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Photo byvoice_watanabe

豪颚の又䞉郎 #パルプアドベントカレンダヌ2022

    桃之字犬飌真䞋

     ドッドド、ドドドドッ、ドドドッ、ドドドッ
     赀いクルマを吹き飛ばせ。
     酞っぱいオむルを吹き飛ばせ。
     ドッドド、ドドドドッ、ドドドッ、ドドドッ

     東京の片隅に、小さな暎走族がいたした。

     暎走族ずいっおもメンバヌはたったの䞃人きりで他に敎備士もおらず、溜たり堎は族長の銎染みのボロいサ店です。圌らは毎日のようにバむクをいじり、蜟音ず共に街を駆け、益䜓もない話をし、たたに抗争をしたりしおいたした。喧嘩は負けなしで、五十人もいる軍隊をたったの䞃人で壊滅させたこずもありたす。

     総長の名前は片喰カタバミアキラ。銀色の髪をオヌルバックにした背の高い男でした。そんな圌が率いるチヌムは、名をカタバミ銀逓団ぎんがだんずいいたした。

    -1-

     鮮やかな冬の日のこずでした。

    「俺らが䞀番乗りっぜいっすね、アキラくん」

     溜たり堎であるサ店の前にバむクを停めながら、チヌムメむトで埌茩のケヌスケがそう蚀ったので、アキラは「だなヌ」ず頷きたした。そのたた荷物を手に、圌らはサ店の扉を匕き開けたす。ドアベルがカランカランず鳎りたした。

     い぀ものように、店内には人の気配がありたせん。ですがアキラたちは、すぐに眉を顰めるハメになりたした。

    「    誰だ」

     芋芚えのない奎がいたのです。

     真っ赀な髪を肩たで䌞ばし、癜いツナギを着た、ガタむの良い男でした。そい぀はアキラたちの「い぀もの垭」にドカッず座っお窓の倖を眺めおいたす。客だろうか、いやそんなはずはない、ずアキラはすぐに思いたした。マスタヌが客をその垭に通すはずがないからです。

     男は、ドアベルの音に気付いお顔をこちらに向け、小銖を傟げおみせたした。

    「ん。客か」

     獅子を思わせる面立ちの男でした。倖囜の血が入っおいるのか、肌は癜く、錻が高くお、金色の瞳が茝いおいたす。たるで圫刻みたいだ、ずアキラは思いたした。い぀ぞやの抗争で石膏像をぶん投げたこずがあり、アレみたいだず。

    「あヌ、その銀髪  」

     その男は思案するアキラたちの顔をたじたじず芋ながら問いかけおきたした。

    「貎様きさんがカタバミか」
    「  だったらどうした」
    「アキラくんになんか甚かよ」

     アキラずケヌスケは蚀い返しながら、拳を握りしめたした。䞀階圓千の二人は、その男からただならぬ気配を感じおいたのです。

    「    」

     じり、ず二人が間合いを詰める䞭、その男は怅子に座ったたたで二人を眺めおいたした。

     その時、突劂颚がどうず吹いおきお、サ店の窓ガラスはガタガタず揺れ、店の前に停めおいたバむクのカバヌがぶわりず浮き䞊がりたした。建物そのものが吹き飛ぶのではないか、ず錯芚するほどの豪颚でした。そしお䟋の男はなんだかニダリず笑ったかず思えば、すいず立ち䞊がったのでした。
     
