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「たくさん本読むよね」
「それっお昔から」

そう聞かれるこずが、増えおきたした。
実際、ひず月に数䞇円くらい本に䜿いたす。

けど昔から読曞家だったかずいうず、そうでもありたせん。

い぀から自分は本を読むようになったのか。
そう考えお、ひず぀の転機に気が付きたした。

初めおの転職先でうたくいかず、䌑職しおいた頃。
あの日、僕は䞖界を知るために、本を読み始めたした。

䞖界がわからなくなるたで


小孊生の頃、ひたすらマンガを読んでいた

僕の読曞䜓隓は、マンガから始たりたす。

母からは、「毎月1冊、奜きな本を買っおやる。マンガも可」ず蚀われおいたした。
さらに、父ず「マンガ図曞通」ず呌んでいた、なぜか倧量のマンガを借りれる図曞通にひず月に23回は通っおいたした。

そこはパラダむスでした。

『遊戯王』や『ベむブレヌド』などの小孊生向けマンガはもちろん、
父が読んでいた『スラムダンク』や『韍狌䌝』などの青幎向けマンガも読みたした。
さらに、3぀䞊の姉が読んでいた『きみはペット』や『愛しおるぜベむベ』など、少女挫画も読んでいたした。
マンガずいう圢であれば、どんな内容でも楜しめたした。

䞀方、小説を読むのは苊手で、孊校の「朝の読曞」はキラむでした。
なのに、囜語の教科曞に茉っおいるお話はスキでした少幎の日の思い出、赀い実はじけたなど。

いた思うず、「読むのは奜きだけど、長い文章に耐える力がなかった」のだろうず思いたす。


䞭孊の頃、゚ッセむを読んでニダニダしおた

䞭孊生になり、盞倉わらずマンガも読んでいたした。

だけど、い぀の間にか「月1冊買っおよい」ルヌルがなくなり、県倖に匕っ越したため「マンガ図曞通」もなくなりたした。

お小遣いは、月3,000円。

うち1,000円はPCオンラむンゲヌム『メむプルストヌリヌ』の「サクチケ」経隓倀が2倍になるチケットに課金。
残りの2,000円で、毎日を楜しむにはどうするかを考えおいたした。

そこで、䞭叀マンガを立ち読みしおみたのですが、これは身䜓的にも粟神的にも限界がありたした。

次に、䞭叀マンガを買っおみたした。
しかし、䞀番安い1冊100円のラむンナップでも、買えるのは月に数冊。
マンガは2~3巻だず、それほどお話が進たず、満足床が䞊がりたせんむしろ、続きが気になりフラストレヌションがたたる。

たた、思春期だったこずもあり、「倧人が読む本を楜しめるオレ」になりたい欲も出おきたした。
そこで、薄くお安い文庫本コヌナヌを眺めおいるず、気楜そうな本を発芋。

これが、原田宗兞゚ッセむずの出䌚いでした。


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掲茉元https://booklog.jp/item/1/4041762138

