
会社員のまま、選択肢を増やすということ
最近、自分の中でよく考えていることがあります。
それは、
「会社を辞めるか、残るか」
だけがキャリアの選択肢ではない、ということです。
キャリアの話になると、どうしても大きな決断に目が向きがちです。
転職するのか。
今の会社に残るのか。
独立するのか。
副業で稼ぐのか。
もちろん、それぞれ大事な選択肢だと思います。
ただ、現実には、多くの人がいきなり大きな決断をできるわけではありません。
生活もある。
家族もいる。
今の仕事で向き合わなければならないこともある。
だから最近は、こう考えるようになりました。
会社を辞めるかどうかよりも、
会社員のまま、少しずつ自分の選択肢を増やしていくことの方が大事なのではないか。
遠回りした経験も、あとからつながる
自分自身、決して順調なキャリアを歩んできたわけではありません。
人材業界で営業をしていた頃は、新規開拓が思うようにいかないこともありました。
今振り返ると、勢いだけでは通用しない場面も多かったように思います。
一方で、今関わっている法人向けサービスの仕事では、顧客理解やヒアリングの難しさを感じることがあります。
こちらが良いサービスだと思っていても、お客様にとって本当に今必要なのか。
どこに困っていて、どこまでなら変えたいと思っているのか。
その温度感をつかめないと、提案は簡単に空回りします。
その時々では、うまくいかないことも多くありました。
でも、振り返ると、その一つひとつが今の自分の土台になっているように感じます。
新規開拓で苦労した経験があるから、相手との接点の作り方を考えるようになった。
ヒアリングで難しさを感じているから、顧客の本音や温度感を大事にするようになった。
転職や仕事の変化を経験したから、環境ごとに求められる力の違いを意識するようになった。
遠回りに見えた経験も、あとからつながることがあります。
仕事が変わると、求められる力も変わる
これまで仕事をしてきた中で感じるのは、扱う商材や役割が変わると、求められる力も大きく変わるということです。
有形商材の営業では、人間関係や人情のようなものが大切になる場面がありました。
もちろん、機能や仕様の理解も必要です。
ただ、それだけでは動かないこともあります。
相手との関係性。
これまでの信頼。
現場での距離感。
そうしたものが、商談の流れに影響することもありました。
一方で、無形商材やサービスの提案では、より論理的に価値を説明する力が求められると感じています。
なぜ今必要なのか。
何が課題なのか。
導入すると何が変わるのか。
人間関係だけではなく、合理的に納得してもらうことが必要になります。
また、営業はある程度、個人プレーで動ける場面もあります。
しかし、企画や新規事業になると、チームプレーの要素が一気に強くなります。
社内の調整。
関係部署との連携。
外部パートナーとの協業。
販路やアセットの活用。
一人で頑張れば何とかなる、という世界ではありません。
やっている内容は変わっても、自分の勝ちパターンを知ること。
そして、その環境ごとに求められる勝ち方を理解すること。
それが、仕事を進めていくうえで大事なのかもしれないと感じています。
実務の現場には、きれいごとだけではない学びがある
今の仕事では、法人向けサービスや車両管理、DXに関わる中で、現場のリアルを感じることがあります。
特に感じるのは、思っていた以上に現場はアナログだということです。
紙やExcelで回っている業務も多い。
人の手で確認していることも多い。
現場ごとのやり方もあります。
ただ、それがすべて悪いわけではありません。
アナログでも現場がうまく回っているなら、無理に変える必要はない場合もあります。
DXとは、何でもデジタル化することではなく、泥臭い業務の中にある負担やリスクを、少しずつ減らしていくことなのだと思います。
だからこそ、法人向けサービスの価値を伝えるのは難しいです。
特に車両管理のようなサービスは、なくても今日の業務は回るかもしれません。
いわゆる「Nice to have」に見えやすい領域です。
だから、無理に契約をすすめるのではなく、まずは今の管理方法にどんなリスクや負担があるのかを一緒に整理することが大事なのだと思います。
展示会や商談でも、同じように学ぶことがあります。
展示会では反応が良く見えても、実際の商談になると温度感が変わることがあります。
逆に、最初は反応が薄く見えても、話を深掘りすると具体的な課題が出てくることもあります。
会議室で考えていた仮説と、現場で聞く声には、やはり差があります。
その差を知ることが、実務の面白さでもあり、難しさでもあります。
新しいことを進めるには、つながりも大事になる
新規事業についても、最近よく考えます。
自社のアセットを活かした新規事業であれば、まだ勝ち筋を作りやすいと思います。
一方で、技術もなく、販路もなく、既存事業から大きく離れた領域に挑むのは簡単ではありません。
ただ、既存事業から離れた領域であっても、外部パートナーとの協業を通じて新しい可能性を探ろうとする企業には、一定の覚悟や戦略性があるのだと思います。
結局、新しいことを進めるには、技術やアイデアだけではなく、パイプやつながりも重要になります。
誰と組むのか。
どんな接点を持つのか。
どこに自社の強みを活かせるのか。
そこを考え続けることも、新規事業やサービスづくりには必要なのだと思います。
この「つながり」の大切さは、会社員として働く中でも、個人で発信や出版を始めてからも感じています。
発信や出版は、経験を資産に変える行為かもしれない
最近、noteやLinkedInで発信をしたり、Kindleで本を出したりする中で、改めて感じていることがあります。
それは、自分の経験を本当に必要としている人に届けるのは、とても難しいということです。
書けばすぐ読まれるわけではありません。
本を出せば、すぐに誰かに届くわけでもありません。
大学などに寄贈の相談をしても、簡単に反応が返ってくるわけではありません。
それでも、自分の経験が誰かの役に立つかもしれないと思えることはあります。
会社の外にも、小さな接点を作れる感覚があります。
すぐに収益になるわけではなくても、信用の種になるかもしれない。
そして何より、書くことで自分自身の経験が整理されていきます。
発信は、自分を大きく見せるためだけのものではないと思います。
むしろ、自分が経験してきたことを整理し、誰かに渡せる形にする行為なのだと思います。
うまくいった話だけではなく、迷ったこと。
つまずいたこと。
現場で感じた違和感。
そういうものにも、誰かにとっては意味があるのかもしれません。
会社員のまま、少しずつ外にも開いていく
会社員として働いていると、日々の仕事は目の前の業務に追われがちです。
商談をする。
資料を作る。
社内調整をする。
展示会に出る。
お客様の反応を見る。
次の打ち手を考える。
一つひとつは地味な実務です。
でも、その経験を言葉にしていくと、ただの業務ではなくなっていきます。
自分の経験を整理する。
人とのつながりを大切にする。
実務で感じたことを残していく。
本や記事として形にする。
会社の外にも、自分の名前で小さな接点を作っていく。
こうした積み重ねが、すぐに大きな成果にならなくても、将来の選択肢を少しずつ増やしてくれるのではないかと思っています。
会社に依存しすぎない。
でも、会社を否定するわけでもない。
会社員として働きながら、実務経験を積み、その経験を自分の中だけで終わらせず、少しずつ外にも開いていく。
それが、自分にとって現実的なキャリアの作り方なのかもしれません。
大きな成功談はありません。
でも、遠回りしたからこそ見えることがあります。
つまずいたからこそ、言葉にできることがあります。
普通の会社員だからこそ、同じように迷っている人に届くこともあると思っています。
会社を辞めるか、残るか。
その二択だけではなく、会社員のまま選択肢を増やしていく。
これからしばらくは、そんなテーマについて、自分の経験をもとに少しずつ書いていきたいと思います。