
「ゲーム」が「社会貢献」になる時代
column vol.677
「Play to Earn」
ブロックチェーン技術を用いた「Web3」の浸透は、「ゲームで遊んで稼げる」時代を到来させました。
対戦で得られる「勝利報酬」、用意された課題をクリアして得られる「クエスト報酬」、NFTアイテムの売買から得られる「アイテム販売報酬」により、「職業=ゲーマー」を可能にしたのです。
このことは、以前【「遊んで稼げる」がスタンダードに】というコラムでもご紹介させていただきました。
今日は、その時も少し触れました「NFTスカラーシップ」についてフォーカスし、お話ししたいと思います。
「NFTスカラーシップ」とは何か?
「スカラーシップ制度」と聞くと「奨学金制度」を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、だいたいそんなイメージです。
「NFTスカラーシップ」とは、NFTの貸し借りシステムのこと。
マネージャー(所有者)がNFTを貸し出し、スカラー(借りる人)がそれを使って稼ぐ。そして稼いだ額の〇%をマネージャーに還元するという仕組みです。
なぜ、スカラーシップが存在するのか?
大きな問題となるのが、NFT(ブロックチェーン)ゲームはスタート時にNFTアイテムを購入しなければならず、初期費用になかなかのお金がかかります。
だいたい少なくとも200ドル程度。
ゲームの腕は確かだけど、お金がない…。そういった人にNFTアイテムを貸し出すことで支援するというわけです。
つまり、ゲームをプレイするための道具をマネージャーが貸し出し、スカラーがそれを使って稼ぎ、そのお金の一部をマネージャーに支払うという仕組みです。
とはいえ、稼ぎの取り分は、マネージャー7割、スカラー3割というケースもザラにあります。
えっ!3割!?少ない…。
そう思う方もいらっしゃるかと思いますが、貧しい国ではゲームの対価は悪くない。実際、スカラーが多く活躍するのがフィリピンです。
フィリピンの日給の相場は1000円。
しかもフィリピンのパスポートは弱いので、出稼ぎをするのも難しい状況…。
そこで、ゲームで生計を立てる人は多く、月に数千ドルを稼いでいるプレイヤーもいて、貧困対策の光となっているのです。
つまり、NFTゲームとは単にゲームして稼ぐだけではなく、貧困で苦しむ人たちを救うための一助となっているのです。
世界で活躍するNFTゲームの「日本企業」
NFTゲームというと、「アクシー・インフィニティ」を開発したベトナムのSkyMavis社が有名ですが、日本企業も躍進しています。
シンガポール拠点の「Digital Entertainment Asset Pte. Ltd. (DEA)」が手がけるGameFiプラットフォーム『PlayMining』は、2020年5月26日にサービスを開始。
現在、全世界100ヵ国、240万人を超えるユーザーを有しています。
〈HEDGE GUIDE / 2022年6月3日〉
ちなみに「GameFi」とは、Game×Finance(ゲーム×金融)が融合したビジネスモデルのことです。
つまり、「NFTゲーム」のことです。
『PlayMining』では、職業をテーマにしたNFTトレーディングカードバトルゲーム『JobTribes』、農場がモチーフのコインプッシャーゲーム『Lucky Farmer』(公式版は2022年夏リリース予定)をリリース。
また、バーガーショップの店員として、様々なタイプのお客のオーダーを受け、正確かつスピーディーに料理を提供する『Cookin’ Burger』、自分で色を塗ったキャラクターでスコアを集めながら競争する塗り絵ゲーム『Graffiti Racer』、ダンジョンでモンスターを討伐して、希少な「食材」を手に入れ、つくった「ラーメン」を販売する『麺屋 ドラゴンラーメン』をこの夏にリリースする予定です。
『JobTribes』はリリースと同時に人気に火がつき、一気にNFTゲームのメインストリームに。
DEAでは今期半期決算で4,200万SGD(約39億円)の売上、利益で2,600万SGD(約24億円)という業績を発表し話題を呼びました。
同社共同CEO山田耕三さんは
『PlayMining』は、「誰もが未体験のWeb3エンタメの実現」と「持続可能な社会貢献」という二つの目標を”Play to Earn”、さらにはPlayにとどまらない、”X to Earn”という手段によって実現することを目指すプロジェクトです。
と、「社会貢献」も軸に挙げており、「ゲーム界のステークホルダー資本主義」を築き、自社の利益と社会の利益の両立しようとしているのです。
18ヵ月後、NFTゲームはさらに加熱する
そんな山田CEOの熱き想いに触れられる記事がありますので共有させていただきます。
〈新しい経済 / 2022年5月23日〉
〈新しい経済 / 2022年5月25日〉
山田さんは、日本のゲーム業界のコンピュータエンターテインメント協会(CESA)、日本オンラインゲーム協会(JOGA)、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)という業界3団体が、昨年5月に「ブロックチェーンゲームに関するガイドライン」を制定し、7月に施行することに触れているのですが
「リアルマネートレード禁止の規定についてはブロックチェーンゲームには適用しない」
という一文に着目されています。
世間ではあまり話題になっていませんが、この声明直後に大手ゲームメーカーがこぞってNFTゲームへの参入を決めているのです。
そして、山田さんは18ヵ月後、とんでもない状況になると予見しています。
18ヵ月というのは一般的にゲームを開発してリリースするまでの最低限かかると言われている期間。
ここから「GameFi1.0」から「GameFi2.0」に変わると予想されるのです。
「GameFi1.0」はNFTやブロックチェーンという技術を使ってゲームの中に金融要素を取り入れたという段階。
つまり、「Play to Earn」のベースを築き上げたというステージです。
しかし、大手ゲームメーカーが参入することで、コンテンツ力が格段に上がるでしょう。
これが「GameFi2.0」のステージとなります。
極端な話、人気シリーズのゲームでの「Play to Earn」実現も夢ではないということになります。
もちろん、ゲーマーの中には金融要素(稼ぎ)を求めたくない人もいると思いますので、一足飛びにはいかないと思いますが、「アクシー・インフィニティ」に多額の出資を行なっているアレクシス・オハニアンさんは
「GameFi」は5年以内にゲーム市場の90%以上を占める
と予想。ゲーム経済圏は想像以上に膨れ上がっていくような気がしますね。
スポーツの世界では、子どもの頃から英才教育を施す家庭も見られますが、ゲームの世界でもそういった光景を目にすることになりそうですね。
まさに、ゲーム版『巨人の星』。
……ちょっと喩えが昭和過ぎましたかね…?(汗)
…いずれにせよ、今後ゲーム界で大谷翔平のような天才プレイヤーや、ウォーレン・バフェットのような慈善投資家が生まれてきてもおかしくはありません。
信じるか信じないかは、あなた次第です。
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