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静かな道しるべ(1)―頑張る、ではなく、やりぬく

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    とあるシステムの構築プロジェクトに携わっていた頃のことです。
    誰も正解を持っていない。
    前例も、教科書もない。
    ただ霧の中を、一歩ずつ進むような日々でした。

    多くの課題が同時に押し寄せ、先が見えない不安を抱えながら、
    それでも前に進まなければならない局面が続いていました。
    そんなある日、私は上司に相談しながら、思わずこう口にしました。

    「頑張ります」

    その言葉を聞いた上司は、少し間を置いて、静かに言いました。

    「頑張る、ではなく、やりぬく」

    その言葉は、励ましというより、姿勢を正すような響きでした。

    頑張る――そう言うとき、どこか心の奥に「到達できなくても仕方がない」という
    わずかな逃げ道を残している自分がいる。
    気持ちの高ぶりに頼り、勢いで乗り切ろうとする面もある。

    しかし、霧の中のプロジェクトでは、その勢いは長く続かない。
    必要なのは、気分や勢いではなく、
    何があっても目標に到達させるという、静かで強い意志だと気づきました。

    今日できることを、淡々と積み重ねる。
    状況がどうであれ、手を打ち続ける。
    正解がなくても、前に進む。

    やりぬくとは、そういう姿勢なのだと。

    あの一言は、今も仕事の節目で思い出す、静かな道しるべのような教えです。

     
     
     
    とある会社の社内SE(情シス部員)として勤続20年弱が経過。私の経験が少しでも多くの方の糧として活かされたら。。との思いで始めたnoteです。 主に、社内SEとしての苦労や工夫、資格試験をはじめとした体験記を書いていこうと思います。

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