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䌁業再生 逆からは始たらない             

    はじめに——倱敗した経営者が、なぜ再建を語れるのか

     倜、シャッタヌが降りた埌の冬の金沢の曞店。店長はいく぀もの棚の前で足を止め、本を眺めながら䞊べ替えおいた。手の動きを止めなかった。私は声をかけるタむミングを倱ったたた、゚アコンが切れた店内でその背䞭を芋おいた。それでも翌幎の春、その曞店は閉店した。

    私は䞀床、䌚瀟を朰しおいる。

     䞭小䌁業蚺断士の資栌を持ち、財務もマヌケティングも理屈は分かっおいた。それでも、その店を朰した。私は2004幎に取匕先であった金沢の曞店の売掛金の回収ず経営再建を呜じられお取次のトヌハンから出向した。たず手を぀けたのは、コストの圧瞮だった。数字から入れば組織は立お盎せるず信じおいた。3幎埌の2007幎、その曞店は倒産した。優秀な店長たちも誠実に仕事するパヌトの方々も職堎を倱った。出向だった私は、トヌハン本瀟に戻った。生涯の痛恚事である。

    その店長が私に蚀った蚀葉がある。
    「小島さん、本屋が売れない理由は、お客様が裏切っおいるからじゃない。本屋がお客様の期埅を裏切り続けおいるからなんだ」

     私にはその蚀葉の意味が、そのずきただ分からなかった。圓時の私は資金繰りが優先で、店の圚庫を枛らしお買掛金を削枛し、向き合うのは埓業員ではなく金融機関だった。人員敎理にも着手した。それは、疲匊した珟堎の力をさらに削いでいったが、圓時の私は気づきもしなかった。

     倱敗のあず、本瀟や支瀟での日垞に戻った私は改めお経営理論を通垞業務の䞭で自分の血ずし、肉にしお行った。6幎埌の2013幎、今床は愛媛の曞店に出向した私は2幎半でV字回埩を果たした。なぜ党く違う結果になったのか。しかも、リストラなしで。

     同じ業皮。同じ人間。真逆の結末。
    逆転の始たり。

    「私、蟞めたす」 その䞀蚀が䌚瀟を倉えおいった。
     䌁業再生には順番がある。どんな業皮でも逆からは始たらない。
     様々な経営理論を実践したリアルストヌリヌをお芋せしたす。

      

    第1郚 マネゞメント——組織を掻性化するキヌファクタヌは䜕か
     

      組織が壊れるずきも、再生するずきも、その構造は驚くほど同じだ。業皮は関係ない。2013幎の春、私は愛媛・山口・倧分を䞭心に80店舗を展開しおいた曞店チェヌン「明屋曞店」はるやしょおんの代衚取締圹ずしお束山に着任した。匕き継いだのは、5期連続赀字ずいう珟実だった。

     瀟員たちは新しい瀟長を埅ち構えおいた。敵意でも諊めでもなく、「䜕かが倉わるかもしれない」ずいう静かな期埅が挂っおいた。しかしその期埅は同時に組織の匱点でもあった。長幎オヌナヌ経営者の䞋で働いおきた瀟員たちは、䟋倖なく指瀺埅ちだった。自分で刀断し動く習慣が育っおいなかった。
     そんな䞭で䞀人だけ違う女性がいた。経理の田䞞さんだった。数字を正確に把握し問題の所圚を自分の蚀葉で説明できる。経営者ずしおの私が真っ先に頌るべき人間が、すでにそこにいた。

     この出䌚いが埌々、私に䞀぀の確信を䞎えた。営業は手足であり、補造は内臓であり、経営者は頭だ。しかし総務経理は背骚だ。背骚が脆匱な組織は、頭が正しく刀断しおも手足に䌝わらない。経営再建がうたくいかない䌚瀟の倚くは、この背骚が折れおいる。業皮が倉わっおも厩れ方には型がある。小売業でも補造業でも、珟堎が華やかなほどバックオフィスの脆匱さは芋えにくい。だからこそ、そこから厩れる。

     田䞞さんずの出䌚いから間もなく、私は党瀟員に向けお最初の挚拶をした。「私はトヌハンから出向しおきた人間です。しかし皆さんが倧切にすべきなのは、トヌハンでも出版瀟でもない。この店に来おくださるお客様です」

     そしお明屋曞店が倧切にする3぀のこずを宣蚀した。埓業員を倧切にする。顧客芖点を倧切にする。地域貢献を倧切にする。

     みんな、䞍思議な顔をしおいた。圓然だ。本屋の仕入先である取次䌚瀟から来た瀟長が、最初の挚拶で「取次のこずは気にしなくおいい」ず蚀ったのだから。
     しかし私には確信があった。日垞業務の優先順䜍を最初の蚀葉で決めおおかなければならない。仕入れ先の顔色を窺いながら顧客に向き合うこずはできない。明屋曞店を「お客様の期埅を裏切らない店」にしようず決心しおいた。
     新しいリヌダヌが最初に発する蚀葉は、その埌の組織の空気を䞀倉させる。着任の日から働く仲間に笑顔で挚拶し、話かけ続けた。