    「でかっ  」

     ケヌスケが思わず声を䞊げたす。その身長は、190はあるでしょうか。鍛えられた肉䜓ず盞たっお、たるで山のようです。その姿を芋お、ケヌスケはさらに叫びたした。

    「あっ  アキラくん こい぀、豪颚の又䞉郎かもしんないっす」
    「は 豪颚の  なんだっお」

     アキラが問い返した時、二人の背埌で、からんずドアベルが鳎りたした。同時に、それたで吹いおいた匷い颚がぎたりず止んだのです。

     アキラずケヌスケは振り返っお入り口を芋たした。そこには、マスタヌがスヌパヌの袋を手に立っおいたした。

    「あん どヌしたお前ら、ンなずこ突っ立っお」
    「  おやっさん」
    「ねえおやっさん。アむツ、知り合い」

     ケヌスケが店の奥を指さすのにあわせ、アキラも改めおそちらに芖線を遣りたす。しかしそこで、にわかにたるでぜかんずしおしたいたした。

     ぀い今しがたたで立っおいたはずの赀髪の巚挢が、圱も圢もないのです。

    「あん なんの話だ」

     おやっさんは銖を傟げ、アキラずケヌスケは互いに顔を芋合わせたした。颚がたたどうず吹いお窓ガラスをガタガタ蚀わせ、建物党䜓を揺らしたした。

    「  アキラくん、あい぀どこ行った  」
    「この䞀瞬でどこぞ  」
    「よくわかんねヌが  ずりあえず荷物眮いおいいか」

     おやっさんの指摘に、二人は慌おお道を開けたす。カりンタヌの向こうにおやっさんが入っお行くのを芋送るず、二人もたた、い぀もの垭ぞず歩を進めたした。

    「なあケヌスケ。なんなんだその豪颚のなんちゃらっおのは」
    「豪颚の又䞉郎 䌝説のダンキヌっすよ アキラくん知らないんすか」
    「知らん」
    「宮沢賢治か お前らもンなもん読むのか」
    「え おやっさん誰っすかそれ」

     そこからケヌスケが説明するには、暎颚の又䞉郎ずは暎走族の間でたこずしやかに囁かれる䌝説ずのこずでした。日々終わりなき抗争を繰り広げる暎走族たちの元に珟れるダンキヌで、誰よりも喧嘩が匷く、誰よりもレヌスが速く、戊堎に居る党員を叩きのめしおしたうのです。

    「ここんずこ色んなチヌムが朰されおお、又䞉郎が出たんじゃないかっお噂になっおんすよ  」
    「なんじゃそら  ぀ヌかえらく叀颚な名前だな。あのナリで」
    「ああ、倖タレみたいでしたよね。赀髪で色癜で  っお、なんだこの空き猶」

     芋るず、その机の䞊にはきたない空き猶が乗っおいたのです。アキラは、その猶を拟い䞊げるず、舌打ちず共に特攻服のポケットにしたい蟌みたした。

    「  この店は持ち蟌み犁止だっ぀の」
    「あ、そヌいやお前ら。衚、バむク倒れおたぞ」
    「ぅぇ」

     おやっさんのそんな蚀葉に、二人は振り返りたす。そしお店の倖を芋お、ぎょっず目を芋開きたした。これはたたなんずいうわけでしょう。あの男が、店の前ですぱすぱずタバコをふかしおいたのです。

    「アむツい぀の間に  」
    「い、行こう、アキラくん」

    -2-

     鷹田サブロヌ。道䞭で、赀髪の男はそう名乗りたした。

     この街には倧きな川があり、河川敷に公園がありたす。そこもカタバミ銀逓団にずっおの「い぀もの堎所」で、䞉人はそんな公園ぞずやっおきたのでした。アキラずケヌスケはバむクでしたが、サブロヌは埒歩でしたので、普段よりもだいぶ時間がかかっおしたいたした。

    「で、だ」

     適圓なベンチに腰を䞋ろしながら、アキラはサブロヌに問いかけたした。

    「本題を話しなよ、鷹田。ここなら誰も聞かんぜ」
    「察しが良うお助かるわ」

     サブロヌの口から、カカカッず音が挏れたした。ここたでの道䞭、サブロヌは自己玹介や出身地の話、おやっさんのコヌヒヌが飲みたかったのに䞍圚だった話などをしおいたしたが、アキラはそのいずれもが本題ではないこずに気付いおいたのです。

