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自分のパンツは自分で掗え〜9、婚掻をしたこずのある者のみが石を投げよ③



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「姉さん、今日はもう倧䞈倫なので䞊がっおください」

 い぀しか私は、埌茩から姉さんず呌ばれるようになっおいた。

「倧䞈倫 蚺察終了たで残れるよ」

「昚日もそう蚀っお最埌たで残っおくれたじゃないですか。今日は定時で䞊がっおください」

 ド繁忙期でも埌茩の指導を続けたおかげで、圌女も頌もしい存圚になっおいた。新卒も定時退勀ずはいえ、私のスパルタ指導を受けおも必死に食らい぀いおいる。残業続きの毎日、埌茩をできるだけ早く垰しおあげようず頑匵った結果、ある皋床䜙裕のある日はこうしお垰るよう促されるたでに育ったのだった。

「じゃあ、お蚀葉に甘えお垰ろうかな  」

 今ならただタクシヌを䜿わずに垰れるだろう。退勀の準備を始めおいるず、䞊長が焊ったように声をかける。

「田䞞さん垰っちゃうの あの子䞀人で倧䞈倫」

「今日はもう難しい仕事もないので倧䞈倫だず思いたす」

「でも、田䞞さんがいないず心配  もう少し残れない」

 䞊長は経隓の浅い職員が残るこずを良しずしおいない。それが私を職堎に瞛り぀ける原因にもなっおいた。

「もし困ったこずがあっおも電話に出れるようにしおおきたすから」

 そう蚀っお退勀埌、䞊長から電話が倚々倚々かかっおくるのだが。それでも早い時間ヌヌ時は過ぎるがヌヌに垰宅できるず身䜓の疲れが違うのだ。私ず䞊長の抌し問答に気づき、埌茩が慌おたように声をかける。

「䞊長。姉さん、週末に甚事があるんですっお。だからその準備のためにも早く垰った方がいいですから」

 週末の飲み䌚が近づいおいる。その日は婚掻最終日ずしお組のお芋合いを予定しおいた。埌茩には盞談所での掻動こそ話しおいないが、私が婚掻を頑匵っおいるこずは知っおいるのだ。

 しぶる䞊長をなだめ、私は埌茩にお瀌を蚀いながら退勀する。月末で新卒の詊甚期間が終わり、月からは勀務時間を延長できるようになるはずだ。ひずり立ちにはただただ時間がかかるが、簡単な業務なら割り振れるようになるだろう。

   ç¹å¿™æœŸçµ‚了たであずもう少し。そう自分に蚀い聞かせながら、私はで日課の『ただ垰れない』を呟いた。

 月の繁忙期が終わったら飛んでやる。

   でも、それをするず埌茩たちが倧倉になるんだろうな。

 私は日々その葛藀をくり返しおいた。

 医療機関は人間関係が泥沌になりがちだが、私のいる郚眲は人間関係が良い。蚪れる患者局も穏やかで、ネチネチずクレヌムを぀けられるこずも暎蚀を吐かれるこずも少ない。数倚の医療機関を経隓した自分にずっお、長時間の残業ず仕事の拘束時間の長ささえなければ良い職堎だずすら思っおいた。

 立぀鳥跡を濁さず。そうしお蟞めたい職堎ではある。

 しかし、身䜓はもう限界だ。゚リアマネヌゞャヌず面談しおも改善される気配はない。䞀日の劎働時間は䌑憩蟌みで時間、そこに埀埩の通勀時間を入れるず時間拘束される日もある。家に寝るだけの生掻、自分の時間はない。

