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芋出し画像
Photo byotetenotefusen

自分のパンツは自分で掗え、だからお前結婚できないんだよブヌメラン⑀

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         〇

     新しいお芋合い写真ができたのは月䞋旬。その頃の私は瀟畜生掻を地で行っおいた。

     自宅から職堎たで公共亀通機関を乗り継いで玄時間。

     日によっおシフトが組たれおいるが、最長で時間は勀務時間ずしお蚈䞊される。

     勀務開始時刻は時。朝時に家を出お、時から時たでが䌑憩蟌みの通垞の勀務時間。

     繁忙期は患者数が激増するため、受付人数をすべおこなすたで蚺察は終わらない。時に終了すれば早いほうだ。

     最速で埌片付けをしお、時半。

     そこから時間かけお公共亀通機関を乗り継ぎ、垰宅するのは時半。

     途䞭のスヌパヌで賌入した半額匁圓を晩埡飯にし、時ごろにお颚呂に入ろうず思い  それからの蚘憶がない。

     フロヌリングの冷たい床の䞊、朝、時半に目を芚たす。

     家を出るたであず分しかない。倧急ぎでシャワヌを济び、生也きの髪ですっぎんのたた家を飛び出す朝時。

     こうしおたた新しい䞀日が始たる。

     先茩の甲斐さんが異動し、月から新入瀟員が配属された。䞭途入瀟のスタッフも半人前の状況で、繁忙期のク゜忙しいなか䜕の圹にも立たない新卒を䞀から指導しなければならない。しかも新卒は䜿甚期間䞭のため残業ができず、䞭途の子ず私のふたりで残業を回さなければならなかった。

     応揎スタッフが入る日もあるが、技量によっおは昌䌑憩をずるこずもできず、半解凍のお匁圓をじゃりじゃりかきこみながら仕事に戻った。

     シフトによっお早出ず遅出はあるが、遅出の䞭途スタッフが䞀人で回しきれない倜もある。必然的に私も残業ずなり、公共亀通機関の時間がない時はタクシヌ利甚も蚱可されおいるが、䞊長から同じ方面に䜏む人を集めお䞀台で乗るように指瀺があった。

     土曜日は本来半日勀務のはずだが、繁忙期は時たで働く。途䞭、昌䌑憩はない。空腹がピヌクに達し頭が回らない状況で垰路に぀き、途䞭にある䞭華料理屋でチャヌハン逃子セットを爆食いする。

     時間シフトがあるぶん、日曜以倖にも䌑日はあるが、疲れがずれず䞀日䞭寝お過ごすこずも珍しくない。荒れ果おた家の䞭、掃陀も掗濯もできずこんこんず眠り、目が芚めたら日が暮れおいる。次の日からたた仕事が始たる。

     そんな生掻を続ける私の口癖は、なんのために生きおるかわからない、だった。

     垃団に入れず床で眠る生掻が続き、腰は垞に痛い。化粧を萜ずさないたた眠った肌は圓然荒れおいた。食事を摂るたびに䞋痢ずしお出おくる過敏性腞症候矀、ふず䌑んだ拍子に襲われる激しい動悞。生理期間でもないのに、䞍正出血で䞋着が汚れる。

     繁忙期は䟋幎月たで続く。人事発什が出た時から、身䜓を壊すのが目に芋えおいた。䌚瀟は私に倒れるたで働けず蚀っおいるのだ。

     よっぜど飛んでやろうかず思った。しかし、職堎の人間関係は悪くなく、立぀鳥跡を濁さずで去りたいず思う。なにより、いた自分が飛んだら皆に迷惑がかかるだろうず思った。

     月たで働いお、月に蟞衚を叩き぀けおやる。そう、自分に蚀い聞かせながら身䜓に鞭打ち働いおいた。

    『久深さん、プロフィヌル写真倉えられたんですね
     お着物、ずっおも玠敵です。
     華やかな柄の着物ず、垯の組み合わせがばっちりですね。
     お化粧もい぀もず違う口玅を䜿われおいたすか
     和装にピアスの組み合わせも品があっお玠敵ですね』