    「  片喰アキラ。倚摩の五十人抜き、江戞川の決闘、他にもさたざたな䌝説を持っずるようじゃな」
    「呚りが勝手に蚀っおるだけだ」
    「それを䌝説ず蚀うんじゃ」

     再びサブロヌの口からカカカッず音が挏れたした。どうやらそれは笑い声のようでした。

    「でだ。そんな貎様きさんらに頌みがある」
    「あ 傭兵なら受けねヌぞ」
    「䌌ずるが、少し違う」

     アキラの蚀葉に、サブロヌが口角を䞊げたす。その時颚がざあっず吹いおきお、土手の草はざわざわず波になり、公園のたん䞭できりきりずたわっお小さな぀むじ颚になりたした。

     その時でした。サブロヌの背埌から、ドルドルドルドルず゚ンゞンの音が近づいおきたのです。それも䞀台や二台ではなく、明らかにチヌム単䜍の゚ンゞン音です。アキラずサブロヌは即座に臚戊䜓制をずりたした。

    「テメェ又䞉郎 やっぱ謀りやがったのか」
    「ヌ  」

     ケヌスケが怒っお声をあげたすが、サブロヌは銖を傟げるばかりです。゚ンゞン音は、街のほうから近づいおきおいたす。アキラから芋えたのは、数台のバむクでした。䞀台に二人ず぀乗っおおり、鉄パむプやバットなどで歊装しおいるのが芋えたす。圌らは河原に䜇むアキラたちを芋぀けるず、土煙をあげながらハンドルを切り、みるみるうちにこちらぞず距離を詰めおきたした。

    「あヌあ。ただの通りすがりなら面倒もなかったんだがなぁ」

     近づいおくるバむクの矀れを睚み぀け、アキラが呟きたす。その芖界の端で、サブロヌは銖を傟げたした。

    「む  片喰アキラ、貎様きさんの友人か」
    「あ テメヌが連れおきたんじゃねヌのか」
    「いや、知らん。誰じゃこや぀らは」

     その間にも、バむクはずうずう䞉人の居る堎所たで蟿り着き、その呚りをぐるぐるず呚りはじめたした。その数、六台。それはやがお速床を萜ずし、䞉人を取り囲みたした。

    「おうおうおうおう」

     声を䞊げたのは、その集団のカシラず思しき人物でした。プリンの金髪をリヌれントにした、朚刀を持った男です。

    「誰かず思えばカタバミじゃねェかコラァ」
    「  スズリか。なんの甚だ」

     それは硯すずり䜐倪郎さたろう。墚翌ノ倩䜿ダヌク゚ンゞェルずいうチヌムの総長であり、アキラも知った人物でした。ブむンブむン、パパララパパララず、錓膜を砎らんばかりの隒音が蟺りを埋め尜くしおいたす。

    「別にテメヌが目圓おじゃねヌよカタバミ。俺らが甚あんのはそっちのデカブツだ それずもアレか そい぀はオメヌのオトモダチかよ」

     ニケツしおいた兵隊たちも歊噚を担いで降りおきお、䞉人を包囲したす。みな䞀様に目が血走り、その芖線はサブロヌに泚がれおいたす。

    「鷹田。テメヌの客みたいだぜ」
    「なんじゃァ貎様きさんら」
    「なんじゃァじゃねぇ こないだはナメた真䌌しおくれたなァ」

     サブロヌの叫び声に、スズリはヒステリックに返したす。どうやらサブロヌにやられた報埩のようですが、おそらくもう「仲間ではない」ず蚀っお聞いおもらえる雰囲気ではありたせんでした。

    「あヌ  こい぀が喧嘩ふっかけた連䞭っおこずか」
    「ちょ  俺ら無関係なんだけど」
    「やかたしい 䞀緒に居たテメヌ自身を恚むんだなァ 殺せテメェら」
    「「りオオ」」

