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銀山町 劖粟綺譚第話

    第八章 倧暎走

     第䞀回䌚議ず同じ机の配眮ず人員だが、第䞉回䌚議は終始穏やかな雰囲気で進んでいた。
    「以䞊のずおり劖粟矎術通を䞭心ずし、展望台、小路の敎備などのハヌド事業。さらに゜フト事業ずしお町内向けには
    ・民話・䌝承語り郚の育成
    ・子どもたちによる劖粟のシンボルむラスト公募ずむラスト展
    ・子どもたちによる創䜜フェアリヌダンス
     たた亀流人口から定䜏人口の増加を目的ずした町倖向けには
    ・フェアリヌファンクラブずしお䌚員を募集し
     劖粟の里䜏民祚の発行、フェアリヌレタヌ芳光パンフの送付
     フェアリヌギフト町で䜿える割匕刞・カタログ販売の莈呈
    ・フェアリヌツアヌモニタヌツアヌ
    などの提蚀を怜蚎しおたいりたいず考えおおりたす。
     なお劖粟矎術通の建蚭に向けたしおは、珟圚、歊藀さんずも連携し情報収集をしおおりたすが『展瀺物の蒐集』をどのように行うか。非垞に困難であるこずが懞念されおおりたす。具䜓的な事業提案に合わせ展瀺物の蒐集に぀きたしおも、皆様から埡意芋、埡提案をいただければず考えおおりたす。事務局からは以䞊です」
     田䞭が説明を終えお䞀瀌した。それを受けた郷田が意芋を求めようずしたずころ、顔を真っ赀にした枡郚が挙手をした。
    「枡郚さん、どうぞ」
    「事務局に質問です。先刻さらっず『展瀺物の蒐集が困難』ず説明したけど、俺たちに意芋をず蚀っおいたけど、それはもの凄く重芁な問題じゃないか。困難ずいうより、ほが䞍可胜じゃないのか。それならそう説明しないず話にならない。空っぜの矎術通を建蚭したら、笑い話にもならない。仏䜜っお魂入れずになるんじゃないですか」
     立ち䞊がらんばかりの勢いで質問しおきた。郷田が事務局の方に目を向けるず、二人の顔色がみるみる悪くなっおいった。
    「事務局、説明をお願いしたす」
    「事務局 高橋です。枡郚委員から埡指摘のずおり、非垞に重芁な問題ず認識しおおりたす。が、珟状では解決策が芋぀けられないずいうのが正盎なずころです。少しお時間をいただきたすようお願いしたす」
     郷田の進行を埅ちきれずに枡郚が挙手しお発蚀した。
    「重芁な問題なのに解決策が芋圓たらないっお。そもそも結果を求め過ぎお拙速、考えが浅過ぎだったんじゃないですか。田䞭君を責めたくはないけど、町に来お䞀二ケ月の身で、町おこしを䌁画するのは力䞍足だったんじゃないの。劖粟矎術通が無理なら、劖粟の䜏むふるさず事業も早めに諊めた方がいいんじゃないか。高霢者の皆さんの語り郚育成が実珟しないずなるず、生きがいづくりに繋がらないでしょう。根本的に駄目な話のために、皆の時間を無駄にするこずはないず俺は考えるけど、皆さんはどう思いたすか」
     枡郚は「劖粟の䜏むふるさず」が高霢者のためになるず期埅しおいたのに、梯子を倖された気分なのだろうず皆が察した。
     委員の顔を芋回した枡郚ず芖線が合っおしたった歊藀が申し蚳なさそうに挙手した。
    「歊藀です、僕は劖粟矎術通の建蚭を掚進したいず考え、ラむトスタッフの鈎朚さんず情報亀換をしおいたすが、やはり展瀺品が非垞に重芁であるず考えおいたす。ただその段階ではありたせんが、どのような物をどのように展瀺するかにより、レむアりトや内装も倉わりたすので、その蟺りが芋えないず建蚭スケゞュヌルがどんどん遅れるこずを懞念したす。少なくずも二幎埌の秋、次の町長遞たでに完成させるのは厳しいず思いたす」
    続いお枡郚に目で促された桜井が挙手する。
    「日本で初めおの劖粟矎術通に぀いお、ワクワクした䌁画ず胞を躍らせおいたした。子どもたちも喜ぶだろうず楜しみにしおいたす。しかし少し冷静に考えたすず、日本で誰も出来おいないこずを螏たえるず、それだけ難しい䌁画だろうずも思いたす。そんな倧それたこずは、銀山町では最初から無理な話だったかもず感じおいたす」
    䞉床、枡郚が挙手しお発蚀する。
    「そうですよ、田䞭さんのアむディアは絵に描いた逅。腹が膚れるような皆の身になるような話じゃない、ただのおずぎ話です。高橋さんい぀もの匁舌で反論できたすか」
    枡郚が高橋を睚み぀ける。
    「反論はありたせん。皆様の埡意芋を真摯に受け止めたす、申し蚳ありたせん」
    高橋ず田䞭は深々ず頭を䞋げた。
    「半沢さんも意芋があるんじゃないですか、お怒りではないですか」
    黙しおいた半沢に枡郚が発蚀を促した。党員が固唟を飲んだ。
    半沢が挙手し郷田が指名する。半沢の顔は真っ赀に染たっおいた。
    「俺は怒っおいる、蚀葉に出来ないくらいの怒りを感じおいる。ハラワタが煮えくり返る思いを人生で初めお実感しおいる。少し長くなるかもしれないが話しおもいいか」
    間髪を入れず枡郚が反応する。
    「時間なんか気にせず、存分に話しおください」
    「半沢さんどうぞ」
    枡郚に続いた郷田の声は少し震えおいた。
    「俺が怒っおいるのは自分に察しおだ。䌁画に行き詰り困っおいる田䞭君を助けるこずができない自分、これたで町のために䜕もしおこなかった自分ぞの怒りが抑えられない。俺は田䞭君を責める気にはなれん。昚幎床、総務課の宗像係長から『劖粟の䜏むふるさず』や『若者定䜏䌚議』の話を聞かされた時は、
    『俺に町長の倪錓持ちをやらせる぀もりか。アリバむ䜜りに利甚する぀もりか』
    ず反発した。だけど今幎床になり田䞭君が来お、圹堎や俺たちの無茶振りを正面から受け止め、汗を掻いお頭を䞋げお、掎たえようも無い雲みたいな話を䌁画にしお芋せおくれたこずに感謝しずる。その田䞭君を助けるこずができず、ほんず口惜しい。
     そんで、これは俺の個人的な想いで申し蚳ないが、ゞェヌン、いやあのゞェニファヌが『劖粟矎術通』の完成をもの凄く楜しみにしずる。
    『自分の任期䞭、日本滞圚䞭に完成しお欲しい。劖粟矎術通を芋おから垰囜したい。子どもたちが成長しお町を離れおも、私が銀山町で暮らした蚌の劖粟矎術通が残るず嬉しい』
    ずも蚀っおいた。ゞェヌンには
    『圹所仕事は時間がかるから、任期䞭の平成五幎八月末たでに完成は無理だろう』
    ず説明したが、俺はゞェヌンの笑顔を曇らせたくない。日本にいる間は良い倢を芋せおやりたい。䜕ずかどうにかしお、平成五幎八月末たでに劖粟矎術通を劖粟の䜏むふるさず事業を圢にしお欲しいず思っずる。
     これは俺の我儘だから、皆にお願いできるようなものじゃないが、皆の知恵ずか力を田䞭君に貞しおやっお欲しい。俺たちにできるこずは䜕も無いかもしれんが、せめお応揎しお欲しい。もずもず無理筋の事業が、さらに困難な状況にあるずは思う。だけどただ諊める時間じゃない、垌望は残っおいるず思いたい。皆の色々な考えはあるず思う、だがそこを曲げおどうかお願いしたい。
     郷田さん、歊藀さん、枡郚さん、桜井さん、どうか力を貞しお欲しい。高橋さん、田䞭さん、事業を諊めないで欲しい」
     半沢は正座に座り盎し頭を畳に擊り぀けた。ポタポタず雫が萜ちる音がした。

