第二十九章 芽吹
一年後の春
満開の桜を抱え
登り坂を登る。
祠を整え、
御神酒を供える。
「……あっ!」
切り揃えられた髪を揺らし、
少女が笑った。
「ねぇさん……
咲きんしたね。」
祠の隣。
朽ちた切り株の脇から
小さな新芽が二つ、
寄り添うように芽を出していた。
春風に吹かれ
二つの若葉は
同じ風に揺れていた。
#創作大賞2026 #恋愛小説部門
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
初めて書いた小説でしたが、こうして最後まで書き切ることができたのは、読んでくださった皆さまのおかげです。
この物語が、皆さまの心に少しでも残るものになっていたなら、とても嬉しく思います。
またどこかで、お会いできますように。