 小説を曞く時間を削られるのがいちばん蟛い。

 でも、瀟䌚人ずしおのけじめもある。

 䜜家ずしおの自分ずずしおの自分が心の䞭で蚀い合いをする日々が続いた。



「ご趣味はスポヌツずのこずですが、具䜓的にはどんな競技がお奜きなんですか」

「サッカヌですね」

「サッカヌ  っお、玳士のスポヌツず呌ばれおたすよね」

「スポヌツはどれも玳士じゃないですか」

 その棘のある口調に、私は笑顔を浮かべたたた心の䞭で舌打぀。

   å©šæŽ»ã‚’頑匵るうち、䜕を蚀われおも笑顔を浮かべ続けるスキルに磚きがかかっおいた。忙しさで枛少しおいく䜓重のおかげで倚少顔もすっきりしたはずだ。目の䞋のクマや肌荒れはファンデヌションの厚塗りで誀魔化したが、結果的にそれで自分の化粧レベルも䞊がったように思う。

 お芋合い䞀件目。さんは開始早々手元の腕時蚈に芖線をやる態床を芋せおいた。

 ああ、この人早く垰りたいんだな。そのしぐさで、私が圌の奜みではないこずを察した。倏らしいショヌトヘアのかわりに、リボンタむの花柄ワンピヌスを着おバランスをずっおいるのだが、婚掻の堎ではロングヘアのほうが受けがいいのだろうずわかっおはいる。婚掻期間䞭は䌞ばす方向にしようずしおいたのに、先日の矎容宀でばっさり切られおしたったのだ。

 奜きなスポヌツはサッカヌです。そう蚀う男性は倚い。元圌にもサッカヌ奜きな男がいたが、ルヌルがわからずワヌルドカップを楜しめない私に文句を蚀うばかりだった。今のプレヌはどうしお ず解説を求めおも鬱陶しそうな態床をされ、それで䜙蚈サッカヌに察する苊手意識がある。

   é‡Žçƒã‚„バスケずは䞀点の重みが違う競技だ。しかし、その䞀点が入るたでの詊合展開を楜しめるほどの知識がなかった。

『サッカヌは玳士のスポヌツ』ずは、ずある敎骚院の男性スタッフが教えおくれたこずだ。斜術を受けながら初心者でもわかりやすく喩えおくれたおかげで、サッカヌ特有のルヌルのしくみになるほどず玍埗したのだが、さんずしおは意味のわからないこずを蚀う女に芋えるのだろう。

 そっちがそういう態床ならもういいか。私はお芋合いを消化詊合のようにこなしおいた。

 仕事の話になれば瀟畜生掻の話題にしかならない。医療業界に関わりのない人はコロナが五類移行になっおもその意味がよくわからないらしい。なんで看護垫でもないのにそんなに残業するの ず、倚忙な盞手に察しお匕いおいるのが䌝わった。共働きだけど家事は女性にやっおほしい、そう願う男性にずっお瀟畜状態の私は論倖なのだ。

 結婚盞談所の掻動ずは、぀くづく条件なのだなず思う。

   ãŠäº’いがお互い、自分にずっお郜合の良い盞手を探しおいる。私も最初のうちは条件で切り捚おるこずに眪悪感を抱いおいたが、盞手偎からぞんざいな扱いをされ続けお心が麻痺しおいた。

 婚掻を頑匵れば頑匵るほど、自分の性栌が悪くなっおいくのを感じる。ある皋床良い幎霢で結婚しおいない男性はやっぱり問題があるんだな、盞談所に登録する時点で恋愛経隓の少ない男性が倚いんだな。ああ、お芋合いでこういう倱蚀をするからこの人結婚できないんだな。盞手を芋䞋す思考が染み付いおいる自分が嫌でたたらない。

 今日が終わればやっず退䌚できる。これ以䞊自分の生掻でストレスを増やしたくない。お芋合いで倱瀌なこずを蚀われおも、だからお前結婚できないんだよず心の䞭で悪態を぀いおも、それが自分に返っおくるブヌメランに自分で傷぀き自家䞭毒を起こすこずもない。

 䞊蟺だけの適圓な䌚話をし、さんずの時間が終わる。今日はお芋合いが二件。これが終われば桜田さんに連絡し、そのたた退䌚手続きに進む予定だった。



#創䜜倧賞2025
#オヌルカテゎリ郚門

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