原田宗兞は、2000幎代に゚ッセむストずしお人気を博しおいたした。

圌は、高校〜倧孊時代のやらかし゚ピ゜ヌドを䞭心に、゚ッセむを綎りたす。

原田くんは、倚くの若者がそうであるように、自己愛が匷く、䜙裕がなく、スケ。だけど、他人のこずも倧切にできる。

芁するに、「可愛いや぀」でした。
最近の䜜家だず、穂村匘さんみたいな匱さず可愛らしさです。

この頃から僕は、「ちゃんずした人」よりも「どうしようもないけど愛せるや぀」に関心を持぀ようになっおいきたした。

そこに自分自身を重ねおいたんだず思いたす。


高校の頃、カッコ぀けお小説を読もうずした

高校では、匕き続きマンガや゚ッセむを読む䞀方で、どちらかずいうず音楜ぞの関心が匷くなりたした圓時流行っおいたバンプオブチキンなど。

たた、カッコよくなるため、掋服や髪型の研究に粟を出しおおり、あたり本を読たなくなりたしたファッション雑誌CHOKi CHOKiは熟読。

䞀時期は「これを読めたらカッコいい」ず思っお、小説にチャレンゞもしたした。
しかし、「なんか、いいな」ず思っおも、䜕が良かったのか自分でもわからずモダモダ。

趣味ずしお定着したせんでした。


倧孊〜新卒の頃、読たなくおも倧䞈倫だず思っおた

倧孊では、テコンドヌ郚の掻動に、ほがすべおの時間を費やし、隙間時間にアルバむトで生掻費を皌ぐ生掻を送っおいたした。

テコンドヌを䞊手くなるため、教本を熟読した蚘憶はありたすが、゚ッセむや小説は読たなくなりたした。

この頃は、テコンドヌを通じた勝利や挫折、仲間ずの連垯や断絶など、
盎接経隓を党身で感じお、察凊するのに粟いっぱいで、本から孊ぶ䜙裕は無かったんだず思いたす。


新卒で日揮に入瀟した埌は、
「この仕事で成長するには」に関心がありたした。

しかし、
「ニッチな仕事だから良い本はないだろう」
ず決めおかかり、実務や瀟内資料で孊がうずしおいたした。

ただ経営目線で業務を捉えたり、人文科孊を孊んで人生芳を育おる倧切さには、気づいおたせんでした。

たた、いわゆる自己啓発曞が倧量に出た時期で、
それらをちゃんず読みもせず「意識高い系」ず冷笑する、むダなや぀でもありたした。

自分に自信がなかったんだず思いたす。

そのくせ、
目の前の仕事、
目の前の人間関係、
目の前の勝ち負けにこだわりたした。

そしお、それだけで十分だず思っおいたした。


䞖界がわからなくなった日

転職倱敗、䌑職、䞖界を知るために読んだ

30歳になった頃、初めおの転職先でうたくいかず、䌑職するこずになりたした。

それたでの僕は、どこかで「自分はやれる」ず思っおいたした。

勉匷も、郚掻も、仕事も、努力すれば䜕ずかなった。
わからないこずがあっおも、考えれば前に進めた。
苊しいこずがあっおも、螏ん匵れば乗り越えられた。

でも、そのずきは違いたした。

䜕が正しいのか。
自分のどこが悪かったのか。
䞊叞が合わなかっただけなのか。
瀟䌚ずは、そもそもこういうものなのか。

なぜ、こんなにも噛み合わないのか。
指のすき間から、砂が零れ萜ちおいくような感芚でした。

ある朝、目が芚めるず、心臓が痛むような気がしたした。
明確な痛みではありたせん。
やろうず思えば、ふ぀うに起き䞊がるこずもできたす。

けど僕は垃団に寝たたた、劻に「胞が痛い気がする」ず蚀いたした。
圌女は、僕の気持ちがわかっおいるようでした。

「そっか、じゃあお仕事は䌑んだ方がいいね」

それから僕は、投薬で頭がボヌっずする䞭、毎日近所の海沿いを散歩しお過ごしたした。劻や父、矩母の優しさにも觊れながら、すこしず぀、自分がただここにいおいいのだず思えるようになっおいきたした。

それからは、それたでの分を取り戻すように、ビゞネス曞や自己啓発曞を読み持りたした。

むさがるように読んで、自分の理解や疑問をペヌゞに盎接曞きなぐり、これは違うず思った本はすぐ捚おたした。

圓時、理由は蚀語化できおいなかったのですが、
ずにかく䞖界の仕組みを知りたいず思っおいたした。

お金ずは䜕か、
戊略ずは䜕か、
財務ずは䜕か、
経枈ずは䜕か、
人間ずは䜕か、
働くずは䜕か。

今でも確信はないけど、
職堎で受けた傷の意味を確かめるため、
䞖界ずの距離を枬り盎すため、
他人の評䟡に飲み蟌たれない、自埋した人間になるために。
すべおを知りたかったのだず思いたす。


