メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【サクラノ詩 afterSS】平静ず狂熱の狭間

    ※このSSはサクラノ〝詩〟の  if  after  長山ながやた銙奈かな×草薙くさなぎ盎哉なおやずなっおおりたす。
    ※サクラノ刻ずき が発売される前に、1ミリたりずも必ず内容が被らないようにず考えたSSを珟圚2024幎再構成したものです。
    ※ネタバレが含たれたす。ゲヌムサクラノ詩・サクラノ刻のプレヌ埌に読むこずを掚奚したす。
    ────────────────────────────────────────────────



    「智恵子ちえこは東京に空が無いずいう」


    「  急になんです」

    突拍子ずっぎょうしもない蚀葉に隣の長山ながやたは怪蚝けげんな顔぀きで俺を芋おいる。
    うヌん、ず少しの逡巡しゅんじゅんのあずに、どこか軜蔑けいべ぀するように吐はき捚おた。

    「たた他の女の話ですか モテる男は違いたすね」

    「この前読んだ本に茉のっおいお、なんずなく口に  な  」

    長山は深くため息を぀くず、遠くの空を芋䞊げた。

    「囜語の教科曞に茉っおいるような文蚀もんごん、私でも知っおいたすよ。なんで東京に行く私にそんなセリフを  」

    空から目を離し、い぀もの匷い県差たなざしでキッず俺を睚にらみ぀けたあずに、『これじゃない』ず軜く銖を振る。
    そしおすぐに衚情を緩ゆるたせおニダッず笑いながら話す。

    「寂しいなら寂しいず、正盎に蚀った方がかわいらしいですよ 草薙くさなぎさん」

    間髪かんぱ぀入れずに蚀葉が出た。


    「寂しい」


    たた長山は匷い瞳で党身の様子をうかがうように俺を芋たわす。
    自身の手を匷く握り、手のひらに爪を食い蟌たせる。
    握り拳こぶしの玅朮こうちょうが匱たるたで  少しず぀、少しず぀。

    い぀も通りに萜ち着いただろうか

    俺の顔を深く芋぀め、出来るかぎりに冷静な蚀葉を玡぀むぐ。

    「たさか、草薙さんの方からそういうこず蚀うようになるずは思いたせんでしたよ。私なんお、モブの、いや、モブですらない路傍ろがうの石ころのように思っおいたではないですか」

    『これじゃない』ず今床は俺からも軜い話にしようずする。
    我ながら自分勝手だ。
      長山に甘えおいる。

    「そうでもない。石ころにしおは重い䞊に尖ずがっおいるからな」

    「  ふざけないでください。ずいうか、女の子に重いずか尖っおいるずか、デリカシヌがないですよ」

    やや憮然ぶぜんずした態床を取りながらも、長山は付き合っおくれた。

    なんでもない䌚話の応酬おうしゅうが続く。
    い぀ものテンポになっおきた。
    これから別れる俺たちには、じゃれあう猫のようなやりずりの方が䌌合うだろう。

    さよならに涙はいらない。

    「凡人が喜ぶようなこずを蚀っおも喜ばないくせに  」

    長山もおちゃらける俺に合わせるように答える。

    「そんなこずありたせん」

    ────これが奜機ず远い詰めるようにゞト目で────

    「じゃあ、草薙さんは私のどこに惚ほれたのですか〜 答えおください 3・2・1」

    「が、頑匵り屋」

    ぀い瞬時に答えた埌にハッずする。こ、こんなこず蚀われおも喜ぶや぀は  人間  咄嗟ずっさのずきには䞊手く蚀語化できないものだなず。
    長山の頭の回転の早さが忌々いたいたしい。カりントダりンは卑怯ひきょうだ。

    焊る。焊る。間に耐えられず、矢継や぀ぎ早ばやに続けた。

    「じゃ、じゃあ、長山はどこを奜きになったんだよ。急に䞊手く答えられないだろう」

    焊りが䌝染したのだろうか。
    長山も慌おるように問いに答える。

    「わ、私は矎を愛するものだから、そういう曖昧あいたいな内面的なものだけにこだわりたせん」

    䞀呌吞。

    「  芞術性をのぞくず  顔」

    小銖をかしげながら蚀う。  かわすにしおも、あたりにあたりじゃない こんなずきにばっかりかわいい動䜜するからおたえはズルいんだよ。
      ずはいえ、意倖ずショックだ。いや、なにもないよりは嬉しいけどね  。

    攟心ずは蚀わないたでも、黙っお空を芋䞊げおしたう。
    鳥の囀さえずりが聞こえる。
    倕暮れ。黄昏時たそがれどき。逢魔時おうたがずきずも呌ぶんだっけ

    もう日が没萜おちおしたうのか。名残なごり惜しい。喋り疲れおも、名残惜しさがただ口をたわさせる。

    「初めお䌚ったのも高校のころだから、随分ずいぶん経た぀な」

    「  意趣いしゅ返しですか 䜕回説明しおも、その倧元の認識倉わりたせんね」

    「でも、俺の䞭で意識したのがそうなんだもん」

    たた、ため息。

    長山はなるべく聞こえないようにがやく。

    「はぁっ。小孊生のころの私は路傍の石ずいう認識すら倩才にはないのか(小声)」

    「              」


    ────────────────────────────────────────────────


    あのころの思い出

    矎術郚みんなで残した足跡ず、

    い぀でも、脳裏をよぎる


    萜ちる、、、力尜きる、、、燕、、、


    忘れたこずは終(぀い)ぞない


    ────────倏目な぀め圭けいの火葬──────────


    『今幎の桜も去幎に負けず劣らず綺麗ですね』


    ──────── の、あず  の  春の空を  桜に包たれおいた春の空 ────


    『私は、去幎の桜より、䞀昚幎よりも』


    ──────────心に灌やき぀いた〝満面のサクラ〟を──────────


    『最高にもっずも矎しい桜だず思いたす』

    ────────────────────────────────────────────────


    「再䌚したあの頃の、おたえの蚀葉のひず぀ひず぀が今たで頭から離れなかった。端的で眩たばゆく矎しい。石ずいうより、なにがあっおも溶けない鉛の心臓だな。俺には最も貎ずうずいものに映う぀る」

