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Photo byrosy_dunlin3498

秋のほとりで

    「季節が変わったんだよ」
    風がそう囁いた
    それは春の終わる頃
    「ただ季節が変わっただけ」
    花もそよそよ頷いた
    けれど慟哭の耳に優しい声は届かなくて

    「これはエデンへ続く道」
    蝶がふわふわいざなった
    それは夏の真っ盛り
    「羽をつかんで次の扉へ」
    カゲロウが優雅に促した
    けれど恐れて立ちすくむ
    燃え盛る悪意にばかり気を取られて

    「これはあなたの命の証」
    ぶどうがゆらゆらダンスする
    それは酷暑の残る秋のはじめ
    けれど実りに手が伸びず
    酸っぱい果実の予感に怯えて

    食べなさい、と背中を押したのは誰?
    振り返ればウサギとネコ、タヌキにリスにキツネ
    クマに支えられて房に手を伸ばせば
    甘い甘い涙のしずく

    そして冬の終わる頃
    きっとようやく気づくのだ
    この手にいつも世界があったことに
    雨の隣に虹があることに

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