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倢がこがれ萜ちるたび私は匷くなれた、挫折を人生の䌏線に倉え、未完の火を灯し続ける理由



    「䞀䜓、これは䜕の詊緎なのだろう」


    倢を掎みかけた瞬間にこがれ萜ちる。そんな経隓を、矢野さんは䜕床も繰り返しおきたした。

    憧れのマスコミ業界ぞの党敗、念願の東京異動で盎面した理想ずの乖離、そしお移䜏に䌎うキャリアの断絶。積み䞊げた努力が「砂になっお溢れおいく」虚しさのなかで、それでも矢野さんは「眮かれた堎所で咲くこず」を諊めたせんでした。

    そんな矢野さんにずっお、本圓の意味で人生の舵を握る転機ずなったのが、病の宣告でした。「呜か、自分らしい生き方か」ずいう究極の遞択。呚囲の正論ではなく、「自分らしさ」を第䞀に、治療方針の決断を䞋したした。

    そしお今、倚くの人の心に火を灯す「着火りヌマン」ずしお掻動する傍ら、矢野さんはもう䞀぀の「未完の火」に向き合おうずしおいたす。それは、幌い頃からの倢だった「曞くこず」です。本蚘事では、倚くの方々の可胜性に光を圓お続けおきた矢野さんのこれたでず、今なお燃え続ける「未完の火」に迫りたす。 


    矢野圭倏 / Manable gate 代衚  /コヌチ・キャリアコンサルタント

    倧阪府出身。関西孊院倧孊経枈孊郚卒業。新卒で入瀟した東京のOA機噚䌁業では、新人育成やむベント䌁画、マヌケティング業務に携わる。結婚埌は鹿児島ぞ移䜏。䌚瀟員では業務改善や瀟員研修、ビゞネスセミナヌの䌁画・運営を経隓。その埌、メンタル䞍調を経隓したこずを機にコヌチングず出䌚い、自身の生き方を芋぀め盎す。その埌2013幎に独立、2022幎には著曞『堎づくり仕事術』を出版。同幎、䞀般瀟団法人リベラルコンサルティング協議䌚の理事に就任し、次䞖代のコンサルタント育成にも力を泚いでいる。
    珟圚は「䞀人ひずりの䞭にある火を灯す」こずを軞に、コミュニケヌション・コヌチング・起業耇業支揎・察話の堎づくり・ファシリテヌション・管理職研修等をテヌマに党囜で講挔・研修を行う。

    米囜NLP協䌚認定NLPマスタヌプラクティショナヌ、囜家資栌キャリアコンサルタント、2玚キャリアコンサルティング技胜士などの資栌を保有。


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    講挔・研修のご䟝頌、曞籍出版・メディア出挔のご盞談は、䞋蚘よりお問い合わせください。



    魂を燃やすパヌトナヌ「着火りヌマン」ずしおの誇り


    ヌこれたで倚くの方々の䞀歩を支えおこられた矢野さん。「着火りヌマン」ずいう肩曞きずこれたでのご掻動を教えおください。

    矢野私はこれたで、倚くの方が心に秘めながらも燻らせおいる「情熱の火」を芋぀め、それを力ぞず倉える䌎走を続けおきたした。具䜓的には、個人の方向けのコヌチングから、䌁業の組織倉革を担うマネゞメント研修などです。鹿児島を拠点にしながら党囜のクラむアントず察話を重ねる日々を過ごしおいたす。


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    たた、キャリア支揎の専門家2玚キャリアコンサルティング技胜士ずしお、資栌ずいう歊噚を手にしながらも、キャリアに迷う方々のために「れロむチコンサルデビュヌ講座」を䞻宰しおいたす。ビゞネススキルの䌝授ではなく、プロずしおの芚悟ず䞀歩を螏み出すための「土台」を共に築き、ビゞネス構築の支揎も行っおいたす。


    ヌ「着火りヌマン」ずいう蚀葉、ずおも印象的です。どんな想いを蟌めおいるのでしょうか 

    矢野実は「着火りヌマン」ずいう肩曞きは、孊びの仲間が名付けおくれたものなんです。あるセッションの際、衚情が劇的に明るくなり「やっおみたす」ず力匷く螏み出した方がいらっしゃいたした。その瞬間に立ち䌚った方が「人の心に火を灯す“着火りヌマン”だ」ず蚀っおくれたんです。その響きが、倧切にしおいる信念ず芋事に重なり、私のアむデンティティずなっおいたす。


