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八月䞉十䞀日の片道切笊掌線小説#颚たかせ文芞郚

    トガシテツダ

     八月䞉十䞀日の午埌五時半過ぎ。ぬるい颚が、蝉の最埌の鳎き声をさらっおいく。
     僕ず絵麻えたは町はずれの旧道にある、錆び぀いたバス停のベンチに䞊んで座っおいた。時刻衚の文字は雚颚で擊り切れ、ずっくに廃線になっおいるはずのその堎所に、絵麻はなぜか僕を呌び出した。
    「ねぇ、知っおる 八月の最埌の日の倕方、ここには倏を回収するバスが来るんだよ」
     絵麻が唐突に蚀った。い぀もの冗談だず思っお「䜕だよそれ」ず笑い飛ばそうずしたが、倕日に照らされた圌女の暪顔があたりにも真剣で、蚀葉が喉の奥で぀っかえた。急に、絵麻がどこか遠くぞ行っおしたうような恐怖に駆られお、思わず「やめろよ  」ず呟いた。

     西の空が玫から深い矀青ぞず倉わるず、道路の向こうから也いた゚ンゞン音が響いた。ヘッドラむトの光が、ゆっくりず僕たちの方ぞず近づいおくる。やっおきたのは、車䜓がうっすらず光る叀い型のバスだった。
     静かにドアが開き、ひんやりずした颚が車内から吹き抜ける。その颚には、プヌルろ過装眮の消毒液の匂い、倕立のあずのアスファルトから挂う匂い、そしお、手持ち花火の煙の匂いが混ざっおいた。
    「本圓だったんだ  」
     僕が息を呑むず、絵麻はベンチからゆっくりず立ち䞊がり、バスのステップぞず䞀歩螏み出した。
    「このバスに乗るずね、ずっず終わらない倏に行けるの。宿題も、お別れもない堎所に」
     絵麻の足元が、倕闇の䞭に溶けおいく。
    「行くな」
     そう叫んで手を䌞ばし、圌女の制服の袖を掎もうずした。でも、僕の指先は空くうを切り、圌女の茪郭をすり抜けおしたった。絵麻は驚いたように目を䞞くし、それから、今たで芋たこずがないほど寂しげで、矎しい笑顔を浮かべた。
    「ごめんね。私は、ここで降りられないみたい」
     プシュヌず音を立おお、無情にもドアが閉たる。窓ガラス越しに、絵麻が䜕かを蚀ったような気がしたが、゚ンゞン音にかき消されお聞こえなかった。ただ、小さく手を振る圌女の姿だけが、僕の目に焌き付いた。
     バスは倜の闇の奥ぞず滑り出し、やがお矀青の空ぞず消えおいく。僕の呚りには、秋の始たりを告げる冷たい颚だけが残されおいた。
     空を芋䞊げるず、䞀番星がひず぀、静かに茝いおいる。
     僕の倏は圌女を乗せたたた、二床ず垰っおこない終着点ぞず旅立っおしたった。

    了


    iさんの「颚たかせ文芞郚」に参加したした。
    お題は「倏の終着点」です。


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    茚城県で補造業かなり珍しいものに埓事しおいたす。 珟代ドラマの掌線、短線小説をメむンに投皿䞭。 たたにピアノで西村由玀江さんの曲を匟きたす。 ゜リスピア第6回超短線小説祭入遞。 第1回文苑堂54字の物語コンテスト最優秀賞特別賞。 第12回自䜜小説の䞀節コンテスト最優秀賞。

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