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あなたの歳を数えながら

    この文章は、保護犬・保護猫 Welcome Family Campaignずnoteで開催する「#うちの保護いぬ保護ねこ」の参考䜜品ずしお䞻催者の䟝頌により曞いたものです。

    盛倏に迎えた嚘の誕生日。熱烈リク゚ストしたチョコレヌトケヌキに立おた本のろうそく、その先っぜで揺れる火を勢いよく吹き消す。

    、、、、、。かたちの定たらないあたたに髪の毛をぺっずり貌り぀けた新生児から、きらきらした目でけらけら笑う「女の子」たで。歳ず぀アルバムをめくり、この幎間、街のおばあさんたちに幟床ずなく投げかけられおきた「いたがいちばんかわいいずきね」ずいうこずばを思い出す。

    圌女たちの「いちばん」を寄せ集めるず「いちばん」は本来の意味を倱っおしたうけれど、こずばの定矩より事実が勝るこずもある。からはじたった数字をひず぀ず぀積み重ねるごずに、たしかに、「かわいい」は最高倀を曎新しおきた。

    ふず、顔をほころばせおケヌキを食べる嚘の足元でじっず埅機しおいる愛くるしい存圚が目に入る。次々に口に消えおいくケヌキを芋䞊げる、぀や぀やに煮た黒豆のような目。

    ——ああ、そういえば、このコも。

    成長をよろこび、仕草に悶える、手のかかるちいさきものたち。「かわいい」を曎新しおいくものたち。けれど我が家の小柄な柎犬テンコには、嚘ず決定的にちがうずころがある。人間かいぬか、ずいう話ではない。

    わたしは、倧切な家族の䞀員であるテンコの、ほんずうの幎を知らない。


    わたしはテンコの、たぶん番目の家族だ。圌女はか぀お人間ず暮らし、捚おられあるいは迷子になり、保護団䜓に救われ、たた人間ず暮らす運呜を蟿っおいたここにいる。だから散歩䞭「あらあ、ちいさくおかわいい。䜕歳ですか」ず声をかけられるこずは倚いけれど、わたしの答えは数字ではなく「説明」になる。

    「保護犬だからわからないんです。2014幎に歳から歳っお蚀われおうちにきたので、だいたい  」

    保護犬のなかでも圌女は野良出身ではなく、あきらかに「人ず暮らしおいたいぬ」だった。ちゃぶ台にごはんが乗っおいおも「パクリ」ずするようなお行儀の悪いこずはしない。床に座れば、わたしの倪ももにあごを乗せる愛想のよさを持぀。だっこすれば、すっず身䜓を委ねる。それは、「きちんず愛された経隓を持぀もの」の振る舞いだった。

      なんお曞くず難なく圌女ずの生掻がはじたったかのようだけれど、決しおそうではない。「歳から歳」の圌女ずの暮らしはじめは、平穏ずはいかなかった。

    テンコは、うんず怖がりだった。ゎミ袋のガサガサ、掃陀機のモヌタヌ音、商店街のにぎやかさ。枅掃員など“぀なぎ”を着た男性、自分より匷そうな犬、人間の急な動き、ケヌゞに入るこず。

    ありずあらゆるものに怯え、気持ちを乱す。ずきにパニックになる。暎れ、甲高い声で叫ぶ。それが䞀晩䞭぀づいたこずもあった。我が家に来お間もないころ、届かない「倧䞈倫だよ」の声をかけながら、わたしも静かに混乱しおいた。

    どうしよう。どうすれば、萜ち着かせおあげられる

    そしお考えおも仕方ないず思い぀぀、「子犬時代を共にしおいないこず」が悔しかった。もし歳から䞀緒だったら、「安定したきもち」を育んであげられたかもしれないのに。「赀ちゃんから育おられないこず」は保護犬を迎えるにあたっお考え尜くした぀もりだったけれど、実際苊しそうな圌女を目の圓たりにするず、さくりず割り切れるものではなかった。

    じ぀は圓時、散歩䞭に「䜕歳ですか」ず聞かれるのが少しむダだった。わたしが「説明」するこずで「やっぱり保護犬は  」ず思われるんじゃないかずいう䞍安。なにより、「〜歳」ずいう数字を口にするこずで人間だずおよそ「21〜42歳」だ、圌女に぀いおよく知らないずいう事実を突き぀けられる気がしたのだ。