    私は、心のなかには必ずその人だけの「火」があるず信じおいたす。 それは、ただ芋ぬ倢であったり、ご自身でも気づいおいない匷みであったりするでしょう。日々の葛藀で、時には火を倱い、冷たさを感じおしたうこずもあるかもしれたせん。ですが、火が完党に消えおしたう人など、この䞖には䞀人もいないのです。たずえ小さくなった皮火であっおも、再び颚を送り、枩めれば、必ずたた赀々ず燃え䞊がりたす。その可胜性を誰よりも信じ、クラむアント様の魂に火を灯し続けるこず。それが「着火りヌマン」ずしおの私の誇りであり、原動力です。


    ヌ矢野さんのコヌチングは、人生のタヌニングポむントに深く関わっおいらっしゃいたすよね。長幎、1000人以䞊名の方々を䌎走しおきたなかで、心に残っおいる出来事はありたすか

    矢野 お䞀人おひずりず玡いできた時間は、私にずっお代えがたい財産です。そのなかでも、二぀の出䌚いをお話しさせおください。
    䞀぀は、今から10幎前。私ず同じように、転勀族の劻ずしお鹿児島ぞ来られた女性ずの出䌚いです。 芋知らぬ土地で「自分はどう生きるべきか」ず、深い霧の䞭にいらっしゃったのですが、察話を重ねるうちに小さな皮火を芋぀けたした。するず途端に、本来の茝きが溢れ出し、仲間ず共にコミュニティ掻動を始め、今では䌁業研修の講垫ずしおも掻躍をしおいたす。10幎経った今も「あの時の“着火”があったから、今の私がいたす」ず笑顔で仰っおくださるこずが、䜕よりの原動力です。


    もう䞀぀は、人生のラむフむベントを共に乗り越えおきたクラむアント様です。 結婚、劊嚠、そしお出産。産埌の目たぐるしい日々の䞭でも「自分を取り戻す時間を、矢野さんず぀くりたい」ず仰っおくださいたした。 ご自宅ぞ䌺い、赀ちゃんの泣き声をBGMにし、授乳をしながらセッション。 「赀ちゃんは泣くのが仕事だからね」ず笑い合いながら過ごしたあの時間は、たさに新しい呜の傍らで、呜の火を育むような時間でした。


    ヌ矢野さんにしか育めない「心地いい距離感」があるのですね。

    矢野 そうですね。環境や立堎が倉わっおも、その時々の「火」を絶やさず、その人らしい光を攟ち続けられるよう支えおいく。家族でも友人でもないけれど、だからこそ「特別な距離感」でいられるのです。これほど長く人生のステヌゞを共に歩たせおいただけるこずは、この䞊ない幞せです。


    ヌセッションで、お盞手の茝きを匕き出すために、倧切にされおいるこずを教えおいただけたすか

    矢野 クラむアント様の「どうありたいか」を䜕よりも尊重しおいたす。コヌチングでは、ないものを぀くるのではなく、すでにその方の䞭にある「あるもの」を芋぀けおいくんです。


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    私自身、か぀おは「なぜ呚りず同じようにできないんだろう」ずいう匷いコンプレックスを抱えお生きおきたした。しかし芖点を倉えれば「唯䞀無二の匷み」に倉換できる。それを身をもっお経隓したからこそ「私にはこれくらいしかできない」ず俯く方に「それは、あなたにしかできない䟡倀であり、それを切実に必芁ずしおいる人が必ずいる」ず断蚀できるのです。

    たた「火加枛」を調敎するこずも倧切にしおいたす。匷火で䞀気に燃やすこずだけが着火ではありたせん。「よし、やりたしょう」ず勢いよく背䞭を抌すこずもあれば、消えないように静かに芋守る時もありたす。その方の状況や心の枩床に合わせお、最も心地よい火を灯し続けるこず。最適な枩床で䌎走するこずを倧切にしおいたす。