    「半沢さん止めおください。半沢さんが頭を䞋げる必芁はないですよ」
    「顔を䞊げおください」
     皆が半沢の呚囲に集たり、それぞれに蚀葉をかけながら半沢を揺さぶり、顔を䞊げさせようずした。半沢の倧きな䜓が揺れ、小刻みに震えおいたが半沢は顔を䞊げようずしなかった。

    「半沢さん飲みたしょうか」
    郷田ず高橋が手に䞀升瓶ずコップを抱えお立っおいた。郷田が
    「半沢さん皆に想いは䌝わった、気持ちは䞀぀だ。䞀旊話は終わりにしお、ずりあえず皆で飲もうじゃないか」
    桜井が続いた。
    「この前の円卓の階士の歌、今床は日本語で歌いたせんか。私、日本語蚳をコピヌしおきたした」
     自垭に戻っおから日本語の歌詞が曞かれたコピヌ甚玙を皆に配った。

    【円卓の階士たちよ】
    円卓の階士たちよ、
    酒がうたいか、飲んでみよう。
    飲んでみよう、りィ、りィ、りィ、
    飲んでみよう、ノン、ノン、ノン、
    酒がうたいか、飲んでみよう。

    「この歌は円卓の階士っおいうより、ただの酒飲み音頭じゃないか」
    郷田の蚀葉に皆が笑った。
    「皆さん䞞くなっお座りたしょう」
    枡郚が皆に声を掛けるず、䞃人は車座ずなり杯を掲げた埌に手拍子を始めた。
    「半沢さん歌いたしょう」
    田䞭の声に半沢が応える。

    円卓の階士たちよ、
    酒がうたいか、飲んでみよう。
    飲んでみよう、りィ、りィ、りィ、
    飲んでみよう、ノン、ノン、ノン、
    酒がうたいか、飲んでみよう。

     䞃人の歌声ず心が䞀぀ずなり倜が曎けおいった。
     倧黒屋の偎を流れる野尻川では蛙たちの歌声が響いおいた。

     

    #創䜜倧賞2024
    #お仕事小説郚門


     
     
     
    noteは日垞䞭心、TALESは創䜜小説を投皿しおいおいたす。 創䜜倧賞2025「黒田補䜜所物語」䞭間遞考通過。第29回自費出版文化賞 小説郚門「スプラりト」入遞。 人間讃歌の物語に挑戊しおいたす。

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