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電車で助けてくれたきみは、クラスの人気者でした第10話



    教室に着くと、桜井くんはもう自分の席にいた。窓から差しこむ朝の光のなかで、ノートに何か書いている。その横顔は、やっぱりまぶしくて、直視できない。

    席に着こうとしたそのとき、桜井くんがふと顔を上げて、私を見た。「あ、おはよう」。先に、言われてしまった。あっさりと、当たり前みたいに。

    頭が真っ白になる。でも、ここで逃げたら、きっとまた後悔する。震える唇を、私は必死に動かした。

    「お、おはよう……ございます」

    最後に変な敬語がついてしまって、声もかすれていた。それでも、言えた。生まれてはじめて、自分から桜井くんに言葉を返せた。桜井くんは少しだけ目を見開いて、それから、ふっとやわらかく笑った。「ございます、って」。おかしそうに、けれど、ばかにするところはまったくない笑い方だった。

    席に着いてからも、心臓がしばらく鳴りやまなかった。たった一言で、世界が、ほんの少しだけ色を変えた気がした。

     
     

    TAKA

     
     
    TAKAです。 年齢は40代後半です。 今生成AIにハマって音楽作成、漫画作成してます。 8月に生成AIパスポートを取ろうと勉強中です。 平日の昼間は工場で働き、週3で夜、飲食店で働き土日祝日の昼間は朝から夕方まで居酒屋で働いてます。 仕事はいろんな職種をやったので書いていきます

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