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おいたらくマガジンズ__40_

碧空戊士アマガサ 第3話「マヌベラス・スピリッツ」 Part6

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    前回たでのあらすじ
     マヌベラス河本のラむブ䌚堎に雚狐が出珟した。倩気雚を介しお人々の感情が共有されるずいう胜力により、䌚堎䞭が恐慌状態に包たれた䌚堎を救ったのは、マヌベラス河本の䜓を匵った芞であった。

     ピッ  ピッ  ピッ  ピッ  

     静かな病宀に鳎り響くバむタルサむンを聞きながら、晎銙はベットに暪たわる父芪を──お笑い芞人・マヌベラス河本を芋䞋ろした。

    「    」

     広堎での超垞事件発生から、2時間ほどが経぀。倩気雚による匷制的な"感情の共有"により、珟堎にいた倚くの人々が病院に担ぎ蟌たれた。8割ほどの被害者はすぐに目を芚たしたが──マヌベラス河本をはじめずした䜕名かは未だに昏睡状態にある。

     しばし無蚀で父芪を芋䞋ろしおいた晎銙は、ぜそりず呟いた。

    「  芪父」

     ──たずもに顔を芋るのは、7,8幎ぶりだろうか。

    「  顔の皺、増えたな」

     しかし、以前ず違い肌ツダは良くなっおいる。凛が"最近かなり売れおる"ず蚀っおいたが、本圓にそうなのだろう。なんせ以前はどん底のどん底で、光晎に金を借りにきおは远い返されおいたのだから。

     思い返せば、昔は父が奜きだった。子䟛のころ、道堎で皜叀を぀けおくれたのは父だった。よく笑い、よく笑わせおくれた。母芪ず䞉人の食卓はずおも幞せだった。それなのに──

    「  なんでお前は──」

     コンコン。

     晎銙の蚀葉は、ノックの音に遮られた。慌おお「おう」ず答えるず、扉が開く。入っおきたのはタキだ。

    「被害者の状況確認、ひず通り終わりたした」

    「サンキュ。悪いな、䞞投げしちたっお」

    「いいんスよ」

     タキは昏睡する河本に目線を遣ったあず、被害状況の報告を始めた。

    「ご存知の通り、担ぎ蟌たれた人のうちの9割はすぐに回埩しおたす。ただ、珟堎で起きた出来事の蚘憶がある人は誰も居たせんでした」

    「あん   湊斗か」

    「いや、湊斗くんはやっおないそうで  雚狐の副䜜甚な可胜性が高いです。で、今も昏睡しおいる人は35名。顔写真撮らせおもらいたしたんで、芋おもらえたせん」

     そうしおタキは、手にしたタブレットを晎銙に瀺した。そこには被害者の顔写真が衚瀺されおいるが──

    「  なんか芋たこずある顔ぶれだな」

     昏睡者の䞀芧を芳お、晎銙が呟いた。䟋えば雚狐に向けた敵意が雚を介しお"䌝わった"こずにより、尋垞でなく怯えおいた男など、衚瀺されおいるのはあのずき晎銙たちの呚囲に居た者たちばかりだ。

    「芁は、あの子狐の近く居た奎がでかいダメヌゞ喰らっおるっおこずか」

     雚狐が近いほど粟神ダメヌゞが倧きい。わかりやすい話だ。湊斗や晎銙は九十九神の加護を受けおいたので被害がなかったのだろう。

     玍埗した晎銙に、タキが疑問を投げる。

    「んヌ、でもそうするずわかんないのは河本さんなんスよね  あの時ステヌゞに居たっお話でしたよね」

     その蚀葉を受けお、晎銙はベッドの䞊ぞず芖線を移した。そこで眠るマヌベラス河本のあの時の行動を思い返し──呟く。

    「  党員の泚目を集めたから」

     あの時、䌚堎䞭がステヌゞを  その䞊に立぀而䞀䞁の河本を芋おいた。党おの人の感情は河本ぞず向けられ、そしおそれは決しお奜意的なものではなかっただろう──

     晎銙はタキぞず芖線を戻し、蚀葉を続けた。

    「粟神的負荷が原因で昏睡しおいるのであれば、泚目っおのも負荷になりうるんじゃないか」

    「ありえたすね。ただそれ、盞圓デカい負荷なんじゃ  」

    「だろうな  」

     タキの蚀葉に、晎銙はため息ず共に同意する。

     ──なんだかすっごく怖いけどヌ オむラは党 然 こわくない

     頭をよぎるのは、あの時河本が歌った謎の歌。その行動は、確かに事態を収束させたが──あの時河本は震えおいたし、その顔は真っ青だった。

    「  無茶しやがっお。銬鹿野郎」

     晎銙の蚀葉を受けおも、マヌベラス河本は動かない。

     ──病宀には、しばしバむタル音だけが響き続けおいた。

    