     ここで私が拠り所にしおいたのが、マツダミヒロが提唱する「シャンパンタワヌの法則」だ。それは、積み䞊げられたシャンパングラスの最䞊段から液䜓を泚げば、そのグラスが満たされお、䞋のグラスに溢れ出し、さらに䞋の段に続く。このタワヌの䞀段目が経営者、その䞋が埓業員、顧客、地域瀟䌚ずいう考え方だ。

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    シャンパンタワヌ



     顧客満足を掲げない䌁業はない。しかしその前に問わなければならないこずがある。埓業員は満足しおいるのか「こんな䌚瀟でやっおられない」ず感じおいる瀟員が顧客を満足させるこずなどできるはずがない。埓業員満足が顧客満足より前にある。順番を間違えおいる経営者が倚い。
    そしお私にも、その順番を問われる瞬間が来た。

     ある朝、北沢さんが私のずころぞ来お蚀った。
    「私、蟞めたす」。定期健蚺でがんが芋぀かったずいう。
    「これから怜査や治療で䌑み勝ちになりたす。みんなに迷惑をかけるから」ず圌女は蚀った。
    「保険はどうするんだ。治療費は。生掻費は」
    「でも、みんなに迷惑をかけるから」

     私は匕き留めた。ただし、それは単なる人情からではなかった。「埓業員を倧切にする」ず宣蚀した私の刀断を北沢さんだけでなく党埓業員が芋おいるず分かっおいたからだ。経営者の蚀葉が本物かどうかは、こういう瞬間にこそ詊される。
     
     匕き留めたあず、私は瀟内の実態を改めお芋枡した。女性が倚い職堎柄、圓時すでに乳がんや子宮頞がんで治療䞭の瀟員が圚籍しおいた。しかし管理職は誰も、がん患者ぞの適切な察応を孊んでいなかった。制床も知識も䜕もなかった。
     たず手を぀けたのは制床の芋盎しだった。䌑職期間を半幎から1幎に延長し、半日䌑暇も新蚭した。治療しながら働き続けられる環境を敎えた。仕組みがなければ、どれほど「倧切にする」ず蚀っおも蚀葉だけで終わる。
     そうしおいるず善意に偶然が重なっお、やがお四囜がんセンタヌずの連携が生たれ、党店長向けの「がん就劎支揎研修プログラム」が䜜成され四囜がんのスタッフの皆さんによる研修が半幎に亘っお行われた。北沢さんを匕き留めたあの朝の刀断が䌚瀟の制床を動かし、医療機関ずの連携を生み、明屋曞店再生ぞず繋がっおいった。北沢さんもその埌、治療を続けながら珟堎に戻った。

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    四囜がんセンタヌスタッフによる研修颚景


     明屋曞店が掲げる「埓業員を倧切にする」が実践された。
    䞀人を守る刀断が制床になる。制床になったものが次の誰かを守る。個人ぞの察応が組織の文化を䜜る——このこずを、私はあの出来事から䜓隓で孊んだ。
     人が困難に出遭うのは、がんだけではない。介護が始たる人もいる。出産を控えた人もいる。人生のどこかに必ず重たい局面がある。そのずき組織が「その人を守るのか芋捚おるのか」は、圓事者だけの問題ではない。䌚瀟の察応を党埓業員が芋おいる。そしおその答えが組織党䜓の士気を静かに倧きく巊右する。これは感情論ではなく経営の話だ。どの組織にも必ずこの瞬間が来る。

     明屋曞店に倉化の兆しが芋え始めた頃、私は各地域の店舗を蚪問しお回った。私のマネゞメントの軞は、ビゞネスコヌチングだ。答えを䞎えるのではなく、問いを立おる。珟堎の刀断を珟堎に委ねる。珟堎で気になる事には「なぜ、これを行っおいるか」を聞き、䞍合理なこずがないかに目を光られせた。品揃えは珟堎に任せた。みんな本が奜きで明屋で働く仲間だから。ここで経営者に 䞉぀の問いが生たれる。

    䞀぀目は「埓業員はコストですか財産ですか」

     コストず答えるこずを私は吊定しない。コストず芋切っおリストラしお経営再建する方法もあるからだ。ただ、私はその立堎を取らず財産ず考えおいた。

    二぀目の問いは「埓業員は道具ですか仲間ですか」だ。

     オヌナヌ経営者の䞭には埓業員を自分の目的達成のための道具だず無意識のうちに芋おいる人がいる。埓業員は䌁業目的を達成するための仲間だ。私は自らが講垫ずなり、時には倖郚から講垫を呌んで瀟員教育を継続しおいった。瀟員たちは日を远っお成長しおいった。品揃えを始めずする珟堎に私は殆ど介入しなかった。攟任はしないが委任した。委任された珟堎は掻発に動き始める。各店舗でそれぞれの工倫が生たれ、本瀟が指瀺しおいないこずが、あちこちで起き始めおいた。

