌは笑いながら、たた前を向く。

    ポヌンがカむの暪に䞊ぶ。

    「楜しい」

    静かな声で聞く。

    「うん」

    「そっか」

    ポヌンは少し間を眮いお、たた台の䞊を芋る。

    「党郚が぀ながるっお、なんか、いいよね」

    カむは䜕も蚀わなかった。

    蚀えなかった。

    間違っおいるずは思えない。

    でも——

    本の䞭の蚀葉が、たたよみがえる。

    それ以䞊、歩みを進めるこずはなかった。

    カむは、たばたきをしお打ち消す。

    広堎の䞭倮では、誰かが台の䞊に䞊がっおいた。

    倧きな声で蚀う。

    「明日、この街は぀いに完成する」

    歓声が䞊がる。

    「最埌のピヌスがはたれば、すべおは揃う」

    たた、歓声。

    「圹割を守り、平和を守り、この街を守っおきた——みんなのおかげだ」

    䞀段ず倧きな歓声。

    レヌヌが隣で飛び跳ねる。

    「すごいすごいよカむ」

    ポヌンは、静かに目を现めおいた。

    カむは、拍手をした。

    手のひらに、熱が䌝わっおくる。

    芖線が、台の䞊に向く。

    積み䞊げられたピヌス。

    最埌の䞀぀だけ、空いおいる。

    党郚がそろえば——

    党郚がそろったら——

    そのあずは。

    カむは、その先を考えようずする。

    でも、、、、

    「ねえ、腹枛ったよ」

    レヌヌが急に蚀う。

    「䜕か食べに行こうよ、屋台出おるから」

    ポヌンが笑う。

    「さっきたであんなに盛り䞊がっおたのに」

    「腹が枛ったら祭りはできないっおいうでしょ」

    レヌヌはもうそっちを向いおいる。

    カむは、もう䞀床だけ台の䞊を芋た。

    積み䞊げられたピヌス。空いた頂䞊。

    そのずき。

    ほんの䞀瞬だけ、音がずれた気がした。

    芏則正しく続いおいた拍手の音が、どこか䞀か所だけ、少しだけ遅れた。

    カむは芖線を䞊げる。

    誰も気づいおいない。

    レヌヌはもう屋台の方ぞ歩いおいる。ポヌンも、その埌ろを歩いおいる。

    もう䞀床、台の䞊を芋る。

    積み䞊げられたピヌスのうち、ひず぀が——

    ほんのわずかに、傟いおいるように芋えた。

    すぐに目をこらす。

    同じだった。

    䜕もなかったみたいに、ちゃんず収たっおいる。

    芋間違えだったかもしれない。

    でも——

    「カむ、早く来お」

    レヌヌの声がする。

    「今行く」

    カむは、最埌に䞀床だけ台を芋お、歩き出す。

    街は、祝っおいる。

    光は消えない。音も止たらない。

    すべおが、正しく進んでいる。

    カむは空を芋䞊げる。

    暗くお、広くお、端が芋えない。

    街の灯りで、星はほずんど芋えなかった。

     
     

    tatsumi

     
     
    『パズルの街のKAI』 すべおが型にはめられた平和な䞖界で、"倉わり者"の少幎カむは、圓たり前に違和感を抱き、自分で意味を組み合わせる生き方を芋぀けようずする。

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