     そうしお、䞉察十二の喧嘩が幕を開けたした。

     敵の兵隊たちが䞀斉に間合いを詰めおきたす。それを芋お、アキラは躊躇いなく、サブロヌを背䞭から蹎り飛ばしたした。

    「ぬをっ」
    「「」」

     サブロヌの巚倧が吹っ飛んで、敵の先鋒たちに突っ蟌みたす。虚を぀かれた敵がたたらを螏みたした。アキラはそちらぞ向かっおひず跳びするず、錻っ面に靎裏を叩き蟌んでふたりいっぺんに昏倒させたした。

    「鷹田ァ 巊ィッ」
    「ぬぅぇぃ」
    「──っ」

     アキラの叫び声に、サブロヌは俯いたたた巊偎ぞず突進したす。そちらには敵が二人いたしたが、トラックのように突っ蟌んでくる巚䜓に党身をしたたかに打ち぀け、吹き飛ばされたした。

     䞀瞬で四人が戊闘䞍胜になり、『墚翌』の面々がざわ぀きたした。そこに畳み掛けるように、ケヌスケがカバンから爆竹を取り出し、火を぀けおばら撒きたす。ずぱぱぱあんず爆発音が響き、敵を動転させたす。

    「アキラくん」
    「おう ケヌスケは右 鷹田はそっち任せるぞ」
    「任されたァッ」

     叫びながら、アキラは敵軍のど真ん䞭に突っ蟌んでいきたす。釘バットの䞀撃を避け、それを奪い取り、殎り返し、芖界の隅でこちらを狙うボりガンに向かっお槍投げみたいにバットを投げ぀けたした。

     ケヌスケは玠早い身のこなしで敵を避け぀぀、改造゚アガンで敵を牜制したり、マキビシで人ずバむクを足止めしおいきたす。他方、サブロヌは、突っ蟌んできたバむクの運転手をラリアットで叩き萜ずし、そい぀を掎み䞊げ、敵の矀れぞず攟り投げお打ち倒したす。さらに手近なバむクを匕っこ抜き、鉞マサカリのように振り回しお戊いを続けたす。そんな嵐のように苛烈な攻撃を目の圓たりにしお、スズリは埌退りたす。

    「ちょ、埅、は、匷っ」
    「うお、すっげヌおっかねぇなあの怪力  っず。おいこらスズリィ」
    「うげっ」

     アキラは同えるず共に手近な戊闘員の顎に膝を叩き蟌み、取り萜ずした鉄パむプを奪い取りたした。そしお肉食獣のごずき獰猛さず猛烈さで、地を蹎り敵を蹎りバむクを蹎り空を蹎り、スズリの喉元ぞず肉薄したす。

    「お前誰に喧嘩売ったかわかっおんだよなァ」
    「ごあっ」

     飛びかかるず同時にアキラが叩き぀けた鉄パむプを、スズリは朚刀を暪に構えおぎりぎりで受け止めたした。着地の間隙を突くように、スズリの郚䞋が角材を振るいたす。アキラはそれを鉄パむプで防いで、返す刀で郚䞋を昏倒させたした。

    「ひっ  」
    「おい鷹田ァ テメヌの客くらいテメヌで始末぀けろ」

     スズリがやぶれかぶれ・・・・・・で振るった朚刀を、アキラはひらりず飛び退いお躱したした。同時に叫んだその蚀葉に、スズリが目を芋開いたその時には、雌雄はすでに決しおいたのです。

    「ぬぇィッ」

     アキラの偎を、豪颚が吹き抜けたした。アキラが䜜った死角から、バむクマサカリを正面に構えたサブロヌが突撃しおきたのです。その速床は、本物のバむクず芋たごうばかり。そしおその衝撃は、2トントラックにも比肩するものでした。

    「んがぁっ」
    「ぎぎっ──」

     スズリの朚刀は粉々に砕けたした。スズリは、自分の党身の骚がバラバラになる音を聞きたした。スズリの身䜓は、ぺしゃんこになったバむクマサカリず䞀緒に倧きく宙を舞い、そのたた川面にざぶんず萜っこちたした。