     その倉化の手觊りを確かめるように、私は各店の朝瀌に加わり、同じ質問をした。「いたどき、スマホをクリックするだけで翌朝自宅に本が届く時代です。なぜお客様は、わざわざ明屋曞店に来おくださるのか」
    どの店でも最初、瀟員たちは黙った。「品揃えがいいから」「立地がいいから」。そういう答えが返っおくる店が倚かった。それも正解なのだろう。しかし私の心は動かされなかった。ある店の朝瀌で、児童曞を長幎担圓しおいるベテランのパヌト瀟員が手を挙げた。

    「私に䌚いに来るんじゃないですか」

     本を買いに来るのではなく、私に䌚いに来る。その䞀蚀が、曞店ずいう仕事の本質を蚀い圓おおいた。アマゟンには売れない䜕かが、この店にはある。それは本の圚庫でも䟡栌でもなく、そこにいる人間だ。呚りの瀟員たちの顔が倉わった。自分たちの仕事に意味があるず気づいた顔だった。

     商品ではなく人間が遞ばれる。䟡栌ずスペックが均質化した先に残る競争優䜍は、どの業皮でも同じだ。マネゞメントずは人に指瀺を䞎えるこずではない。人の䞭にあるものを匕き出すこずだ。

    人が動き始めた組織には䞉぀目の問いが埅っおいる。
    「誰のために䜕を売るのか」だ。

     

    第2郚 マヌケティング——誰のために、䜕を売るか

     売䞊が厳しいずき、経営者はすぐに「䜕を売るか」「どう売るか」に目が向く。しかし本圓に問い盎すべきは「䜕を売っおいるのか」だ。
     これは、「成功のレシピ」ずしお知られおいるサむモン・シネックが提唱する「ゎヌルデンサヌクル」の栞心である。「䜕を売っおいるか」を衚すWHY理念や䟡倀が明確になるず、HOW差別化ずWHAT商品は自ずず敎うず教えおくれる。敎った蚀葉は顧客に届く。
     「䜕を売っおいるのか」の問いの本質は「瀟䌚にどんな䟡倀を提䟛しおいるのか」にある。事䟋を玹介しよう。

     こんなこずがあった。ある地方での私の講挔䌚が終わった埌、䞀人の男性が歩み寄っおきた。䞭堅の運送䌚瀟の䞉代目専務だった。

     「最近、売䞊が厳しくお。どうしたらいいでしょうか」
      私は売䞊の話を聞く前に質問した。
     「あなたの䌚瀟は、瀟䌚に䜕を売っおいる䌚瀟ですか」
     突然の質問に圌は考え始めた。
     「  わが瀟は、信頌を売っおいたす」
     「いいね。では、その特長は」
     「䞁寧、迅速、芪切です」
     「なるほど。ではその匷みを、今どうお客様に䌝えおいたすか」
     「私たちは運送䌚瀟です。䞁寧・迅速・芪切な仕事をしたす」。

     これではWHAT䜕をずHOWどうやっおを䞊べおいるだけで、WHYなぜがない。なぜ䞁寧なのか。なぜ信頌にこだわるのか。それが䌝わらなければ、蚀葉はただのスペックの矅列に過ぎない。

     「WHYから始めおみたしょう。『私たちは信頌を䜕より倧切にしおいたす。䞁寧・迅速・芪切な仕事をする運送䌚瀟です』——これで、䌝わり方が倉わりたせんか」
     圌はゆっくりずうなずいた。「䌝わりたすね」ず蚀っお深く頭を䞋げ、䌚堎を埌にした。

    「あなたの䌚瀟は、瀟䌚に䜕を売っおいる䌚瀟ですか」を少し噛み砕いお説明する。コンビニが売っおいるものは「䟿利」。ドラッグストアが売っおいるものは「健康」。あなたの䌚瀟が瀟䌚に提䟛しおいる「䟡倀」を先に考えなくおは、すべおが砂䞊の楌閣だ。この問いの答えこそが、その䌚瀟の䌁業理念になる。瀟䌚における存圚意矩だ。

     ここからは、売䞊の話をしよう。売䞊は自動的には動かない。それは「売䞊を盎接䞊げるボタン」は、どんな業皮にも存圚しないからだ。しかし、業皮ごずに結果ずしお売䞊を動かすこずになるキヌファクタヌは必ず存圚する。
     これは私がコンサルタントずしお、様々な業皮の経営再建に関わる䞭で確信するようになった呜題だ。

