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Photo byt_and_s_coach

自分のパンツは自分で掗え〜4、そうやっお遞んでるから駄目なんだよ③


         〇

    『田䞞さん、オンラむン飲み䌚やりたせんか』

     新型コロナりむルスが流行し、倖出自粛を求められる鬱屈した日々が続く䞭、鎌田さんからそんなメッセヌゞが届いた。

    『メンバヌは䞉人で、僕ず瀧さんっおいう男性なんですが、田䞞さんご存じですか』

    『名前は䌺ったこずがありたす』

     SNSで長幎繋がっおいるず、面識はなくおも名前を知っおいる人は倚い。瀧さんは盎接のやり取りこそしたこずはないが、お互いに名前だけは知っおいる、そんな人だった。

    『こないだ僕ず二人で飲んでたんですけど、瀧さん婚掻䞭らしくお。田䞞さんのこずを玹介したいなず』

    『私を、ですか』

    『気立おの良い嚘さんだずお䌝えしおたす。たずは普通の飲み䌚ずしおお話しおみたせんか』

     鎌田さん、瀧さんずもに本州圚䜏で、二人ずも離れたずころに䜏んでいる。北海道の私ず䞉人、オンラむン飲み䌚に距離など関係ない。せっかくの機䌚だからず、私はその誘いを快諟した。

     圓時、歳。掟遣や契玄瀟員を経お、正瀟員ずしお医療業界に埩垰しおいた。入瀟盎埌にコロナの流行が始たり、職堎ず家の埀埩、そしお垰宅埌の原皿。兌業䜜家の生掻リズムを取り戻すのに時間はかからなかった。

     䜓調を厩しおから、長らく恋人がいなかった。二幎に䞀床のペヌスで『このたただずやばい』ずいう謎の焊燥感でマッチングアプリに登録するも、やりずりに疲れお亀際に至らぬたた退䌚しおしたう。たたに良いなず思う人が珟れおも、もうこんな幎霢だし  ず消極的になりアプロヌチできずにいた。

     歳の焊り期を抜け、歳は比范的穏やかに過ごしおいた。そのため、鎌田さんからの玹介は青倩の霹靂だった。玄束の時間にパ゜コンの前に埅機し、お酒ず軜い぀たみを甚意しお開始を埅った。

    「  えヌ、聞こえおたすか」

     鎌田さんがカメラをオンにする。続いお私ず瀧さんも画面に映った。

     存圚だけは知っおいた、瀧さんの顔を芋るのはこれが初めおだ。歳䞊の代埌半だが、幎々ワむルド味を増しお幎を重ねる鎌田さんず違い、黒髪県鏡姿の兞型的な文科系男子だった。

     お互いに自己玹介をし、お酒を飲みながら雑談をする。瀧さんは東京郜圚䜏、倧孊卒業埌は新聞瀟に勀めおいるらしい。小説家志望で鎌田さんず亀流があり、出版寞前たで進んだこずがあるが、倧人の事情により砎談になった経隓があるらしい。

     新聞瀟勀めなら文章力はお墚付きだろう。新人賞の䞖界は運もあるず私は思っおいる。鎌田さんずは新人賞投皿時代からの付き合いのため、話題の䞭にも圓時の苊劎話がのがった。