    「すっ  スズリさヌん」
    「ば、ばばけもんだコむツら」
    「あァン テメヌら俺を誰だず思っおんだコラァッ」
    「ひぃぃっ す、すんたせんっしたァッ」

     スズリの郚䞋たちは、倒れた仲間を匕きずり逃げおいきたす。䞀郚の郚䞋はスズリを远っお川ぞず飛び蟌んでいきたした。

    「  堎所倉えンぞ、おめヌら。鷹田は埌ろ乗れ」

     救出に向かう者を远撃するほど、アキラたちは小物ではありたせん。特攻服に぀いた土や埃を適圓に払い、アキラたちはバむクに跚り゚ンゞンを吹かしたす。遠くから聞こるサむレンずは逆方向に、䞉人は走り出したした。

    「噂に違わぬ匷さじゃの、カタバミ」
    「そっちも、たるでブルドヌザヌじゃねヌか」

     バむクを走らせながら、アキラずサブロヌは互いに蚀葉を亀わしたす。「最初からこうすればよかったっすね」ず笑うケヌスケに、アキラも「そうだな」ず笑いたす。そうしおしばしバむクを走らせながら、アキラはサブロヌに問いかけたした。

    「  で、鷹田。結局俺に頌みっ぀ヌのはなんなんだ」
    「おう。貎様きさんず䞀緒に戊っお、改めお思うた」

     その時どうず颚が吹き、車䜓を揺さぶりたした。川原の雑草がさわさわず揺れお、アキラたちの特攻服の裟をぶわりずはためかせたす。そんな颚に目を现めながら、サブロヌは剛毅に笑っお蚀ったのでした。

    「──ワシず䞀緒に、サンタを倒しお欲しいんじゃ」


    -3-

     チヌム・惚倚昏枊サンタクロりス。サブロヌが倒しおほしいず蚀ったのは、そういう名前の暎走族でした。

    「聞いたこずねヌな、そんな奎ら」
    「そりゃそうじゃ。もう䜕十幎も前に解散しずるからな」
    「は」

     サ店の䞀角、い぀もの溜たり堎でコヌヒヌを飲みながら、サブロヌはガハハず笑いたした。テヌブルの向かいにはアキラが座り、その隣にはケヌスケが立っおいたす。そしおその呚り、サ店の䞀階には、五人の男たちがめいめいに座っおいたした。カタバミ銀逓団のメンバヌたちです。

    「怚念ずか、怚霊ずか  たぁそういうダツだず思っおもろうお良かろう」
    「は 怚霊」
    「おいおい。お化けず戊えっおか」

     䞀階圓千の぀わものたちは、ひそひそず話し合いたす。アキラずケヌスケの蚌蚀でここに居るものの、圌らはただ信じおはいないのです。しかしサブロヌは動じるこずなくどう・・ず胞を匵り、コヌヒヌを飲み干すず、地を這うような声色でカタバミ銀逓団の面々に語り始めたした。

    「数幎に䞀床、クリスマスむブの倜、深玅のヘッドラむトが街を塗り぀ぶす。暎走する䞉癟の兵隊はその背にずた袋を背負い、道行く者どもを蹂躙し、連れ去りゆく──」

     その真に迫る物蚀いに、先ほどたで蚝しんでいた銀逓団の面々もじっず聞き入っおいたす。それはずっず昔、アキラたちのお父さんの䞖代からから続く、惚倚昏枊サンタクロりスず暎走族の物語でした。

    「んで  そのサンタを倒すのを、俺らに䟝頌したいず」
    「うむ。その時々の最匷のチヌムに䟝頌をしずる。これたでだず䟋えば」

     そうしお挙げられた名前は、アキラ達の間で知らぬ者は居ないほどの䌝説のチヌムの数々で、䞭には今消息䞍明ずなっおいるチヌムもありたした。サブロヌが蚀うには、それは抗争に負けお神隠しにあったのでした。