     業皮も芏暡の違う幟぀かの䌁業の実䟋をみおゆく。きっずあなたの䌚瀟の参考になるはずだ。
     サヌビス業のキヌファクタヌはリピヌト率だ。新芏客をどれだけ獲埗しおも、䞀床きりで終わる顧客ばかりでは、売䞊の土台が積み䞊がらない。私が関わったあるサヌビス業の䌚瀟では、「おもおなし」ずいう蚀葉を経営の䞭心に眮いおいながら、リピヌト率が業界平均を倧きく䞋回っおいた。その店を再び蚪れる理由を顧客の偎に䜜れおいなかったのだ。

     私がこの䌚瀟の埓業員にお願いしたのは、たった䞀぀だ。来おくださったお客様に党力で向き合い、たた来たいず思っおいただくこず。満足した顧客は自分のSNSで新たな顧客を連れおくる。
     ドラッカヌが蚀う「顧客の創造」を、お客様自身がしおくださるのだ。リピヌト率ずいう定量的デヌタを向䞊させるために党員が目の前のお客様に誠心誠意に向き合う姿勢が生たれた。この定性的指瀺を党員が実践し続けるこずで、業瞟は急回埩しおいった。

     たったく事業芏暡が異なる事䟋ずしおスカむマヌクがある。2015幎に経営砎綻したスカむマヌクの経営再建を担った䜐山展生氏が求めたのは、第䞀に安党運航、そしお定時運航率の向䞊だった。
     囜内゚アラむンの䞭で定時運航率は最䞋䜍クラスに䜎迷しおいた。これを挜回するために地䞊職員もCAも敎備士も定時運航の䞀点に泚力しおいった。2017幎床には定時運航率が日本䞀ずなり、顧客の信頌は戻り、売䞊が回埩した。
     航空䌚瀟のキヌファクタヌは「定時運航率」だった。その結果「顧客満足床調査」も向䞊したのだ。䌁業の倧きさに関係なくキヌファクタヌはある。

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     キヌファクタヌは業皮によっお異なる。しかし経営者は埀々にしお、それを考える時間すら持おおいない。䜕の数字を動かせば売䞊が動くのか。これを考えるのがマヌケティングの始たりだ。

     九州で補造業を営む䌚瀟に経営盞談で呌ばれたずき、瀟長はこう悩みを話した。
     「ずっず、売䞊が厳しくお経営砎綻しそうです。どうしたらいいでしょうか」
     連続赀字が続き、借り入れも増え、銀行の目が光っおいた。債務超過寞前ずいう状況だった。
     私はたず、瀟長の䞀日の時間の䜿い方を聞いた。するず朝から晩たで、経理ず事務に远われおいた。本来もっずも営業センスがある人間が、数字の入力ず曞類の敎理に䞀日を費やしおいた。明屋曞店での経隓が私にある確信を䞎えおいた。田䞞さんが明屋曞店の背骚だったように、ここにも経理を担う人間を倖から連れおくる必芁があった。

    「経理を任せられるパヌトを採甚したしょう」
     瀟長の顔が曇った。
    「銀行から䜕を蚀われるか分からない。人件費を増やすのは怖い」

     赀字続きで銀行の監芖䞋にある経営者が、採甚をためらうのは圓然の心理だ。しかし私には確信があった。この䌚瀟の問題は売䞊ではなく瀟長の時間だ。その懞念を抌し切っお採甚に螏み切っおもらった。
     やがお斎藀さんずいう女性が採甚できた。経理の経隓が豊富で任せおみるず仕事が早く正確だった。斎藀さんが経理党般を匕き受けた途端、瀟長に時間が生たれた。

     その時間を瀟長は顧客のずころぞ足を運ぶこずに䜿った。営業の腕は業界でも評刀が高かった。営業されお満足した顧客が次の顧客を玹介する連鎖が生たれた。売䞊が動き始めた。連続赀字だった䌚瀟が、今や4期連続黒字に倉貌しおいる。
     䜕を倉えたか。売り方ではない。瀟長の時間の䜿い方だ。マヌケティングの問題に芋えおいたものが、実はマネゞメントの問題だった。そしお課題が解決されたずき財務が改善した。経営の䞉倧芁玠は別々に存圚するのではない。連動しおいる。この䌚瀟のキヌファクタヌはタむムマネゞメントだった。

     あるペット葬祭の䌚瀟の話しだ。ペットの凊分を自治䜓に䟝頌すれば3千円ほどで枈む。この䌚瀟の葬儀の客単䟡は公共機関の10倍以䞊だった。この䌚瀟のWHY理念は「飌い䞻の悲しみに寄り添い、癒しを届ける」だった。遺骚を䞁寧に揃え、お別れの時間を挔出し䜏職を呌んでの読経たで行う。祭壇たで蚭け、合同の月䟋法芁も執り行う。ペットを倱った埌も飌い䞻が安心しお蚪れられる堎所を創造しおいった。
     その䞊にドッグランを5぀䜵蚭した。飌い䞻にはドッグランで元気に走り回る蚘憶が、隣接するこの䌚瀟の名前ず共に刻たれる。芋えない圢でのマヌケティングだ。顧客は離れない。倀段で勝負しおいないからだ。䞖界芳で勝負しおいる。  

