非エンジニアのマーケターが、自分専用の音声入力アプリを作った話
話し終わるまで文字が出てこない。音声入力のこの小さな不満が、ずっと気になっていました。
エンジニアではない私が、AIと一緒に「話したそばから文字になる」音声入力アプリを自分で作った話です。
結論から言うと、12秒話したときに最初の文字が出るまでの時間は、12.35秒から1.24秒になりました。
困っていたこと
私は仕事の指示や文章の下書きを、ほとんど音声入力でやっています。キーボードより速いし、考えながら話せるからです。
ただ、使っていた音声入力アプリには1つ不満がありました。話し終わるまで、画面に何も出てこないのです。
10秒、20秒と話している間、画面は空っぽのまま。話し終わってから、まとめて文字が出てきます。
これが地味にきつい。今どこまで話したのか分からなくなって、考えが途切れます。

作ったもの
そこで、自分専用の音声入力アプリを作りました。できることはシンプルです。
キーボードの左の⌘キーを2回たたくと、聞き取りが始まる
話しているそばから、カーソルの位置に文字が入っていく
言い直すと、AIが入れた分だけ消して書き直してくれる
画面の下には、音量のメーターだけが小さく出る
測ってみると、12秒話したときに最初の文字が出るまでの時間は、こう変わりました。
以前:12.35秒(=話し終わってから)
自作:1.24秒

作り方
使ったのは、Claude Code というAIです。文字で指示すると、パソコンの中で実際にプログラムを書いて、動かしてくれます。
最初に渡したのは、「欲しい機能」ではなく不満のリストでした。
今使っている音声入力アプリの不満:
・話し終わるまで文字が出ない
・反応が遅くて、考えが止まる
・これまで育ててきた単語の辞書は捨てたくない
・できれば無料で、パソコンの中だけで動いてほしい
すると AI が、「今のアプリは、録音が終わってからまとめて文字にする仕組みなので、原理的に待ちが出ます。Mac に最初から入っている音声認識の仕組みなら、話しながら少しずつ文字にできます」と、原因から説明してくれました。
ここが一番大きかったところです。私は「遅い」としか分かっていなかった。AIは「なぜ遅いのか」を分かっていた。 原因が分かれば、何を作ればいいかが決まります。
コードは全部で1,200行ほどありますが、私が自分で書いた行はほぼありません。
つまずいた所と、どう越えたか
1. 作ったのに、やっぱり遅い
最初にできたものは、仕組みを変えたのに、まだ話し終わるまで文字が出ませんでした。
AIに「まだ遅い。話し終わるまで何も出ない」とそのまま伝えると、原因を調べて、「途中経過を出す設定が1つ抜けていました」と直してくれました。この1行で、12.35秒が1.24秒になりました。
「どう遅いのか」を具体的に伝えると、AIは原因までたどり着けます。「なんか遅い」だけだと、的外れな直し方をされがちです。
2. 起動のキーが効かない
最初は「⌥(option)とスペース」で起動する設定にしていました。ところが、日本語入力のときにこれを押すと、ただの半角スペースが入ってしまう。
これも AI に症状をそのまま伝えて、「左の⌘を2回たたく」に変えました。コピー(⌘C)や貼り付け(⌘V)を続けて押したときに誤作動しないよう、「他のキーを押していない、短い1回」だけを数える工夫も入っています。これは私が考えたのではなく、AIが先回りして入れてくれたものです。
3. 誤変換が、毎回同じ
音声入力では、同じ言葉を何度も同じように間違えます。私はこれを手で直すのをやめました。
AIと会話していて誤変換を見つけたら、AIがその場で辞書に登録する、というルールにしています。辞書は3秒ごとに読み直されるので、登録した言葉はすぐに効きます。使うほど、自分の言葉に強くなっていく音声入力になりました。
真似するなら、最初の1歩
いきなりアプリを作らなくても大丈夫です。まずは、毎日使っている道具の不満を5つ書き出して、AIに渡してみてください。
私は毎日〇〇を使っています。不満は次の5つです。
これを解決する方法を、私でもできる順に3つ教えてください。
設定を変えるだけで済むこともあれば、「それなら自分用に作れますよ」と返ってくることもあります。どちらにしても、不満のリストが、そのまま設計図になります。
ツールは探すものから、作るものになりつつあります。エンジニアでなくても、です。
takibi|エンジニアではないマーケターが、AIで仕事の面倒を自動化している記録を書いています。X:@takibi_mktg
