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「他のママも急に子どもになると思ってた」4歳の息子に、ママの「解離性障害」を伝えた日。

    その日は、久しぶりに妻の長い発作が起きた日だった。

    そしてその引き金となったのは、4歳の息子の何気ない、本当にどこにでもあるイタズラだった。

    ■ 楽しかったイタズラと、突然の暗転

    その日、ママと触れ合うのがとにかく嬉しかった息子。 その日のブームは、妻の胸を少し強めに「タッチ!」するイタズラだった。

    「やめて、痛いから本当にやめてね」

    妻は何度も繰り返し、静かに、しかし真剣に制止していた。 私も横から「ママが本気で嫌がっているから、もうやめような」と注意する。

    けれど、4歳の息子にはまだその言葉の重みが届ききっていなかった。ママが反応してくれるのが嬉しくて、「ママ、待て待て〜」と遊びの延長の感覚のまま、逃げる妻を追いかけて再び胸を強く触ってしまった。

    妻が、本当に痛そうに顔をしかめる。

    ――その瞬間だった。妻のスイッチが、完全に切り替わった。

    「やめてください……! お願いします……!」

    リビングに響き渡ったのは、恐怖に怯え、過呼吸気味に号泣する妻の声。 凄まじいフラッシュバックを伴う、「幼児退行」の発作が始まってしまった。

    これまでは、発作中のママを見ても、状況があまり分かっていない様子だった息子。

    しかし、この日は違った。

    さっきまで自分が笑いながら追いかけていた大好きなママが、自分の手が触れた直後に、見たこともない恐怖の表情で泣き叫んでいる。

    息子の顔から、スーッと血の気が引いていくのが分かった。

    4歳の短い人生の中で、初めて「自分が悪いことをしたせいで、大好きなママの発作が起きてしまった」という強烈な現実を、その幼い心でハッキリと察知した瞬間だった。

    ■ パパが教えた、一番大切な約束

    ショックのあまり部屋の真ん中で立ち尽くし、激しく動揺している息子。 私はその小さな体を、ぎゅーっと強く抱きしめた。

    まずは怯えた心を落ち着かせるように抱きしめながら、静かに、けれど大切な約束を伝える。

    「ママだけじゃないよ。パパも、幼稚園のお友達も、他の誰であってもね」 「人が『嫌だ』って言ったら、しつこくしちゃダメなんだ。相手が嫌がることは絶対にやめよう。これは約束な」

    息子は、私の腕の中で泣きながら、小さく、でも確かに頷いた。

    ■ 発作のあとに伝えた「2つの心」

    やがて時間が経ち、妻の発作がようやく治まった。

    解離性障害の特性で、発作中の妻の意識は別の場所にあり、戻ってきた時には「解離性健忘」によって、自分がなぜ発作を起こしたのか、その原因を覚えていない。

    だからこそ、妻の意識がハッキリと戻ったこのタイミングで、私は息子に「ママの病気」の話をちゃんとしようと決めていた。

    「ママにはね、2つの心があるんだよ。大人の心と、君と同じ子どもの心」 「ママの心がちょっと疲れやすくなっていてね、さっきは子どもの心がびっくりして飛び出てきちゃったんだ」

    私の話を一生懸命に聞いていた息子は、涙目を丸くして、ポツリとこう言った。

    「……他のママも、みんな急に子どもになると思ってた」

    息子にとって、ママの発作はこれまでずっと「当たり前の日常の風景」だった。世界中のどの家庭でも、お母さんというのは急に子どもになって泣き出すものだと純粋に信じていたのだ。

    それが我が家だけのことであり、「病気」というものであることを、4歳なりに初めて理解した瞬間だった。

    ■ 息子のせいじゃない、病気のせいだから

    事情を察した妻は、すぐに息子を自分の腕の中にぎゅーっと抱きしめた。

    「ママはね、たまに変になっちゃうことがあるの」 「でもね、それは絶対に息子くんのせいじゃないんだよ。病気のせいだからね。だから自分を責めなくていいんだよ」

    ママの温かい腕の中で、何度も何度も伝えてもらう。

    「自分が大好きなママを壊したわけじゃない」 その言葉が、息子のこわばっていた心をどれほど救ったか分からない。

    ■ 我が家恒例の「サンドイッチ」

    心のトゲが抜けたなら、我が家最大の特効薬の出番である。

    私と妻が並び、その真ん中に息子を挟み込む。

    「それじゃあ、いくぞ! サンドイッチ!」

    大人二人の大きな腕で、真ん中の小さな息子を包み込むようにギュッと抱きしめる。

    ついさっきまで張り詰めていたリビングの空気が、一気に我が家の体温で満たされていく。二人に挟まれた息子は、さっきまでの涙顔が嘘だったかのように、いつもの大好きな笑顔を取り戻してくれた。

    病気はあるし、発作も起きる。 けれど、話し合い、最後は3人で挟み合って笑えるなら、我が家は、これからも絶対に大丈夫だ。

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    毒親育ちで解離性障害・PTSD・鬱の妻、4歳息子と幸せを模索中。育児の笑える日常、たまに看病や育児のリアルな裏話を等身大で発信しています。我が家の日々が誰かの力になりますように。固定記事、自己紹介も覗いてみてください! 育児のイライラを和らげるエンタメ育児記事を販売中

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