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甘噛み県民

    たーくん。

    目の前に広がる見慣れた道と建物が並ぶ風景。
    ここは……俺が住んでいる町だ。
    おかしい。俺は天上界に住む天神剣人として、荒れた大地で魔物達を大剣で斬り刻むはずだったのに。
    大剣すら持っていないし、現実と同じ普通の人間だ。
    ここはAIが作った仮想現実。
    俺は主人公設定で、天神剣人と音声入力で言ったはず。
    目の前にメニューを出し、ステータス画面で俺の肩書きを見る。
    "甘噛み県民"
    どうやら、AIは天神剣人を甘噛み県民と聞き間違えたらしい。
    いや、そうはならないだろ。
    この世界では甘噛み県民として、皆に甘噛みしないといけないのか。
    こうなったら……女が襲ってきたら、あんな所や、こんな所を甘噛みしてやる!
    さぁ来い!甘噛みしてやらぁ!
    待ち構えていると、魔物の集団がこっちに向かって走ってきた。
    ……魔物設定だけは通ってるのね。ハハハ。
    AIの指示通りにしないと仮想現実から出られないので、俺は泣く泣く魔物達に甘噛みした。


    たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
    以下の記事に詳細あります。


     
     
     
    小説、音楽、ゲームが好き。 色んなものを見て、聞いて、感じて、不思議な世界を作りたい。 ショートショートガーデン、エブリスタでも活動してます。

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