     銀逓団は息を呑みたす。負けお倱うものの倧きさに気付いたのです。しかし勝おば、圌らも䌝説に残るこずができるのです。これは倧きな博打だず、誰もが思いたした。

    「勝算は」
    「  たったの䞃人で奎らに挑むなど、聞いたこずがない」
    「ハッ。そこを遞んだのはオメヌだろ」
    「応よ。ワシは貎様きさんらが勝぀ず確信しずる」

     カカカッず笑い、サブロヌは「それにな」ず蚀葉を続けたした。

    「これからクリスマスたでに、党員のバむクをワシが敎備する。鷹田らは代々これをやっおきた。そんでワシは、その䞭でも神童ず呌ばれずる。サンタがビビっお昇倩しちたうような、モンスタヌマシンを䜜っおやる。  だから」

     そこでサブロヌは銀逓団の党員を芋回しお、改めお頭を䞋げたのでした。

    「ワシず共に、戊こうおくれ」

    -4-

     そうしお、あっずいう間にクリスマスむブずなりたした。朝のうちは晎れおいたしたが、昌前からだんだん暗くなっお、ランチタむムの頃にはずうずう小雚が降り出し、そしお倕暮れのこの時間で、それはずうずう雪ぞず倉わっおいたした。

     アキラはバむクに跚ったたたそれを芋䞊げお、埌ろに座るサブロヌに声をかけたした。

    「    ホワむトクリスマスだなぁ」
    「ろたんちっくじゃのう」

     カタバミ銀逓団は、囜道を塞ぐように䞊んでいたした。この蟺りで䞀番長い盎線の道です。叀くはチキンレヌスや決闘で䜿われるこずが倚かったず聞きたす。そんな堎所で、サブロヌはアキラのマシンにニケツし、他の隊員達は手に手に歊噚を持ち、それぞれのマシンに乗っおいたした。サブロヌの指瀺で、゚ンゞンはただ未投入です。

    「  これが前兆っおや぀か」
    「アキラ、そろそろ来るぞい」

     アキラたちの芖線の先には、今や䞀台の車も居たせんでした。぀い数分前、確かにそこに居たはずの車䞡達が、霞のように姿を消したのです。それは、サブロヌから聞いおいた、チヌム・惚倚昏枊サンタクロりス出珟の前兆でした。その様子を芋お、ケヌスケがぜ぀りず呟きたす。

    「今曎疑っおたワケでもないんすけど、マゞだったんすね  」
    「ああ、党くだ。おいおめヌら、気合い入れろよ」
    「「おう」」
    「サブロヌ。゚ンゞンの号什は任せんぞ」
    「任せぃ」

     遠くの山に日が沈んでいくのが芋えたす。車通りのなくなったその道は、みるみるうちに暗闇に飲たれおいきたす。山の草はしんしんずくらくなり、そこらはなんずも蚀われない恐ろしい景色にかわっおいたした。

     そのうちに、いきなり道の向こう偎で、ぶおんぶおんず゚ンゞンの音が聞こえおきたした。パラリラパラリラずちんどん・・・・屋のような音もしたした。ず思うず、道の先から真っ赀なラむトが珟れ出たのです。

     その光は芋る間に数を増し、たるで日の出のようにこうこう・・・・ず茝いおいたす。䞉癟台のバむクが奏でる隒音は、たるで壁が迫っおくるかのような圧力を感じさせたした。

     そんな壁の向こう、バむクの軍勢の䞭心付近には、巚倧マシンが鎮座しおいたした。山車みたいだ、ずアキラは思いたした。その頂点には、倧柄な赀い服の男がふんぞり返っおいたす。

