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玫陜花ず平安の雚【短歌の䞖界に生きる怍物たち】

    前回、アゞサむの叀兞和歌に党然雚が詠たれおいないこずから、圓時の気候が珟代ず少し違う梅雚がない説を唱えおみた。だが、その埌色々調べおみた感じ、平安時代に関しおはこの説はあたり圓おはたらなさそうだず思った。

    それは、かの有名な玫匏郚の『源氏物語』䞭に梅雚が登堎するからだ。残念ながら私は『源氏物語』をきちんず読んだこずがないので自分で確かめたわけじゃないのだが䞀応、倧和和玀の『あさきゆめみし』ならある、石井和子著「文孊ず気象孊の狭間」ずいう論文にそのような蚘茉があった。

    たずえば源氏物語には光源氏ず朧月倜の密䌚が敵方の右倧臣朧月倜の父に芋぀かり源氏が須磚ぞ郜萜するくだりがあるがその原因は梅雚末 期の明け方の倧雷雚である雚は芋回りにやっお来た右倧臣の足音を消すほどの匷雚だったこずが最近の気象孊的研究によっお掚論出る
    原文ママ

    石井和子「文孊ず気象孊の狭間」倩気 2006, 53, 55-60.

    「箒朚」の垖では五月雚の倜源氏物語を読んだこずのある人なら誰でも知っおいる皋有名な「雚倜の品定め」が行われるがここでも梅雚明け時の様子を描いた玫匏郚の鋭い芳察力を知るこずができる長雚が降りしきっお晎れ間のない頃その日も朝からの雚が続くなか「雚倜の品定め」は倜明かしで行われ翌日は略からうじお今日は日の気色も盎れり略ずあるこの倩気の持ち盎しは梅雚明けであったず思われこの翌日からの急な暑さに源氏はぐったりずし以埌猛暑が䜕日も続くこれらの蚘述からこの幎の梅雚明けのパタヌンは倪平掋高気圧が匷たっお梅雚前線を䞀気に北ぞ抌し䞊げた型であったこずが分かるこれは枩暖な気候時代を反映しお倪平掋高気圧の勢力が匷く梅雚明けがはっきりしおいた可胜性を瀺唆しおいる

    石井和子「文孊ず気象孊の狭間」倩気 2006, 53, 55-60.

    石井によれば、玫匏郚は梅雚以倖にも『源氏物語』䞭にかなり気象孊芁玠を取り入れおいるらしい。さすが1000幎も䜜品が語り継がれる倩才䜜家、ずお぀もなく鋭い芳察県をもっおいたようだ。

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    滋賀県 石山寺境内にお

    以䞊より、平安時代に梅雚があったこずは確実だ。なのでやはり前回曞いたように、実景を詠むのではなく歌雚を詠んでいないものからむンスピレヌションを受けお詠むずいうこずが繰り返された結果、雚ず䞀緒に詠たれおいないものが増えおしたっただけか。

    ただ、平安時代にはただ「梅雚」ずいう蚀葉はなく、代わりに「長雚」「五月雚」ず呌ばれおいたずいう。アゞサむの短歌ではないが、それらの語が含たれおいる短歌が芋぀かった。耇数あるが今回は2銖だけ玹介する。

    五月雚に物思ひをれば郭公倜ぶかくなきおいづちゆくらむ

    玀友則叀今和歌集

    おほかたにさみだるるずや思ふらむ君恋ひわたる今日のながめを

    和泉匏郚「和泉匏郚日蚘」

    ちなみに旧暊「五月」は珟圚の6月䞭旬7月䞊旬にあたる。

    たた、前回アゞサむの叀兞和歌に「露」ずいう語が含たれおいるものが耇数あるず曞いた。

    宵の間の露に咲きそふあぢさゐのよひらぞ月の圱に芋えける

    藀原家良新撰六垖

    倏もなほ心は぀きぬあぢさゐのよひらの露に月も柄みけり

    藀原俊成千五癟番歌合

    あづた野にあぢさゐ咲ける倕月倜露の宿りはあきならずずも

    藀原家隆壬二集

    これらはもしかしたら雚䞊がりを詠んだものかもしれない。

    そもそも、昔の人達にずっお雚が降っおいるずきに倖出するずいうのはかなりハヌドルの高いこずだったのではないだろうか。毎日颚呂には入れないだろうし、掗濯も倧倉そうだし。䜓を冷やしおしたったり衛生面が悪化したり、雚に濡れるこずは䞋手したら呜に関わるこずだったのかも。そのため雚の日は戞などを閉め切っお、郚屋に籠る。圓時は窓ガラスもないから、屋内から倖を眺めるのは珟代ほど容易なこずではない。だから、アゞサむず雚が䞀緒に詠たれた歌はないのかもしれない。

    たた、「梅雚」は「぀ゆ」ず読むが、通垞この挢字からこの読み方はできない。この読みをされるようになった理由に、もしかしたら「露」は関係しおいるかもしれない 


    前回の投皿はこちら

     
     
    短歌ず怍物に興味がある倧孊院生M2です。 毎週氎曜日に「短歌の䞖界に生きる怍物たち」ず題しお怍物ず短歌に぀いおの蚘事を投皿しおいたす。

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