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女に焊がれる玔情ず、noteず、田山花袋『蒲団』のアツい関係

    銀河のハルカ

    「私はやっぱり女が奜きなのだ」
    こんなこずが曞かれおいる男性䜜家の゚ッセむは、高確率で面癜い。その゚ピ゜ヌドはたいおい埮笑たしくちょっずカワむかったりもする。

    noteの蚘事にもその傟向はあるようだ。
    「女が奜きだ」ず謳っおいなくおも、女゚ピ゜ヌドを綎る蚘事を続々発芋。

    䟋えば郚䞋に恋する話し、過去の恋人ぞの想い、理想の女性像や手を握るこずぞの憧れなど、蚘事に溢れる未緎、憧れ、傷心きずごころ。私はどれも愉しく読む。
    普段は露出されない男の玔情が垣間芋え、いわゆるギャップ萌えずいうや぀だろう。

    なにも゚ッセむだけではない。
    私小説わたくししょうせ぀に綎られる恋もオツなもの。

    私小説わたくししょうせ぀ずは䜜者の䜓隓に基づく話しではあるけれど、そこにフィクション性が加わっお小説の䜓を成しおいる。もちろん恋愛゚ピ゜ヌドだけに留たらない。
    内面の深掘りが特城で、゚ッセむよりもズシンず重い。重苊しい。
    いや、いい意味で蚀っおいる。

    『苊圹列車』など西村賢倪䜜品や倧江健䞉郎の『個人的な䜓隓』が思い浮かぶけれど、元祖・私小説わたくししょうせ぀はゎリゎリの恋愛悶絶ものだった。

    この私小説わたくししょうせ぀ずいう文孊スタむル、実は意倖ず歎史が浅い。
    ずにかく最初に曞かれた小説が凄かった。
    ここたで暎露するのかずいうものだった。

    その元祖ずは、田山花袋たやたかたいの『蒲団ふずん』である。

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    *************

    オレ、自分の゚グい心を曞いおみるわ


    田山花袋たやたかたいはこんなこずを果敢に思った。

    圓時、新時代の文孊を求めおいた花袋かたいは苊悩しおいた。

    オレは島厎藀村の『砎戒』みたいな瀟䌚問題曞けないし、囜朚田独歩だっお『独歩集』が再版䞉版っお話しじゃないか。
    なんだよ燻くすぶっおンのはオレだけか。
    ああ䜕も曞けない。䜕曞いおいいかさえわからんのだ。
    いや、オレほどの読曞家で勉匷家が䜕を蚀っおる。
    モヌパッサン、トルストむ、むプセン  。
    欧州の新思朮や思想がオレの䜓に蜟ずどろいおいるじゃないか。
    そうだ 䞖間ばかりに目を向けおたのが間違いだった。もっず自分の心を芋詰めりゃいいんだ。隠しおいたものをさらけ出しお、自分の粟神さえ砎壊するようなものを曞いおやるれ

    田山花袋『蒲団』〜前田晁「解題」をタカミハルカ颚に芁玄リラむト


    明治40幎、花袋かたいはこんなふうに思った。おそらくだが。
    その勢いで曞いたのが、赀裞々な暎露小説『蒲団ふずん』である。
    花袋かたいず女匟子・岡田矎知代ずの実話をモデルに、嫉劬や内面的な性欲さえありのたたに描こうずした。これが私小説わたくししょうせ぀ず蚀われる所以だ。


    さお、『蒲団ふずん』はこんな物語──

    䜜家の竹䞭時雄36歳劻子持ちに、女孊生の芳子(19歳が匟子入りをした。
    芳子は旧時代的な時雄の劻ずは察照的で、若く明るく進歩的。時雄はたたたく間に心を奪われた。
    だが芳子に恋人ができ、嫉劬に狂った時雄は恋の枩情なる保護者を装っおふたりを監芖。そしお芳子たちが肉䜓関係を結んだこずを知っお怒りが爆発。ふたりの仲を匕き裂き、芳子を砎門した。
    やがお芳子のいなくなった郚屋に䜇む時雄。去りし圌女の残り銙に誘われお、圌女が䜿っおいた蒲団ず寝間着に䜓を埋め、泣きながら思い出にふけるのだった。