     共通の話題があれば話も匟む。もずより皆、小説以倖にもアニメや挫画など創䜜物ぞの造詣が深い。オンラむン飲み䌚は創䜜仲間ずの飲み䌚ず䜕も倉わらなかった。

     瀧さんず私、名前は知っおいるが接点はなかった。プロフォヌルしか知らないのはお互い様だ。時折鎌田さんがアシストを入れ぀぀、玄束の時間はあっずいう間に過ぎた。

    「オンラむンの時間は長めに甚意しおるから、あずは若いお二人で」

     気立おの良い嚘ずいう玹介ずいい、先に離脱するずきの蚀葉ずいい、鎌田さんはたるで仲人のようだった。

     オンラむンの画面に二人で残り、先ほどの話の続きをする。お酒が進んで緊匵もほぐれおいた。

    「田䞞さんっお、今も北海道に䜏んでるんですか」

    「そうですね。でも、コロナが流行る前は飛行機に乗っおあちこち旅行しおたしたよ」

     䌚瀟から県倖を跚ぐ移動を犁止されおから、道倖には出おいない。盎近だずどこに行ったか  考え、四囜旅行の話題を提䟛した。

    「契玄瀟員の仕事が終わったあず、四囜を䞀呚したんです。高知のよさこい祭りの時期に合わせお」

    「よさこいが奜きなんですか」

    「YOSAKOI゜ヌラン嚘を出版した時、絶察、高知のよさこいを芳に行くっお決めおたんで」 

    『YOSAKOI゜ヌラン嚘 札幌が螊る倏』の出版は二䜜目だった。心身を病んで仕事を蟞め、療逊䞭に曞き䞊げた䜜品だ。デビュヌ䜜の売䞊が奮わず、次を出せるかわからない䞍安を抱えながらの執筆は病の身に堪えたが、その埌の重版のおかげで奇跡的にたどり着けた出版だった。

    「それは、続線のための取材」

    「いえ、ただのご耒矎旅行です」

     二䜜目の発売から䜕幎も経っおいる。売䞊の結果も出せなかったが、YOSAKOI゜ヌラン祭りを題材にした䜜品などこの䞖に出せるず思っおいなかった。䞉䜜目もあるかわからない厳しい䞖界、思う存分曞き切ったため、自分でもお気に入りの䜜品になっおいるのだが。

     旅行などプラむベヌトな話をするず、すぐに「次回䜜の取材ですか」ず蚀われがちだ。シリヌズ化を芋越した連䜜短線でも、数字が難しければ続線も出ない、そういう厳しい䞖界だった。

    「東京には定期的に行っおるので、次、行くこずがあったら瀧さんに連絡したすね」

     次䜜の予定がなくおも、私は定期的に䞊京しおいる。SNSで぀ながった䜜家の新刊・重版報告を芋おいるず、自分のふがいなさに萜ち蟌むばかりだ。北海道で悶々ずしおいるより、぀ながりを残しおくれる担圓線集に䌚いに行ったり、先茩䜜家に話を聞いおもらうだけで気持ちが萜ち着いた。

     職堎の移動自粛什が解陀されるたで、本州に行くこずはできない。隠れお行っおいる人もいるのだろうが、そこで䞇䞀コロナに感染しようものなら顰蹙の目で芋られるだろう。メンタルの匱い私にそこたでの床胞はなく、瀧さんず実際に䌚うたでしばらくの時間が空いた。


     䌚瀟の県倖移動自粛什が、事前申告制に倉わった時、私は長期䌑暇を利甚しお東京を蚪れた。
     瀧さんはマッチングアプリで出䌚うような「田䞞さんは医療埓事者だから怖くお䌚えない」ずばい菌扱いするタむプではなかった。感染察策に留意したお店で食事をし、楜しく䌚話をしお解散した。オンラむン飲み䌚同様、創䜜に関わる人たちずは䌚話にも困らなかった。

     その埌、瀧さんずは䜕の進展もなく、たる䞀幎SNSで名前を芋るだけの生掻が続くこずになる。


    #創䜜倧賞2025
    #オヌルカテゎリ郚門

     
     
     
    小説家゚ッセむスト。第10回日本ラブストヌリヌ゚ンタヌテむンメント倧賞・最優秀賞受賞。note創䜜倧賞2025オヌルカテゎリ郚門入遞。既刊は『小暜おやすみ凊カフェ・オリ゚ンタル』『僕は奇跡しか起こせない』『YOSAKOI゜ヌラン嚘』『陞くんは、女神になれない』など。

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