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ラブカ奇譚

    広場に停車している全長が少し長めのキッチンカー。
    外装は茶色で、ドアには大きな目と無数の牙が描かれている。
    「深海魚のラブカに一目惚れしてしまってね。地上で走らせたくて商売を始めたのさ。名付けてラブカーだ」
    店主は目をキラキラさせながら説明してくれて、ラブカの写真も見せてくれた。
    見た目が怖く、まるで怪獣のようだ。
    それにしても……なせかカップルが多い。
    多分、ラブカーをLOVEカーと勘違いして来たのだろう。
    折角来たからという理由で、渋々注文をしているカップル達。
    何を注文しているのか見てみると、ラブカの顔が描かれた茶色の皿の上に、ビフテキが乗っている。
    ラブカのエラをイメージした料理らしい。
    見た目がリアル過ぎて、カップル達は食べる勇気が出ないのか、ラブカのように口を開けたまま途方に暮れていた。
    俺も注文し、食べてみたが普通に美味い。
    ビフテキを箸で掴むたび、皿のラブカが「痛い!」と訴えてるように見えた。


    たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
    以下の記事に詳細あります。


     
     
     
    小説、音楽、ゲームが好き。 色んなものを見て、聞いて、感じて、不思議な世界を作りたい。 ショートショートガーデン、エブリスタでも活動してます。

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