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                           貞し切りのドッグラン

     さらに面癜いのは、この䌚瀟が人材確保にほずんど困っおいないこずだ。求人はドッグランの利甚客向けの公匏ラむンで行う。働きぶりを間近で芋た人が「自分もここで働きたい」ず手を挙げる。第1郚のシャンパンタワヌを思い出しおほしい。経営者が埓業員を倧切にし、埓業員が顧客を倧切にする。その連鎖がなければ、どれほど立掟なWHYを掲げおも、絵に描いた逅で終わるが、この瀟長は埓業員を䞀番倧切にしおいる。だから、この䌚瀟が売っおいるものが飌い䞻に届いおいる。

     もう䞀぀、忘れられない経営者がいる。高玚フレンチレストランを営む瀟長の話だ。倧手デベロッパヌから䟝頌され、高速道路のサヌビス゚リアぞの出店が決たった。それず同時に別な堎所ぞの出店を求められた。四囜がんセンタヌの䞭の飲食スペヌスずコンビニフランチャむズ出店だ。
     私は反察した。資金的にも人材的にも、圓時のこの䌁業には重すぎる案件だった。 しかし瀟長は動じなかった。理由を聞いお私は蚀葉を倱った。

     「家族をあの病院で芋送ったんです。あそこで療逊しおいる患者さんに、本圓に矎味しいものを食べおほしい。それだけです」

    実際に圌は、ご飯を出すのに業務甚の倧型炊飯噚を䜿わなかった。
     「なぜ効率のいい業務甚を䜿わないのですか」
     「自宅で皆さんが䜿う炊飯ゞャヌを耇数賌入しお2時間眮きに炊き立おご飯を提䟛するんです。そうすれば、お客さたはい぀でも炊き立おを食べられたす」

     私には返す蚀葉がなかった。芋えないずころに手を抜かない。「本圓においしいものを食べおほしい。それだけです」に、少しの停りもなかった。
     損埗の話ではなかった。これはWHY理念の話だった。出店は倧成功し、䌚瀟の売䞊は3倍に䌞びた。信念が戊略を超えるこずがある。少なくずも私はこの経営者に、そのこずを教わった。
     「誰のために、なぜこの仕事をしおいるのか」が明確ならば必ず道は開ける。このこずは、私自身が再建を任された明屋曞店でも問われ続けた問いだった。

     経営再建には順番がある。財務から始めるず倱敗する。この順番の話は、出版界のように芏制の倧きい業界だけでなく、叀い制床に瞛られおいる業界でもこの順番が生きる。芏制で課題解決の手立おを芋倱っおいる蚺療報酬制床の医療業界や自動運転さえ始たらないタクシヌ業界などでも再建の糞口になるはずだ。

     話を明屋曞店に戻す。明屋曞店でも、同じ問いを立おた。「この店は、瀟䌚に䜕を売っおいる曞店ですか」——その答えが出たずき、マヌケティングの戊略が根本から倉わった。
     コンビニが売っおいるのは利䟿性だ。ドラッグストアが売っおいるのは健康ぞの安心だ。では、あのころの明屋曞店は䜕を売っおいたか。本を売っおいた。それだけだった。WHYがなかった。誰のための曞店か、地域瀟䌚に䜕を届けるのか、その問いに答えられおいなかった。それが5期連続赀字の根っこにある問題だった。

     明屋曞店のマヌケティングの立お盎しは、品揃えの改革だけでなく、WHYの再定矩から始たった。人は自分の仕事に意味を感じたずきに初めお本気で動く。
        私の定矩は「明屋曞店はお客様の明日を売っおいる」だった。

     曞店の売䞊を䞊げるキヌファクタヌは商品回転率だ。売れない本が棚を占領しおいれば、売れる本が䞊ぶ䜙地がない。いくら接客を磚いおも、顧客が欲しい本が棚にない店に人は来ない。「本屋がお客様の期埅を裏切っおいる」状態なのだ。
     そこで私は、店長から棚担圓のパヌトに至るたで「商品回転率」の向䞊を求めた。本は返品できる。単品管理もできおいる。党員が本を回転率で眺めるようになった。売れ行きの悪い本は返品し、その分を党囜の売れ行きデヌタから売れ行き良奜曞を仕入れた。結果ずしお売り堎は売れ行きの良い本が䞊び、売䞊が䌞びた。


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    明屋曞店の児童曞売り堎



     この定量的管理の次に行った定性的管理ずしお店長に蚀った事がある。「自分の店に、あなたにずっお䞀番倧切な家族や芪兄匟、恋人を連れおきお、『自分がここの店長だ』ず胞を匵っお蚀える店にしおください。必芁な経費は準備したす」みんな存分に働き始めた。家族に誇れる店は必ずお客様にも喜ばれる。

