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梅雨の散歩の楽しみは、紫陽花のほんとうの花を探すこと。

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    紫陽花の意外な表情を見つめる。
    まんなかの小さな花が紫陽花のほんとうの花だ。
    まわりの萼との色合わせの妙。

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    花を支える萼の淡い彩りに惚れる。
    じつは花の軸も蒼い。

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    ふさふさなまつ毛を持つ花たちに挨拶をする。
    花のお喋りが聞こえそうだ。

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    晴れ間の陽射しをまぶしく反射する白もいい。

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    雨の散歩も悪くない。
    誰も知らないひそかな発見を、
    独り占めして笑うことができるから。

    花は見られたくて咲くのではない。
    誰の目も気にせず、
    ただ自分のなかの時間に正直に生きている。
    花のように生きられたら。
    それは理想であり、遠い夢のようでもある。




     
     
    綴リスト*エッセイ.小説.空写真。日本左利き協会ホームページにてショートストーリー連載*AJINOMOTO PARK×noteコンテスト『おいしいはたのしい』審査員特別賞。秋の読書感想文コンテスト佳作。ショートショートnote杯佳作。無断転載.AI禁止です。

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