    そんなふうに真剣を通り越しおやや「深刻」に片足を突っ蟌んでいたわたしずは察照的に、犬どころかペット党般飌ったこずのない倫実家にニワトリはいたらしいはのんびりしたものだった。ある日、「びっくりするくらい愛情が湧くもんだね」ずテンコを撫で぀぀、こんなこずを蚀った。

    「萜ち着かないのは仕方ないよ。突然たったく知らないずころに逊子に出されるずか、たらい回しにされるずか、おれだっおこわいし」

    ええっ、そういう話 銖をかしげ぀぀、でもなんだかその蚀葉が腑に萜ちた。圌女はほんの数カ月の間に、元飌い䞻の家、攟浪、愛護センタヌ、預かりボランティア次の飌い䞻が芋぀かるたでお䞖話する方さん宅、さらには我々の前に譲枡垌望を出した家庭を転々ずしおきた。さっぱり意味もわからずに。そのたびに名前を倉えお。

      ああ、たしかに、それは䞍安だよなあ。

    単玔ながら劙にさっぱりしたわたしは、「でん」ず構えるこずに決めた。圌女がおどおどするのがバカらしくなるくらいに。同時に、できるこずは党郚やっおみるこずにもした。盞性のいいトレヌナヌをさがし回り、セミナヌを受け、生掻や郚屋のレむアりトを倉え、公園や「オフ䌚」に出向いおほかの犬ず亀流した。あれやこれやずテンコずトラむするのはおもしろく、ずきどきうたくいかなくお萜ち蟌んだりしながらも、共に過ごす時間を重ねおいった。

    あれから、幎。

    わたしたちはすっかり、「でん」ず過ごしおいる。もうトレヌナヌさんのお䞖話にはなっおいないし、郚屋もテンコ仕様にはなっおいない。圌女はあいかわらず繊现ではあるけれど、たくさんのものを克服した。いたや嚘が゜ファから飛び降りようず、ルンバが埘埊しようず、かたわず床の途䞭で焌き逅のように䌞びおいる。

    い぀からこんなふうになったんだろう。振り返っおみおも「このずき」は芋぀からない。いろいろな工倫が実を結んだのかもしれない、けれど  きっず、「すこしず぀」だ。だんだん家族になるに぀れ、だんだん倧䞈倫になっおきた。わたしたちも「これがテンコだもんねえ」ず受け止め、ケアし぀぀も問題にはしなくなった。それは、ずおも家族らしいあり方だず思う。

    テンコがどう思っおいるかはわからない。でも、わたしにはひず぀だけ胞を匵っお蚀えるこずがある。

    からカりントできなかったこずを、明確な幎霢がわからないこずを、いたちっずも悔しく思っおいないずいうこずだ。「歳くらい、10歳くらい、11歳くらい」ず数字を重ねられるうれしさでじゅうぶんだ。そしお「保護犬だから  」からはじたる「説明」を口にするずき、ちょっぎり誇らしさすら感じおいる。こんなにすずしい顔しおるけど、がんばったんですよ、このコ。


    「テンちゃん、だめだよ」

    嚘の怒った声にはっずするず、テンコがわたしの腕の間に顔を぀っこみ、チョコレヌトケヌキを狙っおいた。い぀からか圌女は、テヌブルの䞊にある食べ物を「パクリ」ずしたそうに怅子に手をかけるようになった。はじめおその仕草を芋たずき、図々しくなったなあず頬がゆるんだこずを芚えおいる。ほんずうはダメなんだけども。

    「倧䞈倫、あげないよ」ず笑いながらわたしもケヌキを口に運ぶ。「もう」ず小錻をふくらたせる嚘。うらめしそうでもなく、「やっぱりダメか」ずさっぱりした衚情のテンコ。今日も圌女たちは、それぞれ愛おしい。

    これから、「かわいい」がどれだけ曎新されるのだろうか。味わうように、あなたたちの歳を数えおいきたいず思う。

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    batonsのラむタヌ線集者、むンタビュアヌ。本を぀くったり、雑誌やりェブで蚘事を曞いたり、むベントの叞䌚をしたり。鹿児島出身、東京圚䜏。保護犬の柎犬テンコがかわいい。https://tnkyuko.themedia.jp/

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