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境界線にたたずんで(歌詞)

宙をただよう 煙のくらげ
指からつながる 長い触手
髪にやさしくからみつき
観音竹の葉をなでる

しずかに話す 人々の
手元で たばこの火がはぜる
そう ここは谷の底
あなたは たしかにここにいた

網入りガラスの 向こう側
視界を くらくふさがれて
隙間に見える 細い青
谷の底から 見える青

境界線にたたずんで
届かぬ空の 夢を見る
陽の光 まぶしすぎて
指の先から ちりになる

これいいでしょ って 口元に
のぞく金歯を ゆびさして
小指のかけた 左手の
写真のなかで 子どもが笑う

あなたの 広い背中には
大きく咲いた 花の痕
綺麗だねって いう声に
少しはにかみ よそを向く

網入りガラスの こちら側
明けない闇を 連れたまま
隙間から見る 細い青
谷の底から ねたむ青

境界線で立ちどまり
ひたすら 夜を 見つめてる
月明かり やさしすぎて
おぼれることを ゆるさない

どちらのことばも はなせない
どちらにいっても どっちつかず

境界線にたたずんで
記憶を返す 細い空
あわいの時に ただよって
わたしは 夜を忘れない


生家の家業とそこで出会った人たち、見ていた景色を思い出しながら。「社会の底辺」と言われる環境でした。