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思い出相続税

    観葉植物が沢山置かれているリビング。
    彼女の実家に来たのは約一年ぶりか。
    俺の横には彼女の両親、テーブルを挟んで向かいには税理士が座っている。
    「真美さんの思い出相続税についてですが」
    税理士の口から出た彼女の名前を聞いて、手に力が入る。
    真美は二週間前、交通事故で亡くなった。
    俺の彼女である真美の突然の死……今でも信じられない。
    俺が真美の実家に来ているのは、思い出を貰うためだ。
    今の時代、亡くなった人の記憶を抜き取ってデータ化することが出来るらしい。
    「ご両親はこの前言った通り、相続税200万になります」
    真美の両親は、ほぼ全ての思い出を受け取るそうだ。
    「そして真美さんの彼氏である林さんの相続税ですが、真美さんの思い出に林さんはいなかったので無しです」
    「……え」
    「多分、思い出になる出来事がなかったのでしょう」
    横を向くと、真美の両親と目が合う。
    疑いの眼差しを向けられ、なんともいえない空気になった。


    たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
    以下の記事に詳細あります。


     
     
     
    小説、音楽、ゲームが好き。 色んなものを見て、聞いて、感じて、不思議な世界を作りたい。 ショートショートガーデン、エブリスタでも活動してます。

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