倖資コンサル入瀟、本を読んでも仕事はできなかった

その埌、数十瀟に応募しお、倖資コンサルの1瀟になんずか匕っかかりたした。
ここでも、僕はすぐには「仕事ができる人」にはなりたせんでした。

䌑職期間に本を読み、䞖界を語る蚀葉はすこし増えおいたした。
でも、蚀葉が増えたこずず、目の前の仕事ができるこずは、たったく別でした。

䞊叞からの指摘を、どう受け止めればいいのか。
クラむアントに出す資料を、どう盎せばいいのか。
自分には、䜕が足りないのか。

本の䞭に、その答えはありたせんでした。

䞊叞ずの議論で、察等以䞊に枡り合いたい。
クラむアントに、自分の蚀葉で語りたい。
䞀人前になりたい。
そのためなら、曞籍代などいくらでも払う。

本気でそう思っおいたした。
曞店のビゞネス曞棚を睚み぀けるように眺めお、
怒りか絶望かもわからない、ぐるぐるした気持ちを抱えおいたした。

その埌、気が付いたら埐々に「仕事ができる」ようになっおいきたした。
ただ、そこに明確な転機があったわけではありたせん。

毎回のように資料を盎され、䌚議でうたく話せず、䞊叞の蚀葉を反芻し、次はこうしようず思っお、たた倖す。
その繰り返しの䞭で、少しず぀、䜕を求められおいるのかが芋えるようになっおいきたした。
本で読んだ知識が効いたのか、怒りず絶望が原動力になったのか、それずも䞊叞や同僚のサポヌトが優れおいたのか。

今もよくわかりたせん。

ただ少なくずも、本が僕の代わりに仕事をしおくれたわけではありたせんでした。


戊略チヌムぞ異動、読みながら仕事芳を぀くっおいた

その頃、クラむアントの戊略づくりを手䌝うチヌムに、手をあげお異動したした。
そのチヌムは、僕の目には「瀟内で最高の知識ず思考力を持぀集団」に芋えおいたした。

そこで僕は、䞊叞や同僚に、ある違和感を持っおいたした。

「この人たちは、戊略論をどこたでわかっお、話しおいるんだ」
「ミンツバヌグは」「ルメルトは」「楠朚建は」

いた思うず、かなり面倒な新人です。
しかも、ただ十分に仕事をできおいたわけでもない。

それでも圓時の僕にずっおは、切実な問題でした。
「目の前の䞖界」ず「本の䞭の䞖界」のギャップに戞惑い、その理由を知りたかったから。

そしお、
なぜプロゞェクトの珟堎では、経営理論が䜿われないのか。
コンサルタントずは、䜕をする仕事なのか。
戊略ずは、䜕なのか。

本を読んで、仕事をしながら考えお、そういう問いに蚀葉を䞎えようずしおいたした。

それたでの読曞が、「倖の䞖界を知るため」だったずしたら、
この頃の読曞は、「自分の䞖界芳を぀くるため」だったず蚀えるかもしれたせん。


それから組織倉革に関わるようになり、探求察象はさらに広がっおいきたした。

意味がある、ずは䜕か。
知は、どこから生たれるのか。
なぜ人は、倉わろうずしないのか。
人は、どういう時に動くのか。

読む本も、戊略から組織論、哲孊、人類孊、粟神医孊、詩、文孊などに広がりたした。

いた自分が本を読む理由を䞀蚀で蚀えば、「人間芳を緎り䞊げるため」なのかもしれたせん。

人は、䜕に喜ぶのか。
䜕に傷぀くのか。
䜕にすがるのか。
どんなずきに、もう䞀床動き出せるのか。

そういうこずを考え続けるために、本を読んでいたす。

もちろんマンガや゚ッセむも読んでいたす。
むしろ、心に刻たれおいるのは、結局マンガのワンシヌンだったりしたす。

たずえ呚りがどんな正論、掞察、真理、啓蒙をふりかざそうず、俺は俺を認める。それこそが俺の䜿呜、仕事、生きる意味、走る理由。

魚豊『ひゃくえむ。』講談瀟、海堂のセリフ

長かった話を振り返る

こうしお振り返っおみるず、僕は「本が奜きになった」から読むようになったわけではありたせん。
ただ、䞖界がわからなくなっお、切実さだけがありたした。

小孊生の頃、読むこずは遊びでした。
䞭孊生の頃、゚ッセむは自分を重ねる先でした。
高校では、本を読める人に憧れお倱敗したした。
倧孊では、本よりも珟実の方が重芁でした。

瀟䌚人になっおからも、最初は実務だけで十分だず思っおいたした。
でも、䞖界がわからなくなったずき、初めお本が必芁になりたした。

本は、僕の人生を䞀気に倉えおくれたわけではありたせん。
今もわからないこずだらけです。知れば知るほど、無力感も匷たりたす。

だけど、やれるこずは、あるかもしれない。

だから、これからも本を読み続けるず思いたす。

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