
【写真詩】 まだ見ぬ明日へ
老境の風にあらがい
刹那の夢に羽ばたく
幾重にも織り成す
たまゆらの夢

夕照(せきしょう)に飛び立つ
希望の羽ばたき
進もう その先へ
遠い明日を 目指して
孤高の迷宮からの旅立ちのとき
黄昏に降りてくる
見えない未来に かける光の梯子
彷徨(さまよい)の海原(うなばら)
光の筋(みち)が導くものは
瞼の裏に映りし世界
夢 果たすまで羽ばたけ

明日を恐れて泣いていた
砕かれた夢集めて
舞い上がる
もっと高く もっと遠くへ
孤高から解き放される自由
孤独な闇に誘(いざな)われる失望から
希望に変わりゆく自由
さあ羽ばたこう 傷だらけの翼で
おののきから ときめきへと
不思議な安らぎの風に乗り
焼き尽くした想い引き連れて
まだ見ぬ世界へ
たそがれ老人のつぶやき
夕日に染まる黄金色の水面と、そこを駆ける鳥のシルエット。1枚目の動的な水飛沫から、2枚目の静かで鋭い滑空への流れは、見ているだけで様々な物語を想像させられます。
水飛沫は、そこに生きた証(あかし)、黄金の海を滑るように、ただ前だけを見て,未練を振り切るように、水を蹴る。
水面を震わせた熱量が、やがて一筋の風に変わる、騒がしい世界を抜け出して、波の音さえ置き去りにして、光のなかへ溶けていく一羽の影になる。
夕日に染まる黄金の海を舞台に、「老いたカモメ」がこれまでの歩みとこれからの意志を乗せて飛び立つ姿。
これまでの長い道のりや、思い出や、夢を背負いながら、明日に向かって踏み出す、すべてを昇華したような「静」の境地と、夕暮れの光のなかへ美しく溶け込んでいく引き際をイメージしました。
忘却の翼で、後悔も懺悔(ざんげ)も捨てて、覚めない夢に終わりを告げる旅立ちの時、足跡を波紋に残して、郷愁が尾を引いく旅の始まり、切なさをなびかせ大空へ、翼広げて夕日に向かって、何処までも高く、何処までも遠くに。
老いたカモメの、私から見たその終末の旅路を詩に託しました。