     明屋曞店が掲げる「顧客芖点を倧切にする」が実践された。

     明屋曞店の経営が奜転するようになっお、地域にお返しする方法はないかを考えおいた。それが、愛媛県内の児童逊護斜蚭10か所ぞの本の寄莈だ。圓時の明屋曞店は県内に26店あったから斜蚭に近くに店舗があった。12月䞊旬に子どもたちに店に来お貰っお、自分で奜きな本を遞んでもらい、クリスマスに曞店員たちがサンタクロヌスの栌奜で斜蚭に出向いお本を莈った。
     このクリスマスむベントが終わっおから、い぀も沢山のお瀌のお手玙をもらうが、ある幎に忘れられない手玙を貰った。

    僕は明屋曞店の皆様からいただいた「定期テストきそからぐんぐん䞭孊地理」ずいう本でさっそく勉匷させおいただいおいたす。僕は受隓生で来幎は受隓したす。なのでこの本に力を借りお、地理の知識をしっかりず身に぀けお志望校に合栌したいず思いたす。この本をこれからも倧切な冊ずしお、持ち続けおいきたいず思いたす。僕の目暙は、瀟䌚のテストで点取るこずです。この目暙を達成するため、今日からこの本でこ぀こ぀勉匷しおいきたす。本圓に本をもらっお嬉しいです。ありがずうございたす。絶察に志望校に合栌したす

     クリスマスプレれントに参考曞を遞ぶ䞭孊生がここにいる。そんな圌に现やかな応揎ができた私たち。本屋をやっおいお良かったず心から思えた。

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     これが明屋曞店のWHYの実践だった。本を売るこずが仕事ではなく、本を通じお人ず地域を元気にするこずが仕事だ——その定矩が倉わったずき、曞店員たちの目が倉わった。接客が倉わった。売堎が倉わった。

    明屋曞店が掲げる「地域を倧切にする」が実践された。

     この掻動を私は地元メディアにも積極的に䌝えた。目的は二぀あった。䞀぀は明屋曞店の掻動を地域に知っおもらうこず。もう䞀぀は、その報道を芋た埓業員ず家族が自分たちの仕事を誇らしく感じるこずだ。人は理念に共感するずき、最も匷く動く。これは、感情を持たないAIには、決しお思い぀くこずがない経営刀断だ。

     業皮や芏暡は違っおも、問いは同じだ。「あなたの䌚瀟は、瀟䌚に䜕を売っおいるのか」その答えが定たったずき、組織は数字ず向き合う準備ができる。WHYが定たり、キヌファクタヌを远い始めたずき、組織の数字は動き出す。明屋曞店が5期連続赀字からV字回埩を果たしたのは、この順番を守ったからだ。では、財務はどう倉えたのか。

     

    第3郚 財務——数字は結果である

     着任しお間もない頃の話だ。私は明屋曞店再建のキヌパヌ゜ンである田䞞さんに頌んだものがある。
     「盎近の損益蚈算曞を芋せおもらえたすか」
     田䞞さんは少し間を眮いおから、きれいに綎じられたファむルを持っおきた。数字は敎然ず䞊んでいた。売䞊、原䟡、販管費、営業利益。フォヌマットも正確で、圌女の経理ずしおの仕事は䜕も問題がない。しかしながら、厳しい経営実態が描かれおいた。毎月瀟長に䞊げおいたのかず聞いたずころ、毎月芋せおいたそうだが、特段の指瀺も察策もなかったそうだ。

     それが、すべおを物語っおいた。決算曞は毎月「䜜られ」、毎月「枡され」、そしお誰にも「読たれおいなかった」。数字は揃っおいた。しかしその数字を経営の刀断に䜿った圢跡が、どこにもなかった。「決算曞を䜜るこず」ず「決算曞を読むこず」は、党く別の技術だ。そしお倚くの䌚瀟では、前者だけが行われおいる。䞭小䌁業の堎合「決算曞を経営に掻かす」ずなるず極めお少数だ。

     財務に぀いお話すずき、私はある補造業の瀟長のこずをよく思い出す。その䌚瀟で続いおいた赀字がようやく止たり黒字に転じた頃、私は瀟長に呌ばれた。圌には手応えがあった。「これで銀行も安心しおくれるはずです」ず圌は蚀った。ずころが金融機関ずの面談から戻るず腑に萜ちない顔をしおいた。

    「利益が出おいるのに、なぜ銀行は枋い顔をするんでしょうか1期だけじゃダメなんですかな」
    「いえ、そんなこずはありたせん。黒字転換を喜んでいるず思いたすよ。ただ、手攟しでは喜べない」
    「それは、どういう意味ですか」
     私は䞀぀だけ聞いた。「幎間の元金返枈額は、いくらですか」
     沈黙があった。
    「それは  経理に確認しないず」

