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【創作大賞ミステリー小説部門】#1 押し花

    おぴょぴょ

    あらすじ

    ある日、フリージャーナリストである主人公の横山のもとに友人である生物系動画配信者からある話が飛び込む。

    先月に彼が発掘した琥珀の中に1つの植物の種子のようなものがあったという。動画のネタになると思い、彼の知り合いがいる大学機関に調査を依頼したところ、陸上植物が出現したとされるのが約4億7千万年前、それどころか地球の誕生が約46億年前と定説とされる中、放射線年代測定の結果その琥珀は少なくとも45億年以上前のものであると示す数値が出たという。

    本当だとするのなら今までのありとあらゆる研究の根底を揺るがす発見をした彼。この発見を今すぐにでも発表したい彼とそれを食い止めようと動き出す研究機関や国家。

    種子の詳細な調査や、地球史をまるっきりひっくり返す発見をめぐる人間同士の争いを主人公は記者として追いかける。


    プロローグ

    1

    【奇跡】 発掘した琥珀に植物の種のようなものが!?

    「――えー、さっき発掘した琥珀なんですけど、帰宅してからクリーニングしてみたところ中に植物? の種子みたいなものがあったんですよね。ほら、これなんですけどわかりますかね?」

    「自分はこのチャンネルで化石とか琥珀の発掘の動画あげてるんですけどこんなの初めてなんですよね。ちょっと自分もこんな経験ないので、知り合いに琥珀の研究をしている人がいるので聞いてみようと思います」

    「調査結果が出次第また続報の動画あげるんで通知の方ONにしておいていただけるとありがたいです! それじゃ次の動画で!」

    その動画を最後に、そのチャンネルは2ヶ月以上更新がない。


    2

    僕は小さい頃から生きものが好きだった。具体的なきっかけはわからない。

    しかし、僕が保育園の頃に父が熱帯魚を飼いだした。
    今になって聞いてみると、どうも父が小さい頃にも父方の祖父が熱帯魚を飼っていたようで、思い出したように飼いたくなったらしい。年代的にも当時としては珍しいだろうし、思い入れもあったのでだろう。
    母も教育に妙に熱心だった。
    実家が上野に近かったこともあり、家族で出かけるときはだいたい上野で、決まって博物館やら美術館に行った後にアメ横で買い物をしてついでにお菓子の問屋でお菓子を買ってもらった記憶がある。
    おばあちゃんの家も自然が豊かな田舎で近くにはカブトムシがいる雑木林があり、畑で育てすぎて余ったスイカに朝方になるとカブトムシがたかっていた。
    おまけに僕が小学校に上がった頃にはおばあちゃんの家がある土地と東京を直通でつなぐ電車が開通し毎月行けるくらいには田舎が身近な存在になっていた。

    きっかけはわからない。ただ、確実にきっかけと呼べるものにありふれて囲まれた幼少期だったのだろうと振り返るとそう感じる。
    研究者や学芸員などを志すには不真面目すぎたため挫折し、好きを仕事にすることはなかったが、社会人になってからも趣味として生物の飼育や化石の収集などは小さい頃から途絶えることなく続けていた。


    4年ほど前だっただろうか、趣味を記録として残しておこうかという程度の気持ちで始めた動画配信が跳ねた。

    化石の収集を通して知り合ったコレクターが北海道出身で彼が実家のそばの山を所有していると言い、そこには昔の地層が露出した崖があったりノジュールと呼ばれる化石が内部に入っている石が流れ着く小川が流れていたりすると聞いた。もっとも、彼自身も幼少期にその山に入り浸っていた影響で化石のコレクターをしているようで、長らく帰省できていないことを悔やんでいた。

    そのことを聞いた僕は興味が湧き、その山を借りて許可を得て撮影し動画にして配信したところ、予想外の再生数になった。

    自分としては今までは通っていた大学や様々な知り合いや愛好家を通じて情報をインプットしていただけだったので、自分の知識について特別には感じていなかった。
    それでも今までの仕入れた情報量は動画としてひけらかすには十分事足りた、どころか溢れかえっていたようで、今に至るまで動画のタネは尽きていないし喜ばしいことに動画配信で食っていけるほどに収益を得られるようになって今に至るまで続けているのである。


    #創作大賞2025 #ミステリー小説部門


     
     
     
    ショートショートとか怪談の短い話を書いてます SFの妄想とか変なnoteもたまに更新する いつか本出したいな~ Twitterもフォローしてね。

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