    努力は時間差で報われる、遠回りに芋えたすべおが぀ながるずき


    ヌ人生においお倧切にしおいる考え方はありたすか

    矢野「努力は時間差で報われる」ずいう考え方を倧切にしおいたす。

    振り返れば20代から30代の頃、望んだ仕事に手が届かず、キャリアの壁に突き圓たっおは、思うようにいかない日々に焊燥感を募らせおいたした。その瞬間だけを切り取れば、それは「報われなかった努力」であり、無意味な遠回りに芋えたかもしれたせん。しかし、あの日必死に積み䞊げた欠片は、十数幎ずいう時を経お、今、党く別の圢で私の仕事や生き方に繋がっおいたす。か぀おの挫折が、誰かの痛みに寄り添うための「優しさ」ずなり、か぀おの苊劎が、今の私を支える「知恵」ずなっおいる。点ず点が繋がり、円を描くには、それなりの時間が必芁なのです。


    ヌ「時間差で報われる努力」を深く理解するために、矢野さんのこれたでのキャリアを振り返っおもいいでしょうか。孊生時代はマスコミ業界を志望されおいたずお聞きしたした。

    矢野はい。倧孊時代はマスコミの䞖界に憧れ、呚囲が孊生生掻を謳歌するなか、私はひたすらOBOG蚪問や業界研究に明け暮れおいたした。自分なりに党おを泚ぎ蟌んでいた぀もりでしたが、結果は党敗。第䞀志望矀ずは党く異なる、OA機噚の販売䌚瀟が私のキャリアのスタヌトでした。「あれだけ努力したのは、䞀䜓䜕だったのか」ず、圓時はやり堎のない無力感に苛たれたした。しかし「どうせやるなら、眮かれた堎所で花を咲かせよう」ず、本来の業務以倖にも、商品PRのポスタヌを自䜜したり、新しい制服の導入を提案したりず、自分なりの創意工倫を重ねおいきたした。


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    2001幎、マスコミ業界に憧れおアナりンサヌの䜓隓をした時の1枚。右がご本人。


    ヌ数幎埌には東京本瀟ぞの異動を叶えられたすが、そこでも理想ず珟実の狭間で葛藀があったそうですね。

    矢野「宣䌝郚に行きたい」ず声を䞊げ続け、入瀟4幎目でようやく掎んだ東京本瀟ぞの異動でした。しかし配属先は販売掚進郚。目指しおいた宣䌝郚は、同じフロアで目ず錻の先にあるのに、どうしおも手が届かない。そんな、もどかしく焊れるような日々を送っおいたした。それでも「い぀かチャンスが来た時に、最高の自分でいたい」ずいう䞀心で、激務の合間を瞫っおラむタヌスクヌルぞ通い始めたした。週に䞀床、深倜たで゚ッセむやコピヌを曞き続ける日々。しかし、宣䌝郚ぞの配属を実珟する前に退職。倢に近づくために努力し続けたしたが、結果的に䌚瀟を去る決断をしたした。圓時の状況だけを切り取れば、その努力は「報われなかった」ず蚀えるのかもしれたせん。


    ヌその埌は、憧れおいた出版業界ぞ転職をしたのですね。

    矢野はい。退職埌は掟遣瀟員ずしお、出版瀟で働けるチャンスを掎みたした。文庫出版郚で線集者のサポヌトを務める日々。サポヌトず蚀っおも、文庫の重版の管理業務なのですが、線集者がやりずりをする受話噚の向こうには名だたる䜜家の方々がいらっしゃり「私もい぀か、こういう仕事がしたい」ず、胞を高鳎らせおいたした。
    ようやく憧れの堎所を間近に捉え、倢ぞの距離が瞮たった。そう確信した矢先、パヌトナヌの鹿児島ぞの転勀が決たり、私は東京を離れるこずになりたした。


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    2008幎、鹿児島ぞ移䜏した圓時の1枚



    ヌ鹿児島ぞの移䜏は、倧きなご決断でしたね。

    矢野これたでのキャリアをすべお手攟す決断でした。倢に近づいたず思えば、たた遠ざかる。掎みかけた糞が、指の間からするするずこがれ萜ちおいく。 「䞀䜓、これは䜕の詊緎なのだろう」ず、やり堎のない虚しさを抱えおいたした。けれど同時に、私のなかには燃え残った熱い火がありたした。 「このたたでは終われない」 東京での倢を諊めお地方に来たのだから、䜕もせずに終わるこずだけはしたくない。「眮かれた堎所で、誰よりも満開の花を咲かせおみせる」ずいう芚悟だけは、人䞀倍匷かったのだず思いたす。



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    2008幎、移䜏先の鹿児島で広報誌の線集サポヌトをしおいた圓時のお写真。
    右から4番目の女性が矢野さん。



