
客単価+500円シリーズ⑥読まれる前に、売れる。〜最強のメニュー表が客単価を変える理由〜
はじめに:メニュー表は「無言の営業マン」
あなたの店に、24時間365日休まず働いてくれる営業マンがいます。
給料もいらない。
文句も言わない。
接客の技術も必要ない。
それが「メニュー表」です。
でも多くの飲食店のメニュー表は、この最強の営業マンを眠らせたままにしています。
料理の名前と値段だけが並んでいるメニュー表。
写真が古くて汚れているメニュー表。
品数が多すぎて何を頼めばいいか分からないメニュー表。
これは「無言の営業マン」ではなく、「無言の機会損失」です。
私は20年間、飲食の現場に立ち続けてきました。その経験から断言できます。
メニュー表を変えるだけで、客単価は確実に上がります。
この記事では、心理学に基づいた「最強のメニュー表」の作り方を公開します。
第1章 レイアウトの法則
ゴールデンゾーンとは何か
お客様がメニュー表を開いた瞬間、最初に目が行く場所があります。
それが「ゴールデンゾーン」です。
一般的に、メニュー表を開いた時の右ページの上部が最も目が行きやすい場所です。
視線は左上から右上、そして下へと流れます。
つまり、ゴールデンゾーンに置くべきものは「一番売りたいもの」「利益率が高いもの」「お店の看板メニュー」です。
多くの飲食店はここに「生ビール」や「低価格帯の前菜やおつまみ」を置いています。
でも考えてみてください。生ビールは勝手に売れます。
わざわざゴールデンゾーンに置く必要はありません。
ゴールデンゾーンには、あなたが一番売りたい高単価メニューを置いてください。
品数の最適解
メニューの品数、何品ありますか?
100品以上あるメニューを誇りにしている店があります。でもこれは逆効果です。
心理学に「決定麻痺(ジャム理論)」という概念があります。選択肢が多すぎると、人は選べなくなるという現象です。
有名な実験があります。スーパーでジャムのサンプルを24種類並べた場合と6種類並べた場合を比較すると、6種類の方が10倍売れたという結果が出ています。
飲食店も同じです。
最適な品数の目安
ドリンク:15〜20品
フード:20〜30品
看板メニュー:3〜5品(大きく目立たせる)
品数を絞ることで、お客様は迷わず注文でき、厨房のオペレーションも楽になり、食材ロスも減ります。一石三鳥です。
第2章 価格設計の心理学
¥マークを外すだけで変わること
メニューの価格表示、「¥1,200」と書いていませんか?
実は「¥」マークや「円」という文字を見ると、人は無意識にお金を使うことへの「抵抗感」を感じます。
高級レストランのメニューをよく見てください。
多くの場合、価格は数字だけです。「1,200」と書いてある。
これだけで、お客様の財布の紐が少し緩くなります。
アンカリング効果の使い方
第4章で詳しく説明しますが、価格設計でまず理解すべきは「アンカリング効果」です。
人は最初に見た数字を基準(アンカー)にして、その後の数字を判断します。
メニューの最初のページに高単価メニューを載せる。それだけで、その後のページのメニューが「お得」に感じられます。
松竹梅の正しい設計
「松竹梅」の価格設計をご存知ですか?
多くの人は「竹(真ん中)」を選ぶという心理があります。
これを「極端の回避性」と言います。
つまり、一番売りたいメニューを「竹」の位置に設計することで、自然に選ばれやすくなります。
例えば
梅:国産牛カルビ 1,200円
竹:黒毛和牛カルビ 1,800円(一番売りたい)
松:特選A5黒毛和牛 2,800円
この設計なら、多くのお客様が1,800円の黒毛和牛を選びます。
さて、ここまで読んで、ご自身のお店のメニュー表を思い浮かべてみてください。
「もしかして、うちのメニュー表…利益を取り逃しているのでは?」
そう気づいた方は、素晴らしいセンスを持っています。
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