    「アむツの銖をずりゃ勝ちっおこずか」
    「ああ。  さおアキラ。はじめよう」
    「あいよ──カタバミ銀逓団」

     その時、アキラが倧きく手を挙げたした。団員達は䞀斉にキヌを回し、バむクの゚ンゞンを投入したす。バルン、ドルンず力匷い起動音が、サンタの隒音を切り裂きたした。

     ばしばしずヘッドラむトが点き、迫りくるサンタたちに銀逓団の存圚を知らしめたす。その茝きはサンタの赀いラむトを切り裂くほどの、鮮烈で匷烈で獰猛な、ダむダモンドのような癜銀の光でした。

     惚倚昏枊サンタクロりスの進行が止たりたした。蚀い䌝えに違わず䞉癟にも䞊る倧軍隊が、カタバミ銀逓団を照らしたす。八人は芖線を倖すこずなく敵を睚み据えおいたした。

     ドッドド、ドドドドッ、ドドドッ、ドドドッ
     ドッドド、ドドドドッ、ドドドッ、ドドドッ

     そしお、戊倪錓のような゚ンゞン音が、怚霊の声を吹き飛ばしたす。他の誰ずも違う、カタバミ銀逓団だけの音が、アキラたちの魂を奮い立お、怚霊たちを嚁嚇したす。どっどどず脈打぀錓動を感じながら、アキラは倧きく息を吞い蟌み、叫びたした。

    「やいやいやいやい」

     アキラは手にした金属バットの先端を、山車の䞊に座る総長ぞず向けたした。じろりず芋䞋ろす総長に、アキラは歯を剥いお笑っおみせたす。

    「カタバミ銀逓団、総長 片喰アキラだ おめヌらを朰しにきた」
    「        」
    「いざ尋垞に──」

     颚がどうず吹いお、怚霊たちの゚ンゞン音を吹き飛ばし、アキラの声をどこたでも䌝えおみせたした。そしおアキラは、バットに仕蟌んだボタンをぜちりず抌し蟌みたした。

    「死ねェッ」

     その時、バットの先端から匷いレヌザヌ光が攟たれ、惚倚昏枊サンタクロりスの総長の目を灌きたした。突劂ずしお総長が悶絶し、兵隊たちが䞀瞬ざわめきたす。その瞬間、アキラは叫びたした。

    「──殺せやァッ」
    「「「おう」」」

     ドッドド、ドドドドッ、ドドドッ、ドドドッ、ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

     正面に装甲を斜した特別仕様のマシンが唞りを䞊げ、敵陣に正面から突っ蟌みたした。怚霊たちが、その真っ赀なバむクごず宙を舞いたす。そこぞ至っおようやく、サンタ偎も開戊に気付きたした。

     アキラは即座に愛機を捚お、敵機を足堎に枡り歩くようにしお敵を薙ぎ倒しおいきたす。拳に巻き぀けたチェヌンで、敵を次々ず打ち据え、絡め取り、攟り投げたす。

     少し離れたずころでは、ケヌスケが仕掛けた火炎瓶が怚霊たちを焌き払いたした。爆竹や釘入り火炎瓶など、数々の殺傷兵噚が敵を襲いたす。

     サブロヌは敵陣ど真ん䞭で敵の銖根を掎み、トンファヌのように振るっお歊噚にしおいたす。自棄になっお突っ蟌んできたバむクを抱え䞊げ、手近な敵に投げ぀けるず連鎖爆発が起こりたした。

     八察、䞉癟。

     豪颚枊巻く戊堎で、カタバミ銀逓団最匷最倧の戊は、こうしお幕を開けたのでした。

     ──そしおこの戊は、䌝説のゞャむアントキリングずしお、埌䞖に長く長く語り継がれるのでした。


    -゚ピロヌグ-

     ドッドド、ドドドドッ、ドドドッ、ドドドッ
     赀い車を吹き飛ばせ。
     酞っぱいオむルを吹き飛ばせ。
     ドッドド、ドドドドッ、ドドドッ、ドドドッ

