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ファースト奇襲

    たーくん。

    まるで人が消えたかのような静かな住宅街。
    あれ?ここでやるのか?
    「木下きのした君!私のファースト奇襲受け取って!」
    十字路の死角から、前田さんがバールを振り上げながら襲ってきた。
    間一髪避けると、前田さんが振り下ろしたバールは真横の地面に当たり、カンッ!と住宅街に響き渡る。
    「奇襲が台無しじゃない……私、木下君のこと好きなのに」
    「……俺も、好きだ」
    「じゃあ今度は避けないでね!」
    前田さんは目の前でバールを振り上げ、俺に向かって降り下げ──。
    「はっ!はぁ……はぁ……」
    バールが当たる直前に、目を覚ます。
    全身、汗だくだ……。
    「どうでしたか?ファースト奇襲の味は?」
    係員が、俺に質問してきた。
    「俺、ファーストキスで頼んだんだけど」
    「キスと奇襲を聞き間違えたようですね。ははは!」
    係員は俺の気も知らず、陽気に笑う。
    好きな人と色んなシチュエーションが出来る仮想現実装置。
    初めて体験した仮想現実は、過激過ぎた。


    たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
    以下の記事に詳細あります。


     
     
     
    小説、音楽、ゲームが好き。 色んなものを見て、聞いて、感じて、不思議な世界を作りたい。 ショートショートガーデン、エブリスタでも活動してます。

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