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ひとりごと

    たーくん。

    ひとりごとがあちこちから聞こえてくる歩道や通路。
    皆、不安や不満が口から溢れ出ている。
    いつからだろう?こんなにひとりごとが増えたのは。
    多分、政府が色んなことを規制したり、ルールを追加し始めた頃からだろう。
    「うちの会社は残業多いのに、給料が均一化されたから残業しても増えないし、これじゃタダ働きだ。辞めたいけど、辞めたらペナルティを課せられるし……うがー!」
    スーツを着たサラリーマンらしき男性が、頭を抱えながら唸っている。
    「自転車や車を使う時は、事前に役所から許可を貰わないといけないなんて面倒過ぎる。当日だとすごく混雑してるし、緊急時はどうすればいいのよ……」
    溜め息をつきながら歩いている女性とすれ違う。
    「年金が足りなくなれば、近所から貰えるなんて良い世の中になったもんじゃウヒヒ!……あーもしもしワシじゃ、また金を貰っていいか?年金が少なくなって生活が苦しくてのぉ」
    パチンコ屋から出てきた老人が、誰かと電話しながら歩いていく。
    ……満足している人もいるようだ。
    翌日、録音したひとりごとを国会で流した。
    国民のひとりごとを聞いた議員達は、ニタァ〜といやらしい笑みを浮かべる。
    「そうかそうか。じゃあもっと厳しくしないとなぁ」
    「若者には厳しく、年寄りには優しい世の中を!それが我々のルールだ」
    議員達の意見を聞いていると吐き気がする。
    なんで楽しそうに言っているのか意味が分からない。
    「君、さっきから我々を睨んでいるね?」
    「代わりなんていくらでもいるし、お前はクビだ」
    「……分かりました」
    睨んだだけでクビになるとは……ま、早かれ遅かれこうなっていただろう。
    「お前らみたいな奴らは痛い目に遭って、さっさとくたばって地獄に落ちればいいのに」
    俺は大きなひとりごとを言って、立ち去った。


    小牧幸助さんの企画に参加させていただきました。
    以下の記事に詳細あります。


     
     
     
    小説、音楽、ゲームが好き。 色んなものを見て、聞いて、感じて、不思議な世界を作りたい。 ショートショートガーデン、エブリスタでも活動してます。

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