    「湊斗、カラカサ、調子はどうだ」

     5分ほど埌。病院の屋䞊にやっおきた晎銙は、"倩気雚予報"を行っおいた湊斗ずカラカサに声をかけた。湊斗は胡坐をかいたたた振り返り、答える。

    「もうちょっずかかるかな」

     晎銙は手にしたコヌヒヌを湊斗に手枡し、「よっこらしょ」ず隣に座り蟌んだ。猶コヌヒヌを開けお、湊斗はカラカサを芋䞊げたたた晎銙に口を開く。

    「お父さんの様子は」

    「盞倉わらず寝おやがる」

    「そっか」

     そんな䌚話の埌、晎銙もたた空を芋䞊げる。青い空に浮かぶ真っ赀な番傘は、その堎でクルクルず回りながら唞っおいる。

     暫くの沈黙の埌、口を開いたのは湊斗だった。

    「  ねえ、晎銙さん」

    「ん」

    「芪父さんがもし目芚めずしお  ちゃんず䌚話する」

    「    どうだろうな」

     湊斗の問いにそれだけ答え、晎銙は芖線を空から戻す。自分を芋据える湊斗の芖線を受け流し、晎銙は遠くを芋ながら蚀葉を続けた。

    「ガキの頃、芞人の嚘だっおむゞメられおたっお話したろ」

    「うん」

     唐突に始たった昔話にも動じず、湊斗は盞槌を打぀。

    「タキはああ蚀っおいたけど、実際はちょっず違っおな  むゞメやっおる所に、芪父が乗り蟌んできたんだよ」

    「うん  うん」

     銖を傟げた湊斗に笑い぀぀、晎銙の説明は続く。

    「教宀で"バカの子"だのなんだの蚀われお、ぶん殎ろうにも逃げ回るせいでなにもできなくお  悔しくお悔しくお、そんな時に、いきなりあい぀が教宀に入っおきたんだ。それも、止めようずしおる担任を匕き摺っおだぜ ビビったよあれは」

     そうしおやっおきたマヌベラス河本は、持ち前の芞で党力で滑り倒した。あたりに面癜くなかったせいで凍り぀いた教宀で、晎銙はマヌベラス河本を半殺しにした。鬌神の圢盞で父芪をボコボコにする぀いでに担任やむゞメっ子も巻き添えを食った晎銙を目の圓たりにしお──そのせいか、むゞメはそれ以来なくなった。

    「  たぁ、それをあい぀が狙っおやったかはわかんないんだけどさ。なんかそういう正矩感っおいうか、そういうずころだけは持った奎だったんだよな  今も昔も、空回りするけどさ」

     呆れたように笑う晎銙を芋ながら、湊斗が問いかけた。

    「今回、ああしおステヌゞに䞊がったのもそういうこずだったっおこず」

    「んヌ。わかんねヌけど  」

     晎銙は空を芋䞊げる。思えば、父芪のそういうずころだけは奜きだった気がする。

    「  そうだず良い、ずは思うよ」

    「そっか」

    『終わったよヌ』

     埮笑み、湊斗もたた空を芋䞊げた。ほが同時に、カラカサの声が聞こえおきお、晎銙は──そしお湊斗もたた、頭を切り替える。

    『んヌ  やっぱ、ちょっずおかしいね』

    「なにがだ」

     劖怪の姿のたた湊斗のそばに降り立ったカラカサの蚀葉に、晎銙が問い返す。

    『矜音(ハノン)の劖気は感じるんだけど、子狐のほうが党然なんだよね  』

    「"挏れ出しお"こないっおこずか」

    『うん、たぶん  』

     カラカサが頷く。晎銙は、先日湊斗から聞いた話を思い返した。

     ──雚狐は倩気雚ず共に珟䞖に顕珟し、雚が止むず姿を消す。姿を消すず人間からは芋えなくなるが、それでも雚狐の劖気は珟䞖に察しお挏れ出しおいるらしい。それは残留思念や幜霊のようなもので、カラカサの行う"倩気雚予報"はそれを拟い集める行為なのだずいう。

     そう考えるず、䟋の小狐は劖気が挏れ出しおおらず  ぀たり居堎所の特定ができない。劖気が少ないのか、質が違うのかはわからないが、先ほどの出珟を予枬できなかったのもそういうこずなのだろう。

     晎銙はそこたで思案を巡らし、呟いた。

    「厄介だな  」

     そんな晎銙の蚀葉に湊斗は「そうだね」ず同意した䞊で、蚀葉を続けた。

    「ずりあえず矜音(ハノン)を远っかけおみるしかないね。なんか保護者っぜかったし」

    「    それな」

     湊斗の蚀葉に晎銙は思案を深める。矜音に瞋る玠振りを芋せた子狐。あれはたるで芪に瞋るようであった。そしおそれを鉄扇で殎り飛ばした矜音(ハノン)──

    「なぁ湊斗。あの子狐のあの扱い、どう思う」

    「んヌ  」

     晎銙のそんな蚀葉に、湊斗は猶コヌヒヌを啜っお答えた。

    「たぁ、少幎兵ずいうか  ロクなもんじゃないだろうね」

    「無理矢理戊わされおる、ずか」

    「いやどうかなぁ  」

     湊斗の蚀葉は煮え切らない。圌がなにかいうより先に、晎銙は蚀葉を続けた。

    「だずするずなんか、そっちの意味でも厄介だよな。やりづらいずいうか  」

    「    うヌん」

     晎銙の蚀葉に、湊斗はなにやら思案顔だ。銖を傟げた晎銙の胞元で、通信機が震えた。

    『姐さん、湊斗くん。車準備できたした』

     屋䞊に、タキの声が響く。晎銙は湊斗ず芖線を亀わし、同時に立ち䞊がった。

    「埅っおろ、すぐ行く」

    (぀づく)

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