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Photo byanri081721

長い夏が来る

    粛々と毎日を過ごしている。
    仕事の締め切り、子供の学校の行事。
    髪が伸びれば美容院に行き、洗剤がなくなりそうなら薬局に行く。
    その間に梅雨が始まり、そろそろ夏がやってくる。

    ふと、父はもういないのかと思い出す。
    実家にも、施設にも、もういないのか。
    ここ5年ほどはまともに会話すらできなかったのに
    いなくなった事実を思い出すと、やはり寂しい。

    夏休みも近づき、高校生の娘は受験のプレッシャーにまだ余裕がある高2の夏にたくさんの計画を練っている。
    部活、バイト、合宿、夏祭り。
    息子たちは受験が控える中3の夏だが、それでも部活引退後の空いた自由時間にギターを始めようと目論んでいたりする。

    若者たちはいつの時代も、毎日楽しいけど、未来への不安は消せないまま過ごすものなんだな。
    来年、再来年、どの学校で過ごしているか何も決まっていない。
    それを決めるのは自分自身。
    誰のせいにもできない、自分が決めて勉強して、結果を自分が引き受ける。
    そんなことを繰り返して、大人になっていくのか。

    そんな不安を抱えながら、彼らの眩しい夏が始まる。
    私はそんな彼らの、内側に秘めている焦りや苛立ちを一手に引き受け、無限の食欲を満たすべく、日々飯を炊く。
    私の長い夏も、また始まる。




     
     
    あなたが今すれ違った誰かの 記憶のかけらです。 知ってても知らなくても、 人生になんの支障もありません。 1976年生まれ  家族構成は夫、娘、息子、息子

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