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💴【令和7年・通勤手当改正】マイカー通勤の非課税限度額が引き上げに!年末調整で何をしたらいいか、元高校教師が整理します

こんにちは。
元高校数学教師、今は税理士事務所で事務員をしているバッツです。

年末調整の季節になると、
「保険料控除だけでも大変なのに、今年は通勤手当まで改正って本当…?」
という声が、事務所でもチラホラ聞こえてきます。

令和7年11月、国税庁から
「通勤手当の非課税限度額の引上げについて」
というお知らせが出ました。

しかもこの改正、

  • マイカー・バイク・自転車通勤の人の非課税限度額がアップ

  • 令和7年11月20日施行だけど、
    令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当にさかのぼって適用

  • だから、今年(令和7年分)の年末調整で精算が必要になることがある

という、ちょっとややこしい内容です。

この記事では、

  • どこがどう変わったのか

  • 誰に影響があるのか

  • 年末調整で事務員さんは何をすればいいのか

を、「元数学教師」の視点で、式と図解をイメージしながらステップで分解してお伝えしていきます。


第1章:「一言でいうとどんな改正?」を15秒でつかむ

まずは結論から。

マイカー通勤など“交通用具”で通う人に支給する通勤手当の非課税限度額が、距離に応じて引き上げられました。
電車・バス通勤の人の上限「月15万円」はそのままです。

さらにポイントを3つだけ挙げると:

  1. 対象はマイカー・バイク・自転車通勤
    通勤距離が10km以上の区分で、非課税枠が広がります。

  2. 電車・バス通勤のルールは変更なし
    「合理的な運賃等の額(上限15万円)」は従来どおり据え置きです。

  3. 令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当に遡及適用
    4〜11月給与を旧ルールのまま計算していると、年末調整で差額精算が必要になります。


第2章:通勤手当の「非課税」の仕組みをざっくりおさらい

まずは土台となるルールを、ざっくり整理しておきます。

2-1. 通勤手当の非課税は大きく4パターン

国税庁の通勤手当の取扱いでは、非課税になるケースはだいたい次の4パターンです。

  1. 電車・バス・有料道路などの交通機関を利用
    → 「1か月当たりの合理的な運賃等の額(上限15万円)」まで非課税。

  2. 自動車・バイク・自転車などの交通用具を使用
    → 片道の通勤距離に応じて、月額の非課税限度額が決まる。

  3. 定期券・ICカードチャージなどを支給する場合
    → 1か月当たりの合理的な通勤費相当分(上限15万円)まで非課税。

  4. 交通機関+マイカー併用
    → 交通機関分+マイカー分の合計が、「合理的な通勤費(上限15万円)」の範囲内なら非課税。

2-2. 今回の“主役”はこの②だけ

今回の改正で数字が動いたのは、上の②の「マイカー・自転車通勤」部分だけです。

  • 電車・バスのみの人 → 上限15万円のまま(改正なし)

  • 混合通勤(電車+マイカー)の「電車部分」 → 上限15万円のルールはそのまま

  • 混合通勤の「マイカー部分」 → 距離区分に応じた限度額だけが今回引き上げ

「通勤手当が全部変わる」というよりは、
マイカー等通勤の“距離別テーブルだけがアップデートされた」とイメージしてもらうとラクです。


第3章:どれくらい上がる?距離別「新・非課税限度額」早見表

では、具体的な数字を見てみます。

国税庁のタックスアンサー「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」が、改正後の表をすでに反映しています。

3-1. 改正前後の比較表(マイカー・自転車通勤)

出典:国税庁「マイカー・自転車通勤者の通勤手当」および改正解説

3-2. 事務員さん目線で「ここだけ押さえる」

  • 2km未満 → 元々全額課税、変更なし

  • 2〜10km → 4,200円で変更なし

  • 10km以上の区分はすべて非課税枠が拡大

  • 特に遠距離(55km以上)は、31,600円→38,700円と増加幅が大きい

つまり、

「片道10km以上でマイカー通勤している人が、今回の改正の直接の対象」

と覚えておくと、対象者の洗い出しがグッと楽になります。


第4章:いつから新ルール?「4月にさかのぼる」が重要ポイント

4-1. 施行日と適用対象

ここで出てくるキーワードが、

「支払われるべき通勤手当」

です。

4-2. 「支払われるべき通勤手当」とは?

国税庁のQ&Aでは、次のように説明されています。

  • 就業規則や給与規程で支給日が決まっている場合
    → その規程上の支給日ベースで「4月1日以後かどうか」を判断

  • 支給日が決まっていない場合
    → 実際に支給した日で判断

4-3. 新限度額が適用されないパターン

国税庁リーフレットでは、次のような通勤手当は旧限度額のままとされています。

  1. 令和7年3月31日以前に支払われた通勤手当

  2. 令和7年3月31日以前に支払われるべき通勤手当で、同年4月1日以後に支払われたもの

  3. 上記(1)(2)に係る通勤手当の差額として追加支給されるもの


第5章:年末調整で何をする?5ステップで整理

ここからが、事務員さんにとって一番大事なところです。

「今年の年末調整で、どこを見直して、どう直せばいいか」

を、5つのステップに分けてみます。

ステップ①:対象者をリストアップ

  • 対象になるのは、
    「片道10km以上をマイカー・バイク・自転車で通勤している人」です。

  • 通勤届・通勤経路申告書・就業規則の書類から、

    • 通勤手段

    • 片道距離
      を確認し、対象者だけピックアップします。

(電車・バスのみの人は、今回の改正による影響はありません「15万円上限据え置き」です。)