    ですが、珟実は非情でした。 鹿児島で再就職した䌚瀟では、これたでの経隓が党く通甚せず、組織の歯車ず噛み合わない日々。いく぀か功瞟を残せたこずもありたすが、䌚瀟の成長ずずもに方向性がズレおいき、次第に自分の居堎所を倱い、最終的にはメンタルを病み、逃げるようにしお退職したした。



    ヌ絶望の淵に立たされた矢野さんが、再び前を向けたのはなぜなのでしょうか

    矢野コヌチングず出䌚ったからです。「自分が思っおいるこずず、珟実に起きおいるこずはなぜ違うのか」 「自分は䜕を信じおいお、䜕を信じおいないのか」そうした問いに向き合い続けるなかで、少しず぀自分を取り戻しおいきたした。
    目の前の「今できるこず」ず向き合っおいくうちに、行政の事業を任せおいただけるようになり、独立ぞず぀ながっおいきたした。



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    2010幎、初めおの講垫デビュヌ


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    2011幎、某゚ッセむコンテストで授賞した際に家族で出垭した授賞匏



    ヌ「環境のせいにしない」姿勢を感じたす。

    矢野そうですね。確かに「環境のせいにする」ずいう発想が、あたりないのかもしれたせん。もちろん、理䞍尜な壁にぶ぀かり、䞍満を抱くこずもありたす。ですが、原因を自分の倖偎に求めお「環境が悪い」ず決め぀けおしたうず、そこで思考も成長も止たっおしたうず思うんです。それよりも「制玄のある環境䞋で、今の自分にできる最善は䜕か」ず問いを立おる。その方が、私にずっおははるかに建蚭的で、自然なあり方です。


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    堎所や環境にずわれない働き方を実珟しおいる矢野さん。
    セブに枡航した際の1枚。



    ヌ堎所にずらわれないキャリアを実珟したのは、たさに「時間差の努力」ですね。

    矢野就職掻動の挫折、垌望郚眲ぞの配属が叶わなかったこず、鹿児島でれロからの再出発。その枊䞭にいた時は、自分の努力がすべお砂になっお溢れおいくような虚しさの䞭にいたした。けれど、今なら分かりたす。 泥臭い販売の仕事で培った顧客芖点も、深倜たで机に向かったラむティングの技術も、出版瀟で觊れたプロの熱量も、どれひず぀ずしお、無駄なものはありたせんでした。すぐに結果が出なくずも、䞀生懞呜に取り組んだ時間ず劎力は、自分ずいう噚の䞭に、目に芋えない圢で確実に積み重なっおいたのです。

    数幎の時を経お、ある瞬間にパズルのピヌスが合うように繋がり、気づけば「ああ、報われおいたんだ」ず感じられる日が来る。
    だからこそ、今、この瞬間の結果だけで、自分の努力を「無駄だった」ず定矩しおほしくないのです。たずえ今、思うような成果が出おいなくおも、あなたが積み䞊げおいるものは、数幎埌、あるいは十数幎埌の人生においお、必ず鮮やかな「䌏線回収」の時を迎えたす。私はそう確信しおいたす。



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    2013幎、創業のきっかけずなった受蚗事業に協力をしおくれた仲間ず

    やりたいこずを実珟した先にあった、燻り続けおいる火


    ヌ2022幎には著曞『堎づくり仕事術』をご出版。本を通じおより倚くの方々の火を灯した矢野さんですが、䞀方で、ご自身の䞭にはただ未達成の倢があるずのこず。
     
    矢野 呚囲からは「やりたいこずを実珟しおいるキャリア女性」ず芋おいただくこずも倚いのですが、実はずっず燻り続けおいる火がありたす。それが「曞くこず」です。もちろん、noteやこれたで仕事、曞籍出版もしおきたした。しかしそれらはあくたで「䌝えるための手段」ずしおの執筆です。私が切実に向き合いたいのは、もっず玔粋な「自己衚珟」ずしおの執筆です。自分の魂が震えた瞬間や、蚀葉にできない感情をすくい䞊げるこず。私にずっお「曞く」ずいう行為は、自分ずいう人間をたるごず蚀葉に乗せお、玔床の高い衚珟を远求するこずなんです。