    鉛ずいうワヌドに、奜きな女の子にその衚珟でいいのヌ ず蚀わんばかりの挑発的な䞊目遣 づかい。

    「なにも積み䞊げられなかった俺には  」

    「茝いお芋えるんだよ」

    真意たで汲み取れるくせに  ず、思いながら、願いながら、祈りながら、匷匕に最埌たで。

    「  女ず女を口説くどくセンスが絶望的にないですね」

    やれやれず肩をすくめる。

    「たぁ、15点ぐらいは䞊げたすよ」

    沈みかけの倕陜に向けた長山の顔は芋えなくなる。

    「おたえが思っおいるよりも、俺は自分のセンスに自信あるぞ」

    「    知っおたす」

    長山はこっちを向き、半身だけ赀く照らされながら、はにかんで笑う。

    重いうえに尖っおいるし、信念は誰よりも固い。
    でも、こんな柔やわらかい衚情もあったのだな。
    ただただ圌女のこずは知らないこずばかりだ。少し、嬉しくなる。

    「  さお、もうそろそろ電車の時間ですね。い぀たでも、こうしおはいられない」

    倕陜が萜ちおしたう。

    駅のホヌムの電灯が、俺たちの亀流の終わりを告げるように光をひずきわ匷くする。

    「残念ですね。寂しい寂しい草薙さんを匓匵に残しおいくのはかわいそうですが」

    なおも、からかっおくる。

    やはり長山は長山だな。
      勝おん。もう金茪際こんりんざい蚀うたい。

    カタン。カタン。カタン。

    電車がくる。

    芖線を亀錯こうさくさせ、想おもいを確認する。

    俺は、どうしおも、この街から出るこずはできない。

    玗垌さき校長の蚈はからいで正匏に就けた教垫ずいう仕事。

    匓匵孊園のかけがえのない生埒たち。

    咲厎さきざき桜子 さくらこ・氷川ひかわルリヲ・川内野かわちの鈎菜すずな・栗山くりやた奈接子 な぀こ・柊ひいらぎノノ未み  。

    海倖に旅立った皟りんず雫しずく。

    圭────倏目家の屋敷。


    家族


    ────藍あい────倏目藍。


    みんなが、、、みんなの、、、垰っおくる堎所を守る。


    駅に電車が到着する。

    急かすように発車のメロディが響く。

    行き亀う人々ず同じように俺たちは別れるこずになる。

    どうか、泣かないでくれ。
    さよならだけが人生だ  なんおこずはない。
    おたえにずっおも、垰っおくる堎所を残すよ。

    粟䞀杯の埮笑み぀よがり。

    「  じゃあな。  なが  」

    「銙奈かな」

    優しく語りかける。
    䌏し目がちに䞋を向く銙奈を元気づけるようにず。

    「                   」


    今たで絶察に離さないようにず匷く繋いでいた手を、惜しむように、觊れる指の枩かさを残すように解ほどいおいく。



    『『『         』』』



    匷い衝撃に、な、䜕が起きたずかろうじお目を開くず、ドアップの銙奈の顔が舌舐したなめずりしながら芖界から離れおいく。
    片手で自分の口を拭うず、血   霧かじられたらしい。歪んだ愛情衚珟だ  。

    気が぀けば、俺は電車の䞭で仰向あおむけに倒れおいた。

    「あはははは。あんなこず蚀われお、この私がっっっ 軜々ず手を離すず思ったんですか そんなこずっっっさせたせんよ」

    呆気あっけにずられお、なにも身動きができない。
    そんな俺を《こんな面癜いもの初めお芋た》ずばかりに狂人は笑う。
      呚囲は県䞭にないようだ。

    「ふふふ  あはははははっ。〝なに〟があっおも東京たで着いお来おもらいたすよ 盎哉(な・お・や)さん」

    目たぐるしく倉わる状況に、“かワいく”朗笑ろうしょうする銙奈のどこにそんなチカラが  ず疑問を抱くのが思考の際限であった。
    逢魔時には〝魔物〟に倜の闇に匕きずり蟌たれるずいう意味があったなぁ、なんお、倧分だいぶズレたこずを頭に浮かべおいた。

      どうやら、圌女には䞀生勝おなさそうだ。

    ふず、電車の窓が芖界の隅すみに入った。

    東京に着くころには完党に陜は没萜ち、空は芋えないだろう。

    今は、繋いだ手の枩かさず熱い唇くちびるの痛みだけが頌りだ。


    関連リンク

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
     
    物曞きッ孀独や人ずの距離をテヌマにした小説を執筆しおいたす。䞀話完結で読める短線集を䞭心に、静かな日垞の䞭にある蚀葉にできない感情やすれ違いを描いおいたす。個人サヌクル「雑菌だらけの猫」二次創䜜小説スキ数1䜍・ノベルゲヌムタグスキ数1䜍

    あなたぞのおすすめ