     私が経営者に必ず最初に䌝える蚈算匏がある。
        圓期玔利益  枛䟡償华費  元金返枈額幎間

     これだけだ。難しい説明はいらない。自分の䌚瀟の数字をこの匏に圓おはめお、右蟺ず巊蟺を比べるだけでいい。それができない経営者が、銀行ず察等に亀枉できるはずがない。䞊蚘の匏のように右蟺より巊蟺が倧きい䌁業に金融機関は䞀切文句を蚀わない。これが逆だず、枋い顔になる。
     初めお、この匏を芋た瀟長の衚情は戞惑いに満ちおいた。そうしお決算曞から数字をこの匏に圓おはめた瞬間、静かに蚀った。

     「぀たり私は、利益が出おいおも、珟金を食い぀ぶしおいたずいうこずですか。それじゃあ銀行だっお、ただ良い顔したせんよね」玍埗した圌の衚情が䞀転しお明るく倉わっおいった。

     そうだ。その通りだ。「珟金が王様」ずいうのが経営の珟実なのだ。財務が「分かる」ずは決算曞を眺めるこずだけではない。回転しない圚庫は眠っおいるお金だ。売掛ず買掛のタむミングがずれれば、黒字でも資金は止たる。お金がどこから来お、どこで止たっおいるかを自分の蚀葉で説明できるこず——それが経営者が「経理を分かる」ずいうこずだ。

     䌚瀟の背骚である総務・経理が敎った瞬間に頭である経営者が正しく働き始めるこずができる。マネゞメントで組織を立お盎し、マヌケティングで顧客ぞの向き合い方を倉え、そしおようやく財務が改善する状態になる。この順番は、業皮や芏暡が違っおも同じだ。逆からは始たらない。

     話を明屋曞店に戻す。
     組織が動き始め、売堎が倉わり、数字が少しず぀䞊向きになっおきた頃、私は別の角床から財務に手を入れるこずにした。売䞊を䞊げる努力ず䞊行しお「芋えおいないコスト」を探すこずだ。

     最初に目を぀けたのは電気代だった。曞店は照明が呜だ。本を矎しく芋せるためにも、長時間の営業を支えるためにも倧量の電力を消費する。党店の電気代を確認したずき、その合蚈額の倧きさに驚いた。しかしそれ以䞊に驚いたのは、誰もその数字を「問題」ずしお認識しおいなかったこずだ。電気代はずっずそこにあり、ずっず払われ続け誰も疑わなかった。

     たずLED照明ぞの党店切り替えに着手した。初期費甚が億円ず蚀われたものをれロに抑える方法があった。レンタルだ。自前で賌入すれば億単䜍の投資になるが、レンタルなら初期費甚は䞍芁で、レンタルフィヌは電気代の削枛分の䞭から賄いながら導入できる。次に電力䌚瀟を芋盎し新電力ぞ切り替えた。さらに着目したのが契玄電力の仕組みだ。高圧受電の堎合、契玄電力は過去1幎間の最倧需芁電力で決たる。䞀日のうち䞀瞬でも䜿甚量が跳ね䞊がる時間垯があれば、それが䞀幎間の契玄単䟡を抌し䞊げ続ける。

     ゚アコンの起動を分散させるこずにした。開店前に党台を䞀斉に動かすのをやめ、午前9時半ず10時半の二回に分けおスむッチを入れる。電力のピヌクを抑えるだけで電気代が倉わる。
     こうしお電気代は幎間で6,400䞇円䞋がった。レンタル費甚が幎間3,000䞇円掛かったから、初期費甚無しで幎間の差し匕き玔削枛額が3,400䞇円になった。

     もう䞀぀、倧きな数字を生んだのは売堎の時間分析だった。
     曞店の仕事は午前䞭に集䞭する。取次から届いた荷物を開け䌝祚を確認し、本を所定の棚ぞ䞊べる。この䜜業が終わるのが昌前埌で、そこから先が本来の販売時間になる。
     しかし明屋曞店の店舗は郊倖立地が䞭心だ。郊倖店の平日の倕方は、正盎なずころ暇だ。忙しい時間垯はずうに終わっおいる。ならば、パヌトタむムの瀟員に午埌3時に䞊がっおもらえばいい。各店舗で2人ず぀、2時間早い午埌3時退勀に切り替えた。
     パヌトタむムの瀟員の倚くは䞻婊だった。3時に垰れるず聞いお喜ばない人はいなかった。子どものお迎えに間に合う。倕飯の支床に䜙裕ができる。「こんなに働きやすい職堎はない」ずいう声が次々ず返っおきた。

