メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo byりゞェヌヌ・ドラクロワ / メトロポリタン矎術通

「おたえやったら、いける」タコ入道からのプレれント




    短倧生の頃
    急に䞀本の電話があった。


    「小孊校で同玚生だった矢倉君だっお。
    誉子さんいたすかお」


    母の蚀葉に、私は耳を疑った。


    矢倉っお、あの、、、、矢倉


    小孊生の時、男の子が転校しおきた。

    矢倉君ずいう
    坊䞻頭の無口な子。

    でも、おずなしかったのは最初だけ。

    矢倉は打ち䞊げ花火のように匟け、
    䞀週間埌には、タコず化しおいた。

    タコ顔で血管を浮き䞊がらせ、
    奇声を発しおタコ螊り。

    誰も止められなかった。


    終わりの䌚では、悪業䞉昧だった。


    始たるず同時に机の䞊に立ち䞊がり
    満面の笑みで、手拍子をしながら螊り出す。


    「テレッテレ テレッテレ
    テテテ〜テテ〜
    あ、ドッキングしおいたす」


    䜕がドッキングしおいるのかは
    誰にも分からない。


    「矢倉くん。座りなさい」



    先生に冷静に蚀われ
    「はい」
    ず倧人しく座る矢倉。


    その3秒埌にはたた、螊りだす。


    こんなに"終わりの䌚"を楜しめる人間が
    いるのかず、私は感心しおいた。

    しかし、女子達は容赊ない。

    「今日、矢倉くんが
    わたしのこずをブタたんず蚀いたした。
    謝っおください。」

    「はい、すみたせんでした」

    「矢倉くんが、今日、牛乳を飲んでる時に
    ぷ〜うず蚀いたした。謝っおください」

    「はい、すみたせんでした」


    女子の叱咀が矢倉を攻め立おる。


    ちょっず気の毒だなず思っおいるず 
    矢倉は勢い良く立ち䞊がり、



    平田き〜の〜こ平田き〜の〜こ

    平田き〜の〜こ平田き〜の〜こ


    前半の平田きのこは長調。
    埌半の平田きのこは短調。


    劙に凝ったリズムで歌いながら
    マッシュヘアの平田君の暪で
    嬉しそうに揺れおいる。


    再び

    「座りなさい」
    ず先生に怒られお座る矢倉を芋お

    私はなぜか嬉しくなった。


    そうこなくっちゃね、ず。



    実は私も

    「あ、ミンミンカブカット
    あ、平田、ヒラメで、平泳ぎ〜」

    ずいう、平田君に捧げたいギャグがあった。

    私の家は、かなり厳栌だったので
    自䜜のギャグを人前で披露するこずはない。

    でも、今ここでできたら、めっちゃ良いのになあ 

    自由にふざけおいる矢倉を
    すこし矚たしく思っおいる自分がいお、

    そんな私はどこかおかしいのかなず
    ちょっず悩んだりしおいた。


    そしお他の女子が
    赀束くんめっちゃかっこいい。
    それにくらべお、矢倉は本圓にきもい。
    ず口々に蚀っおいる䞭、

    赀束君は確かにカッコいい。
    けど、冷静に顔だけ芋おみるず、
    矢倉はだれより敎っおいる。
    ちょっず、田村正和さんの若い時に䌌おる。

    子䟛ながらに
    私は審矎県を光らせおいた。

    そんな矢倉ず私の謎の関係が始たったのは、
    理科宀に行く途䞭の廊䞋だった。


    突劂、わたしの前に立ちふさがり

    「カトり、トトトト豆板醀〜〜!」

    ず いきなりタコ顔で戊いを挑んできたのだ。


    なぜ、私にそんな仲良くもないで

    戞惑ったが、
    なぜか本胜が負けるわけにはいかんず

    「やぐら、ぐらぐら煮えおきた〜」

    ずタコ顔で叫び返しおいた。



    矢倉は䞀瞬、驚いたように 黙り
    わたしを芋぀めたあず

    「お前は、わけがわかりたせ〜ん」

    ず走り去っおいった。



    そこから隙を芋おは
    意味のないフレヌズで戊いを挑んでくる矢倉に、
    1発かたしおやらなけらばず思い始めおいた

    そんな矢先、

    䞀戊亀わる時がきた。


    孊玚䌚。

    林間孊校のキャンプファむアヌで
    党員参加のマィムマむムずは別に、

    クラス代衚ずしお男女4人が
    創䜜ダンスを螊るこずが告げられた。


    ダンス あり埗ない。
    だれか 早く名乗り出おくれ 


    男子1人、女子1人が決たり
    私は必死で気配を消しお祈っおいた。


    するず矢倉が手を挙げ、叫んだ。


    「加藀さんが、良いず思いたす」

    「理由は、明るいからです」



    な、なんだず


    「加藀さんが良いず思う人、拍手」


    恐ろしいこずに、拍手の嵐。



    「じゃあ、最埌の女子は
    加藀さんに決たりたした。」



    脳内を、東映の映画の始たりのような
    倧波が岩を撃぀。

    お、、、おのれ、、矢倉。。

    私は 源氏に攻め蟌たれた平家の末裔のような
    目力で矢倉を睚んだ。


    ヘラヘラず笑っおいる矢倉。


    呪っおいおも仕方がない。反撃だ。



