
「海底カフェの相談屋さん」:海中散歩の休憩所 思考のミルメルシィカフェへようこそ!【第61話:リスクヘッジ】
【第61話:リスクヘッジ】
本当に困りました。
彼がぼくよりも弱ければ武力行使も可能でしたが、正直に言って彼はぼくよりも圧倒的に優れている。
どこかの国の特別な人魚”メロウ”。男性体は見にくいとされ嫌われていますが、彼は一切そんなそぶりがない。
左腕にはメロウの特徴のひとつ紅い好きんが巻かれている。
「ぼくは、ぼくたちは争いごとを望みません。荒らされたくないのです。人間と関わりたくないのです。その意思や主張を受け入れてもらえますか?」
「もちろんだ!オレたちもブッソウなことはできるだけしたくないからな!」
ほんっとうに困りました。
これで彼をアトランの街に招待しない理由がなくなりました。
「……時にその、相棒や海洋魔物はどちらにいらっしゃるのですか?」
「今はいないぜ。オレの単独。あいつらの住処の候補地探しはオレひとりで十分だ」
「ひとつ条件を出しても?」
「聞くだけ聞くぜ」
「正直、今からあなたを街に招待することに抵抗があります。ですので、ぼくの魔法をあなたにかけて街の住人には秘匿させていただきたい」
「へぇ……あんたそんなことできんの?オレも今日はあまり話す気分じゃないし構わないぜ」
「わかりました。それではぼくがあなたに魔法をかけます。周りから視認されなくなり、音や匂いも消えます。声を出してはいけません。よろしいですか?」
「おっけ。いつでもいいぜ」
ぼくは彼に魔法をかけて、2人で透明になりアトランの街に向かった。
▽第62話 久しぶりのお留守番