     蚈算しおみた。時絊750円×2人×2時間×30日×80店舗×12カ月。答えは8,640䞇円だった。時絊は圓時のもの

     誰かを解雇したわけではない。珟堎の時間構造を正確に把握し、無駄な拘束時間を敎理しただけだ。電力削枛の3,400䞇円ず合わせるず、幎間の削枛総額は1億2,000䞇円を超えた。
     数字を読む習慣のない経営者の目の前では、毎幎これだけの額が圓たり前のように流れ出おいくコスト。芋えおいないだけで、そこに確かにある。
     問題は、そのお金をどう䜿うかだった。
     私は生み出した原資の䞀郚を埓業員に還元するこずにした。圓時の明屋曞店には、賃金カヌブが存圚しなかった。幎功に応じお絊䞎が䞊がる仕組みがなく、定期昇絊の制床もなかった。長く勀めた瀟員が報われない構造が静かに組織の士気を削いでいた。

     瀟歎に応じお月額で䞀人最䜎2千円、最高4䞇円たでの昇絊をしお賃金カヌブを䜜った。瀟員1人あたりで月平均1䞇円の賃䞊げになった。瀟員は200名だから月に200䞇円で幎間でも2,400䞇円にしかならない。削枛総額の2割以䞋で賄える蚈算だ。

     1億2,000䞇円が䌚瀟の景色を倉えた。その原資が北沢さんたちの絊䞎になり、制床になり、組織の空気になった。

     瀟員䞀人ひずりに声をかけお回るずころから始めた。北沢さんを匕き留め、制床を敎えた。売堎のWHYを問い盎し、児童逊護斜蚭に本を届けた。そしお財務の目を持っお、芋えおいたコストを削り、生たれた原資を人に戻した。数字は結果だ。その結果を匕き出したのは、金沢で倱敗した自分の過去に向き合ったあの日だった。

     

    おわりに——逆からは、始たらない


     私は2007幎、金沢で愛されおいた本屋を朰した。
    あれから20幎近くが経った今も、あの店長の背䞭ず蚀葉が消えない。シャッタヌが降りた埌も寒い店内の棚の前に立ち止たり本を觊っおいたあの人。今どこで䜕をしおいるのか私は知らない。知る術もない。

     あのずき私が間違えたのは、技術でも知識でもなかった。順番だった。財務から手を぀け、人のこずは埌回しにした。背骚の折れた組織に、どれほど正確な指瀺を送っおも届かない。頭は動いおいおも手足は止たっおいた。
    明屋曞店では、最初の䞀日から順番を倉えた。

     自分ずいうグラスをたず満たした。なぜここにいるのか。䜕のために再建するのか。その問いに答えを持っおから、毎朝瀟員䞀人ひずりに声をかけた。人が動いた。売堎が倉わった。数字が぀いおきた。

    その実瞟は、党囜300䞇瀟の䞭小䌁業デヌタをもずに売䞊・利益・雇甚の䞉面から評䟡する週刊ダむダモンド誌「2016幎地方『元気』䌁業ランキング」で明屋曞店が党囜で1䜍になるずいう圢で衚れた。

     今も私は各皮の䞭小䌁業の支揎・再建に携わりながら、垞に同じ問いを持ち歩いおいる。「あなたの䌚瀟は、瀟䌚に䜕を売っおいる䌚瀟ですか」

     いく぀もの組織を芋おきお、蚀えるこずがある。元気な組織に共通するのは、財務の良さでも、経営者の発信力でも、業歎の長さでもない。「この仕事に意味がある」ず感じおいる人間が䞀人でも倚くいるこず。それだけだ。
    意味は䞊から䞎えられない。問うこずで匕き出される。

     あの曞店のベテランパヌトが「私に䌚いに来るんじゃないですか」ず蚀った瞬間、呚りの瀟員の顔が倉わった。倖から持ち蟌たれた答えでは人は倉わらない。自分の䞭にあったものが蚀葉になったずき、人は初めお本気で動く。
     北沢さんが珟堎に立っおいるずいう話を聞くたびに思う。あの朝の刀断が損益蚈算曞に衚れるこずはない。しかし圌女がいる職堎の空気が、呚りの士気が、時間をかけお数字になっおいったこずは間違いない。

     ここで玹介したものは、私が倱敗の経隓から孊んだこずず、先人たちが積み䞊げおきた知恵だ。私はそれを怜蚌し、実行し成果を出した。だからこそ再珟性がある。

     経営は因果だ。今日の人ぞの接し方が、3幎埌の財務に必ず出る。マネゞメントで人が動く。マヌケティングで売䞊が生たれる。財務が改善する。この埪環が回り始めたずき、組織は初めお「元気」ず呌べる状態になる。逆からは、始たらない。AIが経営刀断を補助できる時代だからこそ、血の通ったこの順番がより重芁になる。

     私はようやく金沢のあの店長の蚀葉の本圓の意味が分かる。『本屋がお客様の期埅を裏切り続けおいるからなんだ』——あの蚀葉は、どんな業皮にも圓おはたる。あなたの組織は今、誰の期埅に応えおいるのか

    玹介しおいる事䟋はすべお事実に基づく。登堎人物名や業皮は倉曎しお䜿甚しおいるものもある


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