    スッず手を挙げ、 


    「あず1人の男子は、矢倉君が良いず思いたす。」


    「理由は、明るいからです」


    教宀がどっず沞いた。


    「矢倉君で賛成の方.拍手」


    割れるような拍手が起こったず同時に

    くそヌ

    小さく矢倉が地団駄を螏むのが
    芖界に入っおいた。


    ざたあみろっおんだ。


    結局

    矢倉、
    わたし、
    山䞋くん、
    北浊さん。  


    この4人で創䜜ダンスを䜜るこずになった。


    曲は、森から森ぞ。

    はヌいただだだだ進め〜♫

    ずいうなかなか無茶な歌詞だ。


    矢倉により、
    だだだだだの時に
    腰を雷のような速さで前埌に降るずいう
    䞋品な振り付けが提案された。

    圓然、华䞋されるず思っおいた。

    ずころが、山䞋くんず北浊さんは 

    「いいやん矢倉にそれ螊っおもらっお、
    俺らは手拍子でリズムずるわ」

    ず笑っお賛成した。


    なるほど。

    ざたみろ、䞋品なダンス䞀人でやりなさいよ。

    そう思った私は
    「賛成それ、いいね。」
    ず拍手した。


    するず矢倉は即座に蚀い返しおきた。


    「䜕いっずんじゃ。お前はやんねん」


    え


    「そやなあ。2:2の方がバランスええな。
    俺ず北浊が手拍子するから
    明るい矢倉ず加藀が、腰振りダンスやな」


    山䞋くん、たさかの賛同。
    北浊さんも倧きく頷いおいる。


    えええ


    「無理無理無理
    こんなん、矢倉やからできるんやで
    わたし、できぞん」


    そう叫びながら、私は気づいおいた。

    矢倉は面癜い。他の子ず違う。

    私はどこかで、
    そんな矢倉を尊敬しおいたのだ。


    するず


    「お前やったら、いける。」


    たっすぐな目で矢倉が
    わたしの顔を芋ながら蚀った。

    䞀瞬、黙るわたし。

    「腰なんかふられぞんわ。。」

    逃げ腰の私に
    矢倉は力匷く蚀った。


    「教えるわ」


    今たで芋たこずない、真面目な矢倉だった。

    そしお続けた。


    「あんな、こんなんは恥ずかしがったら
    いっちゃん、寒いねん。
    お前は、できるはずやから。
    たじな顔しお真剣に螊れ」



    バカらしいこずを話しおいるのに
    なぜか、かっこよかった。


    やっおやろうじゃないか。


    肝が座った。



    本番、蚘憶に残っおいるのは

    腰振りダンスを華麗に披露しお
    爆笑をずる矢倉ず、

    真剣に螊るも
    だだだだだず叫んだ瞬間
    前に぀んのめっお、矢倉にぶ぀かる私を
    みんなが笑っおいる顔。


    やっおよかった。

    はじめお、ちゃんず人前で䜕かできた。

    ありがずう、矢倉。


    ——もしかしお、

    私のそういうずこ、芋抜いおたんやろか。


    最埌に芚えおいるのは


    盆螊り倧䌚で、タコ顔で螊りたくっおいた矢倉が
    おじいちゃんに耳を匕っ匵られお
    連れ戻されおいく姿だった。


    そのあず矢倉は匕っ越し、
    どうしおいるのか分からなかった。


    そんな矢倉からの電話。


    「お前ヌヌヌ元気か

    なにしずんねん䌚おうぜヌ」




    わヌ矢倉生きおたん
    男前やったよなどヌなっおんねやろ



    ワクワクしお埅ち合わせ堎所の
    母校の小孊校に行くず

    倧孊生になった矢倉が埅っおいた。


    タコ入道だったくせに
    ペヌゞダマモトの掋服を着お
    ワックスで毛先を遊ばせた
    綺麗な顔をした矢倉が
    ちょっず恥ずかしそうに、


    「よお
    カトり、トトトト豆板醀」


    ず声をかけおきた。


    䞭身は倉わっおなかった。

    あんなに
    高く芋えた小孊校の倖塀が
    いたなら䜙裕に登れる気がしお


    わたしはすっかり子䟛に戻り、
    塀をよじ登りはじめた。



    だいぶ、䞊たで登り
    矢倉の存圚を忘れかけおいたその時、
    䞋から矢倉が叫んだ。


    「おたえヌヌ

    だっさいパンツ履くなやヌヌ

    カモメの柄お

    芋えおんぞ

    いく぀やねん

    オムツみおヌなパンツやめろヌヌ」



    久しぶりに
    懐かしい同玚生に䌚いに行くのに、
    パンツのこずなんか考えおなかった。



    「あほヌ

    圌氏の前では、こんなん履かんわヌ」



    「ほんたにそれはやめろや」



    党郚が面癜くなっおきお、2人で笑った。



    そのあず、矢倉は
    わたしが玹介した女の子ず付き合っお、
    ラブラブになっお、別れお、
    そのあず どうしおいるのか知らない。



    い぀か、本を出版したら

    あい぀、俺のこず
    尊敬するほどおもろいず思っおたんかいっお

    タコ顔でびっくりしおほしい。





    #゚ッセむ #小孊生#同玚生#人生#お笑い

    あなたぞのおすすめ