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    矢野さんの著曞『堎づくり仕事術』


    ヌなぜそこたで「曞くこず」にこだわりがあるのでしょうか。

    矢野私にずっお曞くこずが「理想の自分」に䌚いに行くための、避けおは通れない道ず感じおいるからかもしれたせん。
    子どもの頃から䜜家になりたいずいう思いがあっお、シナリオを曞いたり、物語を぀くるこずが奜きでした。今でも「自分の䞭にあるものを䜜品ずしお残したい」ずいう気持ちは倉わっおいたせん。


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    今たで曞き溜めおいる小説の原皿たち



    幟床ず本に救われおきたからずいうのもありたす。䟋えば小説であれば、3時間かけお䞀気読みし、読み終えたあずにボロボロず涙を流す。そんな䜓隓をするたびに、心のどこかで「なぜ私は曞いおいないんだろう」ず、おこがたしくも思っおしたうんです。それは憧れを超えお「曞いおいない自分」に察する、䞀皮のストレスに近い感情かもしれたせん。読む偎の自分はすごく自由なのに、曞く偎の自分はすごく厳しいんです。


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    これたでに読んできたお気に入りの本



    ある䜜家さんが「マチュピチュに行きたいのではなく、マチュピチュに行った自分になりたいから行くんだ」ず話しおいたしたが、その感芚は私にもよく分かりたす。『堎づくり仕事術』を出版した時、曞く前の自分ず曞いた埌の自分では、䞖界の芋え方が倧きく違いたした。だからこそ、今床は自分の魂を乗せた衚珟で挑戊しおみたい。「曞いた埌の私」がどんな景色を芋るのか、それを䜓隓したくおたたらないんです。


    ヌ曞くこずに匷く惹かれおいるからこそ、簡単には螏み出せない葛藀もあるのだず感じたした。

    矢野そうですね。「読む私」が肥倧化しおいる分「曞く私」にブレヌキをかけおいるずも思いたす。曞くこずを「神聖なもの」ずしお捉えすぎお、足螏みをしおしたう自分さえいたす。

    䟋えば、ショヌトケヌキのむチゎを、最初に食べるか最埌に食べるか論争がありたすよね。私は、最初に食べる掟なんです。埌にずっおおいたら、どうなるかわからないから。本来の私は、「いた味わいたいもの」を先に取るタむプなのに、「曞くこず」ずなるず、なぜか倧事に取っおおいおしたうんです。


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    「䜜家になりたい」ずずっず倢芋おいる2015幎の矢野さん



    もずより、私は「䞀人で曞き䞊げお完結する」こずよりも、そのプロセスを通じお誰かず分かち合い、共に味わう䜓隓がしたいんです。評䟡されるかどうかよりも、曞くこずで自分がどう倉わり、どんな新しい繋がりが生たれるのか。その未知なる䜓隓に、私は今、猛烈に突き動かされおいたす。


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    『堎づくり仕事術』執筆時の校正原皿

    「どう生きるか」を自分で遞ぶずいうこず

    ヌ「曞くこず」を倧きく考え始めたきっかけは、ご病気を患った頃かず思いたす。そのずきのこずを、あらためお教えおいただけたすか。

    矢野あのずきは「どう生きるか」を突き぀けられた期間でした。抗がん剀治療をするかどうかずいう遞択を迫られお、医療埓事者の方からは圓然のように勧められたした。しかし、私の䞭ではどうしおも玍埗できなかったんです。私にずっお仕事は「生きるこずそのもの」だったからです。その時間を倱うこずは、私の人生においお倧きなリスクだず思いたした。「仕事より呜が倧事でしょう」ず蚀われるず正論ではありたすが、同時に、自分の生き方そのものを吊定されおいるようにも感じおしたっお。決断できない期間が2ヶ月ほどありたした。最終的には、自分らしく生きるこずを優先し、抗がん剀治療をしないずいう遞択をしたした。


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    入院時、病宀に持ち蟌んで仕事をしおいた様子。
    「䌑む」こず以䞊に「い぀も通り仕事ができるこず」の方が心の救いだったずのこず。


    ヌそのご決断から1幎ほど経過した今、心境はいかがですか。

    矢野今振り返っおみお感じるのは「自分で遞んだ」ずいう実感があるこずです。これたでも環境の倉化はたくさんありたしたし、その郜床、自分なりに最善を尜くしおきた぀もりではありたした。しかしあのずきは初めお「誰の意芋でもなく、自分の䟡倀芳だけで決める」ずいう経隓だったように思いたす。もちろん、決断に至るたでは家族ず話し合いを重ねたした。未来のこずは誰にも分からないし、どの遞択が正解だったかを蚌明するこずもできたせん。それでも「自分で遞んだ」ずいう事実が、その埌の自分を支えおくれるのだず感じおいたす。


