メインコンテンツへスキップ
見出し画像

読書手術

    たーくん。

    スポットライトのように俺だけを照らす大きい光。
    周りを見ると、本棚が並んでいる。
    俺は台の上で寝ていて、手足は縛られ……動かせない。
    「ふふ、気がついたかい?」
    図書委員長の本間ほんまとポニテ女子が、俺を見て笑っている。
    ……思い出した。
    放課後、本間に呼ばれて図書室へ行き、ドアを開けるとスプレーを噴きかけられ……。
    眠らされたのか、俺は。
    「君は、本が好きかい?」
    本間は俺を見下ろしながら問う。
    「そうだな……電子書籍でよく読んでる」
    「ふっ、そうか。本っ」
    「はい」
    ポニテ女子が、手術時にメスを渡すように本間に分厚い本を渡す。
    本間は受け取った本を、俺の腹の上に乗せた。
    ズシッとした重みが、腹から感じる。
    「電子書籍では味わえない重みよ。1ページずつ捲る手の感触も味わってほしいの。だから……本を読・ん・で?」
    耳元で囁かれ、本間の声が脳内に響く。
    それから言葉攻めされ、気がつくと俺は大量の本を抱えて帰っていた。


    たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
    以下の記事に詳細あります。


     
     
     
    小説、音楽、ゲームが好き。 色んなものを見て、聞いて、感じて、不思議な世界を作りたい。 ショートショートガーデン、エブリスタでも活動してます。

    あなたへのおすすめ