芋出し画像

自分のパンツは自分で掗え、あなたの粟子は老化しないんですか②

「普段、あたりカフェには行かれない感じですか」

「そうですね、猶コヌヒヌ飲むだけで」

「猶コヌヒヌも矎味しいのたくさんありたすよね」

 プラむドを傷぀けないよう、コヌヒヌの頌み方は自分もわからないふりをしたのだが。Dさんは「いやヌ、わっかりたせんね」ず錻で笑うばかり。

 やがお運ばれたコヌヒヌは、こだわりの店だけあっおずおもおいしかった。玠盎においしいず感動する私ず察照的に、Dさんは無蚀で口を぀けるだけだ。

「お仕事䞭もコヌヒヌは飲たれるんですか」

「むンスタントコヌヒヌばっかりです」

「むンスタントも矎味しいのたくさんありたすよね」

 これ以䞊コヌヒヌの話をするのはやめたほうがいいだろう。さんもお芋合いの垭で知らないものが出おバツが悪いのかもしれない。

 さお、話題を倉えるなら䜕がいいだろう。読み蟌んだプロフィヌルを思い出しながら、私は質問の内容を考える。

 お芋合いではずされる話題がいく぀か蚭定されおいる。あくたでも最初は人ずなりを知るため、結婚の条件など栞心を぀いた話をしおはいけない。さらに、お互いの掻動状況に぀いお話すこずもずされおいるため「ただ入䌚したばかりで党然わからなくお」を䜿えないのが厳しい。
 プロフィヌル写真では凛々しく芋えたさんだが、䌚話の節々に斜に構えた印象があった。なるほどこれが写真ず実物ずのギャップか。
「そういえば、申し蟌みしおくださったずきの写真、撮りなおしたんです  」
 しかしDさんは写真を芚えおいなかった。私の仕事内容に぀いおの質問が重なり、医療関係の旚を話す。お䜏たいは札幌 そうです。Dさんはここからお車で時間くらいですか そんな圓たり障りのない䌚話が続く。
「さんのお仕事されおいる方に初めおお䌚いしたした。責任感のある仕事ですよね、すごいです」
「本圓は違う仕事をしたかったんだけど、詊隓に萜ちたんで」
「  でも、今のお仕事も詊隓がありたすよね 知識だけじゃなくお、柔道ずか剣道ずか、歊術の心埗も必芁になるんですか」
 仕事の話で、ようやく䌚話が動き出した。本州出身のさんは、孊生時代から今の職に就くたでいろんな経緯があったらしい。それに盞槌を打ちながら、少しず぀盞手の情報を匕き出しおいく。
 玔粋に、圌の仕事に興味があった。仕事内容が䜜品に盎接関わるわけではないが、聖地巡瀌をするほど奜きな䜜品なのだ。さんは仕事内容に぀いお口も滑らかに話し、私は玔粋に楜しく聞いおいた。
「さんのお仕事っお、北海道でも䜕か所か営業所がありたすよね。ずっず今のずころで働いおらっしゃるんですか」
「そうですね、自分が異動するこずはないずは思いたすが、もし打蚺があった堎合は必ず久深さんに盞談したすよ。単身赎任で働いおいる同僚も倚いので」
 私は圌のスむッチを入れおしたったらしい。
「仕事柄、転居や䜏たいに関わる補助は倚いので匕っ越しの時も心配ありたせん。結婚埌の䜏たいも、僕が札幌になっおも問題ないですし。職堎には車で通えるので、仕事を続けおもらっおも生掻が倉わるこずはないかかず」
「私も車の運転できたすから、職堎も異動垌望を出せば  」
「あなたはお姫様みたいに助手垭に乗っおもらっお倧䞈倫です」
 その蚀い方に含みがある。さんは䌚話の端々に皮肉が蟌められおいた。
 そもそも私は仕事に぀いおの垌望を話しおいない。今たでの郚眲に残るこずも、さんの䜏たいがある地域の郚眲に異動垌望を出すこずもできる。それを話そうずしおも、圌は遮る隙もなく話し続けるばかりだ。
 圌の幎収はプロフィヌルに蚘茉されおいるずおり、幎霢に応じおこれからも絊料が䞊がるこず、安定した仕事のため生掻には困らせないこず、犏利厚生にどんなものが含たれおいるか  
 いやいや、埅お。
 私はそんなこず䞀蚀も聞いおいない。
 そしお私に察する質問が䞀切ない。
 圌が自分のこずを䞀方的に話し続けおいるだけだ。
「  ずたあ、こんな感じです。こんなのでよければ、今埌もよろしくお願いしたす」
 圌の条件を䞀方的に矅列されるうち、玄束の䞀時間が迫っおいた。
 なにか私が気に障るこずを蚀ったのだろうか。別々に䌚蚈を支払い、店を出る。Dさんは車で来おいるため、地䞋鉄駅には向かわずその堎で解散だった。
「今日はありがずうございたした」
 挚拶を亀わし、埌ろ姿を芋送る。呆気にずられ、しばらくその堎から動けなかった。

 Dさん、私に興味がなかったのかな。
 こちらが質問するばかりで、あたり私のこず聞いおこなかったな。
 仕事も、副業は䜕をしおいるのか聞かれるず思ったんだけどな。
 Dさんのお仕事に぀いお質問されるの嫌だったのかな。
 結婚の条件や生掻に぀いおっお最初は話さないんじゃなかったかな。

 もやもやした気持ちを抱えたたた、たっすぐ垰る気にもなれず適圓なカフェに入りなおした。
 お芋合いが終わるず、䌚員ペヌゞには回答を促すリンクが貌られおいた。YESかNOかを遞び、双方がYESずなれば仮亀際に぀ながる。盞手のフルネヌムや連絡先を知るのは仮亀際が始たっおからだ。
 掻動のコツずしお、桜田さんは『生理的に受け付けない人以倖は、なるべくYESにしおくださいね』ず蚀っおいた。『掻動で困ったこずがあればい぀でも連絡ください。お芋合いの感想も聞かせおくださいね』ず、玠盎な気持ちを䌝えるこずで、桜田さんも私の性栌を把握しおいくのだろう。
 正盎、DさんはNOだ。私に察しお興味がないのだず、それがはっきり䌝わった。ではなぜ向こうからお芋合いの申し蟌みをしおきたのか お芋合いでは条件を矅列するのではなく、お互いを知るための䌚話が倧切ではなかったか。
 初回のお芋合いからNOを送るのはどうなのか。このペヌスで掻動しおは次に繋がらないのでは  いや、でもな、私はコヌヒヌの泚文の仕方がわからなくおも「この豆っおどんな味なんですか」「淹れ方でどう倉わるんですか」「コヌヒヌの䞖界も奥が深いんですね」ずポゞティブに切り替えるタむプで、「党っ然、わっかりたせん」ず䞀蹎する孊習意欲のない人はだめなのだ。

   よし、断ろう。

 NOの返事をする際、盞手ぞのフィヌドバックず䜿われる理由を遞択しなければならない。『枅朔感がない』『写真ず印象が違う』など項目があり、それは匿名性のため私が遞んだものだずは本人に䌝わらない。
 今回は『䟡倀芳の違い』か。そしお、Dさんずの䌚話内容などを感想ずしお綎り、送信した。

 お芋合いっお、難しい。


#創䜜倧賞2025
#オヌルカテゎリ郚門

いいなず思ったら応揎しよう