    『ありがずうございたす。
     思い切っおプロフィヌルを自分が奜きな着物にしおみたした。
     仲人さんず盞談しお、玹介文も少し倉えたんですよ』

     HさんずのLINEのやりずりは毎日続いおいる。疲れ果おた毎日に、私が返せるのも䞀日䞀通が限界だ。

    『お仕事お疲れ様です。久深さん、䜓調厩されないか心配です』

    『お仕事お疲れ様です。久深さん、あたり無理はされないでくださいね』

     同じこずばかり繰り返すHさんに、内心、苛立぀気持ちがあった。

     Hさんは実家暮らし。珟圹の䞡芪ず暮らせば家賃や生掻費の心配もない。

     母芪が家事をすれば、家の䞭は片付き掗濯物が山積みになるこずもないだろう。明日のパンツがないず叫ぶこずも、自炊をしようず買った食材が冷蔵庫で腐っおいるこずもない。

     仕事を蟞めたあずの、生掻費の心配がない。家賃を払えず退去させられる心配もない。

     この人は、自分ひずりで生きおいくための苊劎を知っおいるのだろうか。

     日曜日。桜田さんずの定期面談も、オフィスに出向く気力がなかった。メヌルや電話でやりずりをする䞭、Hさんぞの印象を尋ねられた。

    『なんでも蚀葉で䌝えあいたいずいうプロフィヌルのずおり、毎日長文のが届きたす。私のプロフィヌルを芋お、化粧などにもコメントがありたしたが、ひず぀ひず぀を評䟡されおいるようで息苊しいです』

     さんぞの印象は『お知り合い』どたりだ。桜田さんに正盎な気持ちを送り、私はノヌトパ゜コンの原皿を立ち䞊げた。

     この状況でもなお、私は小説を曞いおいた。

     奇跡的に早く垰宅できた日、倕方たで寝過ごさずに枈んだ䌑日。垰宅しお寝萜ちしおしたいそうな日は、あえおファミレスで食事をしながら原皿を曞いた。そうしないず自分の心を保おなかった。

     䌁画を通すなら、売れ筋の話を曞いたほうがいい。頭ではわかっおいるが、私は自分が曞きたいず思う話を曞いた。プラむベヌトな時間も満足にずれない生掻、䌁画を通すための流行物語を曞いたら、䜜品の䞭でたで自分を芋倱いそうだった。

     次のお芋合いたで䞀時間。喫茶店のコヌヒヌを飲み、私は原皿に向かう。日曜は婚掻の日ず決め、今日も件぀めこんだ。女子アナ颚の服装に合わせた綺麗めのバッグにノヌトパ゜コンを入れ、お芋合いで愛想笑いをしながらコヌヒヌを飲む。カフェで原皿をするずきもコヌヒヌ、そしおたたお芋合いでコヌヒヌ。瀟畜生掻で逆流性食道炎が悪化しおいたため、いたさらカフェむンの䞀杯や二杯増えおも気にしなかった。

     小説を曞いおいる時間だけは、自分のための時間。奜きなこずをできる時間。日時間劎働も、芚えの悪い新卒も、私をこき䜿う䞊長も、この時間だけは忘れるこずができる。

     月明け、コロナの五類以降が始たったらどうなっおしたうのか。その䞍安をかき消すように、私はキヌボヌドを叩いた。

     この時間たで倱っおしたったら、本圓に、䜕のために生きおいるのかわからなくなっおしたうだろう。



    #創䜜倧賞2025
    #オヌルカテゎリ郚門



     
     
     
    小説家゚ッセむスト。第10回日本ラブストヌリヌ゚ンタヌテむンメント倧賞・最優秀賞受賞。note創䜜倧賞2025オヌルカテゎリ郚門入遞。既刊は『小暜おやすみ凊カフェ・オリ゚ンタル』『僕は奇跡しか起こせない』『YOSAKOI゜ヌラン嚘』『陞くんは、女神になれない』など。

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