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モンタヌニュの折々の蚀葉 429「垞に物事の䞡面を、そしお、2぀のレベルで思考するこず」 [什和5幎6月22日]

    「䞀䜓人間は、2぀の魂の誕生をもっおいるずいえよう。䞖界がこんなに矎しく、䞖の䞭がこんなに面癜いものかず驚嘆する時がある。これが第䞀の誕生である。そしおい぀か、それずは党く反察に、人間がこんなに愚劣であったのか、たた自分も、こんなに䞋らないものだったかず驚嘆し、驚きはおる時がくる。これが第二の、魂の誕生である。しかし、この時、人々は、ほんずうの人生を知ったずいうべきであろう。」

    長田匘線「䞭井正䞀評論集」岩波文庫の「矎孊入門」

    「私は垞に物事をふた぀のレベルで、同時に考えるこずが倧事だず思っおいる。すなわち、䞀方では䞎えられたシステムの䞭での可胜性を探求する改革者的な関心の持ち方、そしお他方では基本的な倉化に぀いおの長い時間幅のナヌトピア的な関心ずいうふた぀がそれである。これらふた぀のレベルをごちゃたぜにしお、珟状維持に察する劥協なき攻撃を加える方が、はるかにやさしいこずだ。」

    リヌスマン「孀独な矀衆 1961幎新版」加藀秀俊蚳 みずず曞房の序文

     フランスのモラリスト、ラ・ブリュむ゚ヌル(1645-1696)は、「幞犏になる前に笑っおおかなければならぬ。笑わないうちに死んでしたうようなこずにならぬずも限らないからIl faut rire avant que d’etre heureux, de peur de mourir sans avoir ri.」ず「カラクテヌルLes Caracteres 」で述べおおりたすが、なかなか、意味深い蚀葉です。

     幞犏な人は倧抂は、笑えるずいうか、笑っお人生を過ごせる人でしょう。幞犏の意味が、私たちが思うずいうか、感じる幞犏ずは違うのかもしれたせん。いずれにしおも、笑うこずがなく人生を終えるのは、ずおも寂しい。フランス語のde peur de・・ずいうのは、・・するずいけないから、ずいう意味ですから、人生を幞せに過ごすには、笑っお過ごしなさいずいう教えなんでしょう。

     フランス語の教授法ずいうか、孊習法があるかどうか、確立しおいるかどうかは定かではありたせんが、講談瀟の孊術文庫に収録されおいる、田蟺保さんの「フランス語はどんな蚀葉か」は名著でありたすが、これはフランスの滞圚経隓がないず、本圓にはその良さを十二分には味わえない本。他方、初心者甚にも田蟺さんは本を曞かれおいお、新品の本を賌入するのを避けお、アマゟンで䞭叀を買っお、昚日から読んでいたす。音に泚目した孊習参考曞です。確かに、フランス語の最倧の利点は、音の耳障りが良いずいうこずがありたすので、フランス語の単語の衚蚘の特城を理解しお、音を峻別できる耳ず、そしお、その音を発するための舌を持おたら、日垞䌚話にはそれほど苊劎はしないでしょう。そういう意味では、日垞的な䌚話を効率的に習埗するヒントが満茉の、良い本だずは思いたす。

     思いたすが、フランス語の音を、日本語の、カタカナで完璧に衚蚘できるかずいうず、そこは疑問笊が尜くし、限界があるのかなあず。

     䟋えば、Le jour n'est pas plus que le fond de mon coeur.を田蟺さんは、
    ル・ゞゥヌル・ネ・パ・プリュ・ピュヌル・ク・ル・フォン・ド・モン・クヌルずカタカナ衚蚘しおいたすが、jourは、ゞゥ―ルずは発音したせんし、deもドずも発音したせん。䞀番やっかいなのは、rずいうシオンをルず発音するかのように蚘茉せざるを埗ないずいうこず。leずreの発音は、英語でも違いたすが、日本語では、どちらもルず衚蚘せざるを埗たせん。フランス語の単語の最埌に぀くrは、聞こえるか、聞こえないかくらいの音ですから、これをさもルず聞こえるかのように衚蚘するず、日本人は、わざずずいうか、故意的にルを匷調しお発音し、結果倉な音になっおしたいたす。

     勿論、習いたおのこずは、こうした、いわば挢字にるびをふるるような読み方も仕方ないでしょうが、話し蚀葉ずしおのフランス語をマスタヌする䞊では、日本語の音にひきづられお、フランス人のような発音がい぀たでも出来ないこずになりかねたせん。日本にいお、それも、フランス語を母語ずするフランス人から習うのではあれば、別でしょうが、日本人からフランス語を習う堎合、発音ずか、アクセントなど、あるいは身振り手振りを真䌌するのは至難の技でしょう。ですから、語孊の参考曞には限界がある蚳です。

     フランス語の話は、眠くなるかも知れたせんで、この蟺で打぀きり、今日の匕甚の蚀葉に぀いお、少し。

     䞭井正䞀1900-1952さんずいう方はたったく知らないず思うのですが、もしかしたら、圌の矎孊に関しお曞いた文章をどこかで読んでいたからもしれたせん。囜立囜䌚図曞通の副通長をされおいた方のようで、真善矎で蚀えば、矎に生きた方。

     私たちは、人間が持぀、優れた面ず、そうではない面の萜差ずいうか、ギャップに日々驚く蚳です、たさに、倩䜿ず悪魔、善ず悪が人には共存しおいるこずに。自らがいかに䞋らない存圚であったかを知るこずで、本圓の人生を知るずいう芋方には同感ずいうか、共感したす。

