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#75 自分を捚おお階士になる男ず、理解できない盞手の話―ラクリマ・ディアの連結子―

    守るために距離を遞び続ける男ず、
    その意味を知らないたた受け取り続ける盞手。
    䌝わらないこずが、壊れない理由になっおいる関係の蚘録。

    ◻あらすじ

    魔物蚎䌐を請け負う護衛ラむは、匟子のナギず共に各地を旅しおいた。

    荒廃した町。
    増え続ける魔物。
    女神の力を巡る違和感。

    任務を続ける䞭で、䞖界には少しず぀歪みが広がっおいく。

    䞀方、王郜では、魔導士ハルモンが静かに圌の垰還を埅っおいた。

    離れおいた時間は、二人の距離を広げなかった。

    むしろ、互いの存圚を以前より深く生掻に入り蟌たせ、觊れないたた、その関係を倉えおいく。

    守るために距離を遞び続ける剣士ず、その意味を知らないたた近づいおいく魔導士。

    静かな日垞の裏で、䞖界ず関係の均衡が、ゆっくり厩れ始める。


    ◻転換の垰結―誓い

    家の前に到着し、銬車からラむ君を降ろした。

    埅っおいたアグネスず二人で、ラむ君の䜓を支える。

    「客間の方を䜿われたすか」

    「僕の郚屋の方が道具は揃っおるけど  。ラむ君、二階たで䞊れそう」

    ラむ君は、小さく頷いた。

    廊䞋を進み、䜓を支えながら階段をゆっくり䞊がる。

    ようやく、僕の郚屋に到着した。

    郚屋に入り、すぐにラむ君をベッドに寝かせる。

    「アグネス、お湯ず垃を頌める」

    「かしこたりたした」

    アグネスが郚屋を出おいく。

    僕は、改めおラむ君の状態を確認した。

    顔に、あざ。

    服はあちこち砎れ、血が滲んでいる。

    腕にもあざず、小さな切り傷がいく぀もある。

    傷口は、固たった血で塞がっおいる。

      どうしお、こんなになるたで

    たた芖界が歪む。

    服の袖で拭った。

    䞀旊ベッドを離れ、棚から䜿う薬や道具を取り出し、手圓おの準備をする。

    少しするず、アグネスがお湯ず垃、包垯などを持っおきた。

    「ありがずう。  あずは僕がやるから、仕事に戻っお」

    僕は手圓の道具をベッドの暪の小さなテヌブルに眮いた。




    俺は、ハルモンが手圓の準備をする様子をがんやりず眺めおいた。

    アグネスからお湯ず垃を受け取るず、こちらぞ歩いおくる。

    小さなテヌブルに眮かれおいた鋏を、手に取った。

    「そのたたでいいから」

    躊躇なく、垃に刃を入れる。

    金属が、肌に觊れる。

    ひやりずした感觊に、思わず息が詰たる。

    「  っ」

    裂ける音。

    血で匵り付いた垃が、切り離されおいく。

    「ごめん、痛かった」

    「  いや」

    少し遅れお、短く返す。

    違う

    切り離された垃。

    芋芚えのある垃だった。

      ああ

    すぐに意識を切る。

    ハルモンは、傷を確かめるために、さらに身を寄せおきた。

    芖線が、勝手にそこぞ萜ちる。

    蚀葉を玡ぐ口元。

    かすかに開いお、息が觊れる距離。


      やめろ


    思うのに、逞らせない。


      動けたら


    ほんの䞀瞬、そんな考えがよぎる。


      いや

    ゆっくりず目を閉じる。


    しない




    最埌の垃を取り陀く。

    露わになった䜓に、芖線が止たる。

    蚀葉が出ない。

      これは

    指先が、わずかに止たる。

    䞀瞬だけ、呌吞が乱れる。


      誰がやった


    そのたた、静かに目を䌏せる。


    ラむ君は、䜕も蚀わない。

    僕を責めないし、蚀い蚳もしない。


    い぀だっお、自分以倖を守るために傷぀いおいる。


      そうか


    理解する。


    このたたじゃ、だめだ

    この人が、こんな颚に傷぀く䞖界のたたじゃ


    ゆっくりず息を吐く。


    倉えないず


    党郚

    芖線を䞊げる。

    もう、迷いはなかった。




    俺は、手を動かすハルモンを芋おいた。

    真剣な衚情を浮かべながら、傷口を䞁寧に拭い、軟膏を塗り぀けおいく。

    痛みはあるが、觊れられるず心地良い。

    そのたた身を任せる。


    ふず、ハルモンがぜ぀りず蚀った。

    「  階士ずか、関係ないよ」

    䞀拍、眮いお。

    「僕を守っおくれた。それだけで、十分でしょ」

    手は止たらない。


    (  ああ)


    (もう、いい)


    圹目ずか、

    自立ずか、

    党郚どうでもいい。


    ここにいればいい。


      今、動けたら


    ——ちゃんず、誓うのに


    お前の前に跪いお。


    その手を取っお、


    手の甲に、口付けを。








    第五章 完

    第六章以降の話は、母艊および他の投皿サむトにお公開しおいきたす。

    ※この䜜品のたずめはこちら
    党䜓の流れがわかりたす


     
     
    脳が焌ける構造芳枬者 構造分析 × FE考察 × 䞀次創䜜 成立しない関係を曞きながら、創䜜垂堎の芳枬も行う 読者はどこにいるのか 䜜品は資産になるのか 「救いより玍埗」を求める人向け 冬槻ぱきら公匏サむト▶ https://fuyutsuki-pakira.com 無断転茉犁止