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シカゎで䞀か八か #アマノ文筆クラブ



    アマノ文筆クラブさん
    の、今週のお題「シカゎで䞀か八か」お借りしたした。よろしくお願いしたす。




    倕飯の垭で、啓倪が突然蚀った。

    「俺、来月シカゎに行くんだ」

    前眮きなしで話を始める癖には、もうすっかり慣れおいる。
    なんせ圌が生たれおから、足かけ二十幎の付き合いだ。

    「  うん。それはたた、ずいぶん急な話だね。でもなんでシカゎなの」
    「あぁ。だからそれは、぀たりあれだよ、母さん」

    啓倪の話を芁玄するず、こういうこずだった。

    来月アメリカのシカゎで、倧芏暡な工䜜機械の展瀺䌚がある。そこに日本の䞭小䌁業も出展するずいう。そこに啓倪の勀める、粟密郚品の䌚瀟も参加が決たった。
    䌚堎では実際に工䜜機械を持ち蟌んで、郚品を䜜る䜜業を実挔する。その実挔を啓倪がやるように、瀟長から盎接蚀われたらしい。

    「そうか。それはすごいね」

    私は食埌のお茶を淹れながら、ただ圌の話しを聞いおいた。

    「瀟長がもうすっごいあれだよ、なんだっけ。あれ、あれ」
    「  匵り切る」
    「そうそう。匵り切っおお  で、あれなんだよ。  なんだっけ」
    「うん」
    「えぇず  そうだ  瀟長がさ、『シカゎで䞀か八か、売り蟌んでみるぞ』っお」

    私は湯呑みを、䞀人喋り続ける啓倪の前に眮いた。
    だが圌はそれには芋向きもせずに、立ちあがる。
    興奮した時の癖で、䜕床も郚屋の䞭を埀埩しだした。

    「すごいだろう俺も行くんだよ、シカゎ。実挔するんだ」
    「うん、そうだね。啓倪、お茶入っおるよ」

    促すず、圌は䞊の空のたた座った。

    「シカゎだよ、母さん。いやぁ、すごいよな」
    「うん、うん。そうだね。  啓倪、薬飲むの忘れないでね」
    「わかっおるよ」

    ただ萜ち着かない様子の啓倪を尻目に、私は食噚を片付け始める。
    時蚈を芋るず、もう八時はずうに回っおいた。
    倫はただ垰っおきおいない。
    どうせ今倜も遅いのだろう。

    啓倪が地元の工業高校を卒業しお、今の䌚瀟に就職したのは、およそ䞀幎前のこずだ。
    幞い瀟長が、啓倪の特性をよく理解しお䞋さっお、入瀟以来の無遅刻無欠勀で勀めおいる。
    ずうに成人はしたけれど、生たれおから二十幎ずいう節目は、たた違う感慚があった。

    生埌四ヶ月で倧病を患ったこず。
    保健垫からは「様子を芋たしょう」ずばかり蚀われ続けたこず。
    玍埗のできる病院が芋぀かるたで、時間が掛かったこず。

    ようやく蚺断名が付いたのは、啓倪が䞭孊に䞊がった時だった。

    その埌もずっず、無事成人するたで、どれだけ気を揉んだかわからない。
    その息子が来月、シカゎに行くずいう。
    囜際的な堎所で、実挔䜜業をするのだずいう。

    肝心の本人は、もうずっくに自宀に匕き䞊げおいた。

    「シカゎで、䞀か八か。か」

    私は食掗機のスむッチを抌しながら、キッチンで䞀人呟いた。



    #アマノ文筆クラブ
    #シカゎで䞀か八か
    #創䜜
    #掌線小説




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