ステップ②:4月以降の支給額と距離区分を確認

対象者ごとに、

  • 令和7年4月支給分以降の通勤手当の月額

  • 片道距離(10〜15km、15〜25km…のどこか)

を整理し、
「支給額」と「改正後の非課税限度額」の大小を比べます。

  • 支給額 ≤ 改正後限度額
    → 原則、全額非課税にできる

  • 支給額 > 改正後限度額
    → 限度額超過分は課税(ここは従来どおり)

ステップ③:これまでの処理との差を月ごとに計算

多くの会社では、4〜11月分を旧限度額のまま給与ソフトで処理しているはずです。

そこで、各月について:

本来の非課税額(新限度額) − 実際に非課税扱いした額(旧限度額ベース)

を計算します。

  • プラスになれば → その分だけ課税しすぎていた可能性

  • ゼロ・マイナスなら → 影響なし、またはむしろ課税不足(※レアケース)

この「月ごとの差額」を4〜11月分で足し合わせると、
「その人について、年間でどれだけ所得税を取りすぎていたか」が見えてきます。

ステップ④:年末調整で源泉所得税を精算

差額が出た人については、年末調整で次のように処理します。

  • 本来非課税にできる通勤手当を、
    「給与総額から除外」&「源泉徴収税額を再計算」

  • その結果、源泉所得税が取りすぎだった分は還付

  • 源泉徴収簿にも修正後の金額を記載(国税庁は記載例PDFも公表)

ステップ⑤:給与ソフト・社内規程のアップデート

最後に、

  • 給与ソフト・クラウド給与サービスの
    「通勤手当非課税限度額マスター」を新テーブルに更新

  • 社内の「通勤手当支給規程」が、

    • 実際の片道距離

    • 新しい非課税枠
      と整合しているかチェック

をしておくと、令和8年以降は通常運転で回せるようになります。


第6章:数値例でイメージをつかむ(片道20kmのAさん)

ここで、ざっくりしたケースを1つ。

Aさん:片道20kmをマイカー通勤
会社の通勤手当:月13,000円
4〜11月まで同じ金額を支給

6-1. 改正前・改正後の限度額

  • 片道15〜25kmのマイカー通勤

    • 改正前限度額:12,900円

    • 改正後限度額:13,500円

6-2. 従来の処理(旧限度額ベース)

  • 会社は4〜11月まで、
    「12,900円を非課税、100円を課税」として源泉徴収しているイメージです。

  • 8か月分で見ると:

    • 課税されていた通勤手当合計:100円 × 8か月 = 800円

6-3. 本来どうなるべきだったか(新限度額ベース)

  • 改正後の非課税限度額は13,500円

  • Aさんの支給額13,000円は、そもそも全額非課税でよかったことになります。

→ つまり、4〜11月の合計800円については、
 本来は課税しなくてよかったことになり、
 その分の所得税を年末調整で還付する、という流れです。

※実際の還付額は、その人の所得税率や扶養状況などで変わりますが、
「通勤手当の一部を給与扱いにして課税していた分が戻ってくる」というイメージでOKです。


第7章:現場から出そうなQ&A

Q1:電車通勤の社員も、今回の改正の対象になりますか?

A:いいえ、基本的にはなりません。

電車・バス・有料道路などの交通機関利用者については、
「合理的な運賃等(上限15万円)」というルール・金額とも改正前と同じです。

Q2:全員の通勤手当を4月から全部計算し直さないとダメですか?

A:対象者だけでOKです。

具体的には、

  • マイカー・バイク・自転車通勤で

  • 片道10km以上で

  • 令和7年4月以後も通勤手当が支給されている人

に絞って再計算すれば足ります。

Q3:通勤手当の支給額自体を増やさないとダメですか?

A:いいえ、「法律上の義務」ではありません。

今回変わったのはあくまで「税金上の非課税として認める上限額」です。
実際に支給額や社内規程をどうするかは、会社の判断になります。

Q4:年末調整で対応し忘れたらどうなりますか?

A:原則は年末調整で対応しますが、もし漏れがあった場合、
社員本人の確定申告で是正することも可能です。


第8章:まとめとチェックリスト(3つだけでOK)

最後に、事務員さん目線の「やることリスト」を3つに絞ります。

✅ チェック1:対象者を特定したか?

  • マイカー・バイク・自転車通勤

  • 片道10km以上

  • 令和7年4月以後も支給がある

この3条件に当てはまる人のリストアップ。

✅ チェック2:4〜11月分の通勤手当を新限度額で再計算したか?

  • 各月の非課税枠と実際の処理を比較

  • 「本来非課税にできたのに課税していた」部分がないか確認

✅ チェック3:年末調整と給与ソフトの設定を直したか?

  • 源泉徴収簿・年末調整計算に反映

  • 給与ソフトの「通勤手当非課税限度額テーブル」を新ルールに更新


おわりに:一人で抱え込まないで大丈夫です

年末調整の時期は、とにかく「時間との勝負」になりがちです。
そんな中で、急に「通勤手当の非課税限度額が変わりました」と言われると、
思わず「もう勘弁して…」と言いたくなる気持ち、すごくよく分かります。

でも、数学と同じで、
「誰が対象か」「どこを直すか」を分解してしまえば、作業そのものは足し算と引き算の世界です。

もし迷ったときは、
一人で抱え込まず、顧問税理士さんや社労士さん、給与ソフトのサポートも遠慮なく頼ってくださいね。


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