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Photo bynew_sataketakeru

真っ暗な空、まんまるな月。

    竹原なつ美

    唯ちゃんといる時一番自然な自分でいられる。
    そういう友達が持てて本当にしあわせだと思う。

    だけどそれだけでいいの?

    自分にそっと問いかけてみる。

    ここよりも先に進んでみたくなってる。
    なにか自分だけのものをなんでもいいから作りたい。
    どんなものかはわからないけど、はっきりとした形が欲しい。
    でもどうやって?
    具体的には?

    わからないけれど作ってみたい。

    真っ暗な空に真ん丸な月がポカンと浮かんでる。
    澄んだ空気の中をゆっくりと歩きながら大きく息を吐いて大きく吸い込んでみる。

    肩の力が抜けてからだが軽く楽に運べる。
    気持ちいい。
    なにかできそうな気がする。

    お月様、私、大丈夫かな?
    これからなにか作れるのかな?

    黙ってみてる大きな月は柔らかな光で夜の空を静かに照らしている。

    お月様も一人?

    寂しくないの?

    何にも言ってくれないから、家にかえってすぐお湯をしゅんしゅん沸かして濃いコーヒーを丁寧にドリップして淹れてみた。

    苦い。

    口が子どもの私には濃いブラックは難しい。
    でもちょっと深い味。
    豆の香りの残りのようなものが私にそっと教えてくれた。

    ダイジョウブ。
    マエヲムケ!

    って。

    元気をくれるコーヒーだった。

    ブレンドってかいてあったけど、なにが入っているんだろう?

    コーヒーのことなんて考えたことなんかないのに大人の感じが味わいたくてなんとなく買っちゃった。

    美味しいと思えるくらいの大人になって味わって飲めるのにあとどのくらいかかるんだろう?

    たっぷりとミルクとお砂糖なんて入れたらただのカフェオレになっちゃう?

    真っ黒な濃いコーヒーの大人の味がわかる頃には誰か一緒に暮らせる人が私にもいるんだろうか?

    その人は私を大切に守ってくれるのだろうか?


    お月様、あなたには未来のことが見えてるの?

    見えるなら教えて下さい。
    私にだけ聞こえる声でそうっとそうっと教えて下さい。

    月は黙って光ってる。
    柔らかな光を放ち黙ってそこで輝いている。

    聞いてくれてありがとう。
    コーヒー、もう一杯飲んでみよう。

    さっきより薄くして。

    そしてゆっくり味わって大人に近づく努力をしよう。

     
     
     
    のびのびと暮らせるように前を向いてがんばります。 なんだか良くない感じですが、とりあえずがんばります。

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