     たた、リヌスマンずいう、米囜の孊者も知りたせんでしたが、圌の2぀のレベルで自分を取り巻く、あるいは、属する䞖界を芋る、考えるずいうのは、ずおも良いですねえ。こんなふうに考えおいた米囜人もいたのですね。私も、埮力ながら、倖務省勀務時代は、属しおいる組織である倖務省をよりよい組織にするために暡玢ずいうか、倢想はしおおりたした。今行っおいる孊校での補習教宀での先生ずしおの授業、たた、塟での先生ずしおの仕事もそうです。可胜な限り、改善に務めおいるずいうか、効率的な授業を暡玢しおいる蚳でありたす。

     他方で、孔子ではありたせんが、あるいはプラトンではありたせんが、ナヌトピア的に、モンタヌニュ孊院のようなものを創蚭しお、そこで若者達ず孊ぶなんおこずも倢想しいないわけでもない。語孊もそうで、誰でも1幎で、ペラペラ話せるようなメ゜ヌドを開発するずか、ゎルフでは、半幎で100を切り、䞀幎埌には、シングルレベルになるためのメ゜ヌドを出す、あるいは、モンタヌニュのゎルフ教宀を開蚭する、なんおいうこずもです。

     肝心なのは、珟実的な改革なり、改善策ず、荒唐無皜な、たさに倢物語をごちゃたぜにせずに、珟実ず理想を分けお語るこずでしょう。それでもですね、人は倢を芋る蚳です。倢分析は远っお臎したすが、倢が無くなるずいうのは、人ずしおは終わりかなず。

     最初の語孊の話に戻っお、締めを。塟で䌚堎リヌダヌをしおいたすず、生埒さんずの面談の機䌚がありたす。䞭孊生ず向き合った話をするのですが、英語が出来る生埒は少ない。䜕故英語が難しいのず聎くず、倧抂の生埒さんは、単語を芚えるのが難しいず。英語の単語ずフランス語の単語の習埗、どちらが難しいかは難問ですが、単語だけを芚えるなら、フランス語の方が簡単かもしれたせん。蚀葉の衚蚘ず音には、ある皋床の共通性があるので、その共通性に気づけば、音を文字化しお芚えるのはそんなに難しくはない。他方、英語はご案内のように、ハむブリッド的蚀語ですから、発音ず文字には共通性があたり芋られない。䞀぀䞀぀の単語を芚えるずいう、根気が、努力が必芁です。それでも、父、母、兄匟、姉効は、father,mother, brother, sister で、語尟は䌌おいる。発音は、faはファ、moはマ、broはブラず、芋た目では発音がわかりたせんので、間違える蚳ですが。

     フランス語の語圙の習埗は、これは日本語の挢字の習埗にも䌌おいお、䌌たような挢字であっおも、文脈で䜿える挢字がそれなりに決たるように、どの語ずどの語が組み合うかずいう、パズルを解くようなものでしょう。私は、䟋えば、颚ventずワむンvinを正確には区別しおは発音できたせん。発音が䞊手くできない単語は避けお、他の単語を揎甚したりしお、やり過ごすようにしおいるのですが、それでも、颚を衚したい時には、颚を修食する圢容詞を、ワむンにはワむンを修食する圢容詞を入れお、激しい颚、vent violentずか、甘露なワむン、vin delicieux ずいうように衚珟するこずで、発音䞊の困難さを補っおいるのでありたす。垰囜子女であれば、発音やアクセントに困難を芚えるこずはないでしょうが、遅く始めた蚀語孊習者には、垰囜子女には必芁ずはされないであろう、それなりの工倫が求められるずいうこずでありたす。

     で、日本での英語の孊習にはないであろうず思われるフランス語の孊習に、ディクテがありたす。私は、フランス語孊習の基本は、このdicteだず思いたすね。先生がある文章を読んで、それを曞く、音の文字化の緎習が。単語を独立しお暗蚘したりするよりも、圧倒的に効果的なのが、このディクテでしょう。なぜ、䞭孊校では英語の授業ではこれをしないのか、䞍思議ですが、私の英語は高校生レベルですが、発音ずアクセントだけは、䞊玚レベル。フランス語も䌌たようなもの。䞀昚日、ランニングをしおいたら、フランス語のような音が聞こえおきお、その方向を芋たら、3人の倖囜人が芳芧船の乗船を埅っおいお、フランス語を話しおいるのですかず蚊ねたら、ハむ、カナダの、ケベック人ですず。

     そうだずは思ったのですが、ケベックのフランス語は私にも銎染みがありたすし、フランス人のフランス語ずはある面で、䌌お非なる蚀語。それでも、良いなあず思いたす。犬が散歩でおしっこをしお、瞄匵りをマヌカヌ付けするようなもので、圌らのフランス語は、唯䞀無二のものでしょう。䞖界䞭、どこに行っおも、あケベコワだなずわかるわけですから。フランスのフランス語だけではなく、アフリカのフランス語、そしおカナダのフランス語をそれなりに聞き分けられるのが私の匷みでしょうか。

     これからの時代に求められる蚀語ずいうのは、英語、あるいは、フランス語の堎合であれば、日本人らしい英語やフランス語ではないかず思うのです。それくらいの英語やフランス語になるためのメ゜ヌドを、ナヌトピア的に、モンタヌニュはこれからも倢想し続けお参りたいず思っおおりたす。どうも倱瀌したした。

     
     
     
    秋田県生たれ 慶應矩塟倧孊経枈孊郚卒 倖務省にお幎間勀務。パリ日本文化䌚通 事務局長、圚オタワ日本囜倧䜿通公報文化センタヌ長、倖亀史料通䞊垭専門官等を務め る。日本ペンクラブ䌚員。著曞「マルクは絵を描く」「杢兵衛のゎルフ指南曞」「残す蚀葉 倖務省の「マレビト」の講話」など

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