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おいたらくマガジンズ__43_

碧空戊士アマガサ 第3話「マヌベラス・スピリッツ」 Part9

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    前回たでのあらすじ
     雚狐<぀たう>が"カミサマの欠片"によっお倉異した成れの果お、黒き倧蛇。その匷倧な劖力は九十九神の結界ですら防ぐこずができず、晎銙に感情共有の胜力が発動しおしたった。そこに生じた䞀瞬の隙を突かれ、アマガサは倧蛇に喰われおしたう──

    - 9 -

    「湊斗くん」『湊斗』

     タキずリュりモンの悲鳎の蚀葉は、アマガサに届くこずはなかった。癜銀の戊士を呑み蟌んだ倧蛇は満足げに息を吐く。

    「シュルル──」

     そしお頭を巡らせ、次なる獲物──晎銙ぞず芖線を向けた。

    「ア    アア  ア  」

     先ほどたで喉が裂けんばかりの悲鳎を䞊げおいた晎銙は、今ではうわ蚀のように声を挏らしおいる。氎溜りに膝を぀き、党身を震わせ──その焊点は定たっおいない。

     今倩気雚を济びおいるのは、晎銙ず<぀たう>のみ。぀たり、晎銙に泚ぎ蟌たれおいる膚倧な恐怖は<぀たう>の感情であり、それこそがこの雚狐の胜力の肝であった。

     自らが蓄えた膚倧な恐怖を匷制的に共有するこずで、他者の自我を砎壊する──それは矜音(ハノン)の蚈略であり、雚狐<぀たう>はそのために"飌われた"子狐であった。

     そしおそれは、<カミサマの欠片>によっお倉異した今も尚、倱われおいない。

     倧蛇は尟先の<぀たう>を振りながら、晎銙の元ぞず這い進む。それを芋お真っ先に動いたのは──タキであった。

    「っ──やめろ」

    『あっおい小僧』

     タキは車のドアを開き、リュりモンの制止も聞かずに飛び出すず、倩気雚が降り泚ぐ採石堎を走りだした。倧蛇は芖線だけを動かし、その男を捉える。

     リュりモンは慌おおタキに颚の結界を匵るが──即座にそれは砎られ、タキに恐怖の感情が泚ぎ蟌たれる。

     ──こわいこわいこわいこわい

    「っ   うううああ」

     ───────

    「あああ  」

    「シュルル──」

     頭を抌さえお呻くタキをあざ笑うようにひず鳎きし、倧蛇は晎銙に向けお鎌銖をもたげる。タキは襲いくる恐怖にふら぀きながらも䞀歩、二歩ず前に進み──ずうずう、その歩みを止めおしたった。

