
看護師なのに入院中に脱走を企てた、まさかの結末
「私、ちょっと帰ってくるね」
病室で、闘病仲間の友達に、そう声をかけました。
看護師なのにーー
ちょっと…家に帰ろうとしたんです。
これを世間では「脱走」と言うらしいです。笑
つらかった日々のこと
あの頃は、毎日38度を超える熱が続いていました。
薬で下げても、またすぐに上がる。
外来では輸血だけの日々を送っていました。
原因がわかるまで、いくつもの検査を重ねて…
そして診断がついた後、緊急入院になりました。
あまり頭が回らない中、看護師の私が登場。
「ベッド、空いてるのかな…」
なんて、空き具合を気にしてる私。
「入院」の2文字でーーー
やっと…この辛さから解放される。
そう強く思いました。
( 食事や病室での日々のことは、また別の記事で♡ )
少し楽になってきた頃
プレドニンパルス療法は、入院してすぐに始まりました。
1ヶ月ほどすると、少しだけ楽になってきた気がしましたね。
でも、まだ終わりじゃない。
今度は、また別の治療が始まる。
楽になったようで、楽になっていない。
そんな、どっちつかずの日々が続いていました。
脱走の話
自由に動けない毎日。
部屋からもあまり出ちゃいけない。
会える人は母だけ。
その中で、特に辛かったことが 2つ ありました。
ひとつは、隣のベッドの家族が入れるドリップコーヒーの香り。
一瞬にして、病室がカフェになる〜☕️
私は腎臓を壊していたので、
大好きなコーヒーを飲むことができなかったんです。
その香りがふんわり流れてくるたび、泣いていました。
もうひとつは、実家に預けていた鳥ちゃんのこと。
おしゃべりが上手な鳥ちゃん。
あの声が聞きたかった。
あのふわふわの体を、手で感じたかった。
包み込みたかった。
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ベッドから見える景色に、線路がありました。
その電車に乗れば、たった3駅ほどで家に着きます。
そう思うと、なんだか線路がすぐ近くにあるように感じたんです。
手を伸ばせば、電車に触れるんじゃないか…
ちょっと飛び越えれば、そのまま乗れそうな…
そんな気さえしていました。
毎日見る景色は今日も変わらない。
そんな景色の中、電車だけが動いていく。
私はその電車には乗れない。
そう思うと、胸が押しつぶされそうな苦しさがありました。
そんな日々が続いていた私は、
気付かないうちに限界を超えていたんですよね。
「ちょっと家に帰ってくるね(こころの中は👍な感じ💕)」
病室で、闘病仲間の友達に、そう声をかけました。
看護師なのに——
ちょっと…家に帰ろうとしたんです。
これを世間では「脱走」と言うらしいです。笑
本人はいたって真面目。
真面目も真面目!大真面目〜
いなくなったら、友達を心配させてしまう。
だから、ちゃんと一言、伝えてから帰ろうと思ったんです。
パジャマを着替えて〜
Suicaにはお金も入っている。
帰る手順は、も〜ばっちり😆!
あとは、声をかけるだけ。
そう思っていたのにーー
「すずめちゃん、それはだめだよ。帰っちゃだめだよ」
その一言に、私は素直でした。
「そうかー……だめかー……」
あっさり、脱走をやめました。
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その日の夕方、いつものように研修医の先生が顔を出しました。
私は笑いながら、こう言ったんです。
「せんせー!
今日ちょっと帰ろうと思ったんだけど、
〇〇ちゃんに言ったら、ダメだって言われたからやめたんです(ニコッ♡)」
その瞬間、先生の顔から笑顔がスーッと消えました。
真顔になって、私の話を真剣に聞くと、
そそくさと部屋を出ていったんです。
「今日は帰るの早いなぁ、忙しいのかな」
なんて、私はのんきに思っていました。
この時の私…完全にイカれている…
このヤバさ…尋常じゃない…
ヤバいヤバい…
しばらくして、主治医の先生と研修医の先生が、2人でやってきました。
主治医の先生も、どこか硬い笑顔で、優しく語りかけます。
「週末、ちょっと外泊でもどうかな?」
外泊許可キターーーーーーーーーーー❤️❤️
まさかの展開!!
そして私は結局、脱走はしませんでした。
でも、病院から一時脱出することができました😘
私としては、結果オーライ。
予定通りその週末、外泊に出かけました。
あまり歩けないのにーー
足取り軽く〜笑
今、振り返って思うこと
あの頃、私はかなり参っていました。
薬の影響もあったと思います。
でも、それだけじゃなく、心もかなりぎりぎりでした。
もしあの日、脱走しようとしなかったら…
外泊することなく、そのまま入院を続けていたら…
私は、どうなっていたんだろう。
今考えると、少し怖くなります。
長く入院するというのは、思っている以上に、
心に重くのしかかるものなんだと思いました。
私は、がっつり患者になってから、
看護師だった頃の自分を、よく振り返ります。
すずめ看護師は、ちゃんと看護していたのかな。
その「ちゃんと」って、何だろう。
そんなふうに、深く考えることもあります。
「寄り添う」という言葉は、看護の現場でよく使われます。
でも、本当に寄り添うって、思っていたよりずっと難しい。
患者さんの本当の辛さは、患者さん自身にしか、わからない。
そこに寄り添う看護師は、やっぱり難しい。
私は、両方の気持ちがわかるから——
それぞれに、語りかけたくなるんです。