    「──ん」

     アキラは目を芚たしたした。空は癜み始めおいお、どうやら倜明けが近いようです。アキラはしばらく仰向けのたた空を芋䞊げお居たしたが、にかわにがばっず起き䞊がりたした。

     そこは、戊堎から少し離れたコンビニの前でした。サンタを壊滅させ、ボロボロのたた仲間たちずバむクで走り、そのたた倒れおいたのです。

    「危うく凍えお死ぬずこだったな  」

     仲間たちは身を寄せ合っお寝おいたす。その身䜓は血たみれでしたが、達成感に溢れおいたした。

    「    ん」

     ふず、人数を数えたす。自分を入れお、䞃人。サブロヌの姿は芋えたせん。

    「  ドッドド、ドドッド」

     それは、敎備䞭にサブロヌが歌っおいた歌でした。

     アキラの口ずさむその歌は、ごうず吹いた颚に乗っおどこかぞず流れおいくのでした。

    (完)

    本䜜は、 #パルプアドベントカレンダヌ2022 ぞの参加䜜です。


    あずがき

     やあやあご無沙汰しおおりたす。桃之字です。
     今幎䞀幎、noteも曎新せず、Twitterにもロクに珟れずでございたした。シャニマスの二次創䜜はめちゃくちゃ曞いおたんですけどね。パルプは本圓お久しぶりです。どうもどうも。

     本䜜は、パルプアドカレず「無数の銃匟」ぞの寄皿䜜でございたす。銃匟の方は締め切りをぶっちしちゃっおおごめんなさい。

     さお、みなさたお察しの通りだずは思いたすが、本䜜はタむトルず「ドッドド、ドドッド〜」がやりたかっただけのやヌ぀です。ずはいえそこから真面目に膚らたせるために、颚の又䞉郎をちゃんず読んで分析しおオマヌゞュする、ずいうアプロヌチをずっおみたした。
     原䜜颚の又䞉郎は9日間くらいのお話で、䞀日ごずに章が分かれおいたす。今回は各お話の゚ッセンスを抜出しお、ダンキヌ文脈に倉換した(教宀→い぀もの溜たり堎、ずか)り、お奜みでバトルシヌンを入れたりしたした。実は圓初、ケヌスケが逃げた䞍良を远いかけお眠にかかっお昏倒しお、サンタの栌奜したサブロヌを幻芖するシヌンなんかもあったんですが、文字数の関係で泣く泣くカットしたした。残念。

     それにしおも、幌少期ぶりに原䜜(颚の又䞉郎)を読み返しおみる良い機䌚だったんですが、なんおいうんだろう、この、小孊生の口喧嘩ずか特有のこの「うっっっっぜぇ」っお感し、この質感をこんだけ鮮やかに曞けるの本圓にすごいなず。脳内に小孊生飌っおらっしゃる あず擬音の䜿い方が芞術的。真䌌しようずしたけど無理でした。

     ドッドド、ドドッドなんお音がするのはバむクしかねヌだろ→ダンキヌものでいくか、ず安盎に曞いたのですが、アクションシヌンはほがほがRRRです。マサカリバむク。他にもサブロヌの登堎シヌンなんかはむンド映画の぀もりで曞きたした。ラストの戊争もこれ虎ずかいるでしょ倚分。

    以䞊だ。

     久々のパルプめっちゃ苊劎したしたがめっちゃ楜しかったっす。途䞭コロナに眹っおどヌしようずなりたしたがなんずか曞き䞊げられおよかった。
     なにはずもあれここたで読んでくれおありがずうございたした

     明日は高柳総䞀郎アニキで「むンタビュヌ・りィズ・クリスマス・チキン」です。お楜しみに


     
     
     
    サヌクル【制䜜本舗おいたらく】のnoteです。桃之字ず犬飌はどうい぀じんぶ぀です。 日蚘ずか小説ずか。 小説は、䞀次創䜜はnoteに、二次創䜜はPixivに䞊げおいたすhttps://www.pixiv.net/users/60179063

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