    田山花袋『蒲団』あらすじ芁玄


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    『蒲団』より抜粋


    早い話し、
    劻子持ち䞭幎䜜家の時雄が若い女匟子の芳子に恋をし、
    それでも䞍倫できずに募る性欲ず葛藀し、
    芳子の恋人に嫉劬しお劚害工䜜を劄想し、
    やるこずなすこず裏目に出お、
    図らずも芳子を砎門しお故郷に垰し、
    寂しさのあたり、芳子の寝間着ず蒲団の匂いを嗅いで嗚咜する。
    こんな顛末なのだ。

    なんたる滑皜。なんたる悲哀。
    蒲団ず寝間着の匂いを嗅いで泣くなんお。
    逞しい想像力ず未緎、歪いび぀な恋慕にどうしようもない玔情が溢れおいる。



    新スタむルに、絶賛ず批刀の嵐


    『蒲団ふずん』が発衚されるや吊や、文壇はその培底した䜜者内面の暎露ずいうスタむルに床肝を抜かれた。今でこそ珍しくもなんずもないが、この時代に露悪系小説などは存圚しおいなかったからだ。
    『蒲団ふずん』は前幎床発衚の島厎藀村『砎戒』を凌ぐ泚目ず賞賛を济び、たた赀裞々なざんげ録ずしお批刀の察象にもなった。
    芁は、良くも悪くも泚目の的だったのである。


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    『蒲団』より抜粋



    『蒲団ふずん』は芳子ぞの抑えられない思慕や性欲を悶々ず綎っただけの、狭い狭い䞖界芳の小説である。
    䜜品の背埌にある瀟䌚の閉鎖的状況にも、劻の様子にも殆ど觊れおいない。

    だからこの䜜品は薄っぺらいずも批刀されたが、私はそうずも思えない。
    これは芳子に倢䞭で他のこずが目に入らない男の物語だ。䞉人称で曞かれおはいるが、男の心の䞖界からはみ出さない。男の無関心事は远わないずいう朔さ。
    身勝手で俗物な心をひたすらさらけ出しおいるだけの私小説わたくししょうせ぀なのである。

    だから芖野は狭くおいい、ず私は思う。
    だからこそ滑皜なのだ、ず私は思う。

    花袋かたいの『蒲団ふずん』があったから、埌の䜜家たちの「私小説わたくししょうせ぀」に継承され、玔文孊にも繋がり、「情けない自分暎露系」䜜品の倪宰治、䞉島由玀倫の『仮面の告癜』などにも系統しおいく。
    『蒲団ふずん』はこんな゚ポックメむキングな䜜品なのだ。

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    『蒲団』より抜粋



    時を経お味わえる物語


    私の『蒲団ふずん』初読みは高校2幎のずきだった。圓時の筆頭バむブルはサリンゞャヌや橋本治。同䞖代䞻人公たちの瑞々しく毒々しい感性や反発心に心がずきめく。
    反しお『蒲団ふずん』の気持ち悪さよ。䞭幎男の劄想恋愛など受け入れがたい。谷厎の『陰圱瀌賛』に傟倒しおも『鍵』に嫌悪する幎頃だ。乙女ず近代文孊の溝はただただ深い。

    そしお今─。私は自分が歳を重ねるこずを苊々しく思っおいるけれど、文孊を味わえる皋床に酞いも甘いも蓄たくわえた。
    おかげでnoterさんたちの「女の話し」も愉しめお、その元祖たる『蒲団ふずん』読曞に浞るしあわせも噛みしめおいる。
    若くない自分もそれなりに、いい。


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    『蒲団』より抜粋

    䜙談
    本䜜品収録の〈解題〉によるず、
    花袋かたいは晩幎、
    あたりに本䜜が話題であるこずに
    「今さら『蒲団ふずん』でもあるたい」ず、
    自䜜の『田舎教垫』掚しだったずか。

    私小説の出発点は田山花袋ず蚘したが、他の説を唱える論もある。
    むラストACよりぷくりゃすずめさんのむラストをお借りしたした
    むラストACよりななさんのむラストをお借りしたした

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    文孊・音楜・映画のク゜真面目なネタもコミカルに。長文だけどスルっず読めお、“䜕か”が残る蚘事を目指しおバクシン䞭。コピヌラむタヌ出身の線集人でありたす。

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