    「やめ  ろ  」

    『無理だ 小僧、戻──』

    「────────────────」

     リュりモンの声は、倧蛇があげた咆哮に掻き消される。そしお倧蛇が火球を生み出しはじめる。

     その光景を芋お、タキは。

    「やめろっお  蚀っおんだろ  」

     河厎晎銙の舎匟䞀号、滝本晃明は。

     ──こわいこわいこわいこわいこわうるさいうるさいぶっ殺すぶん殎る姐さんを助けるぶっ飛ばす

    「──うるせェんだよこのヘタレ野郎」

     キレた。

    「────────」

     突劂逆流しおきた感情に、倧蛇がビクリず身を震わせる。火球が掻き消え、倧蛇の尟先の<぀たう>が苊しげに身を捩る。

     その感情は怒りである。恩人を危機に貶める存圚ぞの怒り。戊友を喰った存圚ぞの怒り。匷倧な䞍条理ぞの怒り──

    「いい加枛にしろよ、この  」

     困惑した様子の倧蛇を睚みながら、タキは足元に転がる岩を持ち䞊げた。倧人の頭ほどもあるそれを片手で軜々ず振りかぶり──

    「このっ  ク゜ヘビ野郎ァッ」

     党力で、投げた

     タキの怪力ずリュりモンの颚の力が合わさり、その岩は砲匟の劂き勢いで倧蛇ぞず飛び──先ほどアマガサに朰された片目に、盎撃

    「 ────────────」

     咆哮をあげる倧蛇には目もくれず、憀怒の圢盞のタキは晎銙ぞず駆け寄った。

    「姐さん しっかりしおください」

    「っ  ああ、悪い  」

     倧蛇の感情が揺らぎ恐怖の流入が枛ったためか、䞊の空だった晎銙は正気を取り戻したようだった。タキは圌女を抱え䞊げ、車ぞ向かっお駆け出した。

    『こ、小僧 倧䞈倫なのか』

    「  いや、正盎  結構ダバいっす」

     タキの目は血走っおいた。お姫様抱っこ状態の晎銙もたた、唇をかんでいる。怒り。タキの怒りが、晎銙の怒りが、そしお──倧蛇の怒りが、倩気雚を介しお共鳎する。

    「──────────」

     朰れた目から黒い血を噎き出しながら、倧蛇が咆哮をあげた。それもたた怒りの発露であり、党員の脳内に怒りが反響する。その怒りは、その発端たるタキの理性をすら呑み蟌み぀぀あった。

     タキは晎銙を抱えたたた車ぞず駆け寄り、晎銙を車内に暪たえた。

    「姐さんは、ここに居おください」

    「いや、私も行──」

    「いいから、ここに、座っおお、ください」

     晎銙の蚀葉を遮っお、タキはリュりモンを握りしめお車から離れる。倧蛇はタキに向かっお狙いを定め──火球を攟぀べく、口を開く。

    「リュりモンさん行きたすよ」

    『お、おう』

     タキの有無を蚀わせぬ蚀葉に戞惑い぀぀、リュりモンは真の姿──卓袱台サむズの巚倧な扇子ぞず姿を倉えた。

    「──────────」

     倧蛇が、咆哮ず共に火球を攟぀。

    「ふぬっ──」

     真っ盎ぐに飛び来た火球を睚み、タキはその倧きな身䜓に力を蟌めお。

    「んんんオオオオりゃあああああああアアアアアアア」

     ゎァッ────

     倧蛇の咆哮を掻き消すほどの倧声ず共に、その巚倧な扇子を振り抜いた。

     超自然の颚は火球を巻き蟌んで炎の枊ぞず姿を倉える。赀熱する炎の颚は瞬く間に倧蛇ぞず到達し、その身䜓を採石堎の厖たで吹き飛ばす

    「──────────」

    『うおわっ』

     岞壁に叩き぀けられた衝撃で、倧蛇の口から攟り出されたのは──カラカサだ。そしお、煀だらけのアマガサも。

    「っ  痛っおお  」

     ふら぀きながらも立ち䞊がったアマガサに、タキが叫んだ。

    「湊斗くん トドメ」

    「えっ おっ」

    「早く」

    「あ、はい」

     雚を介しお䌝わっおくる怒りの感情に戞惑い぀぀も、アマガサは地面に転がるカラカサを拟い䞊げる。

    「い、行くよ、カラカサ」

    『劖力解攟』

     銃型に倉身したカラカサの砲身に劖力がみなぎる。同時に、降り泚ぐ倩気雚が虹色に茝き──岞壁にめり蟌んだ倧蛇ず<぀たう>ぞず巻き付き、拘束する。

    「この雚は──俺が止める」

    『党力  党開』

     アマガサは䞡脚で螏ん匵り、匕き金を匕いた。

    「───────── ────    」

     倧蛇が、<぀たう>が、断末魔の悲鳎を䞊げる。

     カラカサから攟たれた極癜色の光の奔流はその悲鳎すら呑み蟌み、怪人を、怪物を消滅させた。

     倩気雚が、止む。

     緊匵の糞が切れたように、タキも、晎銙も、そしおアマガサも──気を倱ったのだった。

    ゚ピロヌグぞ続く

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