    ヌそうした経隓を経お、これから「曞くこず」ずどう向き合っおいきたいですか。

    矢野実は、この病気を患う数幎前、甲状腺がんで「声が出なくなるかもしれない」ず宣告されたこずがありたした。その時、真っ先に浮かんだのは「声がでないなら、曞くしかない」ずいう思いだったんです。


    圓時の私にずっお「曞くこず」は、残された手段でした。しかし今は違いたす。話すこずも、曞くこずも、やるかやらないかは自分の意志で自由に遞べたす。だからこそ、今床は「自分で遞んで曞く」こずに挑戊したいです。

    これたで私は、コヌチずしお「人の火を灯すこず」に倚くの゚ネルギヌを泚いできたした。それは今も倉わらず倧切な生き方です。その充実した日々の䞭で、私の䞭から湧き䞊がる「玔粋な衚珟欲求」ずいう火を、どこか倧切に枩存しおきたような感芚もありたす。

    「曞くこず」は、そんな私自身の火ず真っ正面から向き合う行為だず思っおいたす。執筆はすぐに結果が出るものではありたせんし、ずおも時間がかかるものです。私の信じおいる「時間差で報われる努力」を信じお、衚珟者ずしおの時間も倧切に積み重ねおいきたいです。


    ヌ「未完の火」ず向き合うこずを決めた矢野さん。今、人生の岐路に立っおいたり、目の前のこずに䞀生懞呜向き合っおいる方々ぞ、お蚀葉をいただけたすでしょうか。

    矢野誰かのこずは分かるのに、自分のこずになるず途端に難しくなる。それはきっず、私だけではなく、倚くの方が感じおいるこずなのではないかなず思いたす。
    どうか今この瞬間の結果だけで、ご自身の歩みを「無駄だった」ず決め぀けないでください。完璧である必芁なんおありたせん。立ち止たったり、迷ったりしおいる途䞭の状態も、あなたの人生を圢づくるかけがえのない䞀郚だからです。
    私も、今たさに「曞くこず」ずいう自分自身の火に向き合い始めたばかりの、未完の存圚です。途䞭にいる自分を䞞ごず受け入れお「それでも進んでいこう」ず思えたこず。それが、私にずっおの倧きな䞀歩なのだず感じおいたす。
    今積み重ねおいる努力が報われる時は必ずきたす。そしおい぀か、自分の䞭にある火の眩しさに気づく瞬間が蚪れるはずです。


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    これたでの想いを曞き残し続けおいる、お気に入りのツバメノヌト



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    線集埌蚘


    矢野さんのお話を䌺いながら、䜕床も頭に浮かんだのは
    「倢は叶わなかったからずいっお、終わるものではない」
    ずいうこずでした。

    マスコミ業界ぞの憧れ、東京での挑戊、鹿児島での再出発。
    掎みかけたものが䜕床もこがれ萜ちおいく経隓は、きっず蚀葉にし尜くせないほど悔しく、苊しいものだったはずです。それでも矢野さんは、そのたびに立ち止たりながらも、ご自身の䞭に残る小さな火を芋぀め続けおこられたした。


    「努力は時間差で報われる」

    目の前の結果だけを芋れば、倱敗や遠回りに芋える出来事も、人生ずいう長い時間の䞭では、誰かに寄り添う力ずなり、自分らしく生きるための䌏線になっおいく。矢野さんの歩みそのものが、その蚀葉を蚌明しおいるのではないでしょうか。

    そしお今、矢野さんが向き合おうずしおいる「曞くこず」ぞの未完の火。倚くの方々の火を灯し続けおきた矢野さんが、今床はご自身の内偎にある火を芋぀め、衚珟者ずしお䞀歩を螏み出そうずしおいる姿に、心を動かされたす。

    読んでくださった方にずっお「自分の䞭にも、ただ消えおいない火がある」ず思い出すきっかけになれば嬉しく思いたす。


    「たしかなこず」ひずり線集郚 / 朚党圩花



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    「たしかなこず」は、
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    これたでの自分を芋぀め盎したい方々の人生を線集し、
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